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【読書日記】
(1999年分:No.1〜)

*ナンバーは、99年に読んだ本の通し番号です。


本のタイトル・著者(訳者)・出版社 感想
NO.1 「洪水はわが魂に及び(上・下)」

大江健三郎

(新潮文庫)

今年もまず大江作品から。上巻の最初の1/3くらい、けっこうしんどかったが あとは例によって一気に読んでしまうという、いつもながらのパターン。登場人物がみなすごい個性を 持っていて魅力的。どんな脇役にも命がある。基本的には残酷というか容赦ないお話。あれよあれよという 間に引き返せないところに人間が突き進んでしまうのだが、なぜか不思議に納得しながら読んでしまう。ああ、 みんなこうするしかなかったんだ、というように・・・。
NO.2 「新潮四月臨時増刊 宮本輝」

(新潮文庫)

「新潮」まるまる一冊全部宮本輝特集。ファンには応えられませんっ!
NO.3 「日蝕」

平野啓一郎

(文芸春秋)

京大在学中に芥川賞受賞というとんでもないひとの話題の小説。たしかに難しい 漢字・言い回しは多いけど、すぐに慣れたなあ(大江健三郎の文体に慣れるほうが大変だった)。 それよりもなんというか「感動」ってものが以外と薄くて、次作に期待ってかんじ。すごい力量では あるだろうから・・・。
NO.4 「オリンピア ナチスの森で」

沢木耕太郎

(集英社)

オリンピックベルリン大会をめぐる、日本選手団を中心にしたドキュメント。 単なるスポーツ・ノンフィクションという枠を超えてるね。あの時代の背景についてはあえて淡々としか 書いていないんだけど、登場する人物達の描き方が、この人は本当にうまい。何十年も前のスポーツ選手が 本当に活き活きと想像できるもの。この「オリンピア」シリーズはまだ続くみたいだから楽しみ!!
NO.5 「五体不満足」

乙武洋匡

(講談社)

言わずと知れた話題の書。本当に普通の大学生がこれまでの人生を振り返った、 というかんじ。でもちゃんと問題提起すべきもの、主張することはしてるし、おもしろおかしく読ませる部分もうまいし。よく書けているよね。この著者のご両親は本当に素晴らしい人たちなんだろうな。
NO.6 「君について行こう(上・下)」

向井万起男

(講談社+α文庫)

会社の友人が「オススメ!」ってことで貸してくれた作品。宇宙飛行士の向井千秋さんの ダンナ様が書かれたエッセイ。千秋さんとの出会いや結婚するまで、結婚生活(といってもほとんど別居なん だけど)、向井一家との交流、そして宇宙に行く訓練の様子などなど。独特の語り口がイヤミじゃないし、 内容はとってもおもしろいし、千秋さんへの思いがあふれてて、すっごくよかった。この本を読んで、一気に 「向井千秋さんこそ私の尊敬する人だ」と思っちゃった。「フロリダの青い空は私にこそ似合うと思うんだ」 の一文だけで涙が出そうになった。もちろんこの万起男さんも凄い。たくさんの人に読んで欲しいなあ。


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