「“人が力”であるために、」

エデュース
代表 原 清


標準化(スタンダード)、は便利さと併せて、考え方まで一律化してしまう恐さをもつ。
企業経営の目的は、「会社は続かなければならない」である。
“続くため”には、社員がビジネスライフに夢がもて、自分の存在価値を証明でき、同時に、生きるための糧を得る喜びを実感できなければならない。
経営は生きるか死ぬかの毎日が闘い。
どんな時でも、経営者の価値判断基準は「会社のために役立つか否か」である。だから、経営者は「会社が続くため」に邪魔となる障害は排除しなければならない。
しかし、守り続けられるべきものは、培われてきた自社の歴史・伝統として日々の生活に息吹き、根づく社風・風土である。それが〈暗・黙・知〉として、“口伝え”に、又は日々の“ありよう”として、伝えられ続ける。個性も創造性もすべて“基本”が理解でき、実践される基盤があってこそ。それは、文書・マニュアル・覚え書として形になった“標準化”だけではなく、習慣・ノウハウ・知恵・現場と経営者との一体化…。
社風・土壌は惰性やヌルマ湯からつくられることはない。
〈現場と経営者〉は常に一体。現場を知らない経営者が、将来像をデザインできる筈もない。現場にとっても、ビジョンを描けない経営者の下で額に汗して頑張ることは出来ない。
経営者は、社員の一人ひとりが自分の代わりに仕事をしてくれているのだから、明日に向かって進むべき先々を定め、デザインすることが仕事である。そうして初めて、「ありがとう」の交換が、会社のエネルギーになる。「企業は人」、「組織は人」、「人を育てるのは経営者の器」…。社員一人ひとりの心をワシ掴みにする熱い心と信頼の絆が、「身も心もあなたのために」、と昇華する。
経営はシンプルであれ、価値基準は明確であれ、本音で語れ、熱くあれ、…そこから“人”が育っていく。 

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