やっているつもりで出来ていない『見える化』
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(1)必ず本人に直接指導する。 |
不適合の発生状況を作業者全員に知ってもらって、品質意識の向上のために回覧したり、掲示している現場はよく見かける。不適合の発生状況を「見える化」するためには欠かせないことである。
しかし、掲示してある資料を見ていると、作成した人の自己満足か?とも思えるものもある。
・単に発生した事実が記されているだけのもの
・これまでの発生件数を集計しただけのもの
・必要以上に複雑な手法で分析してあるもの
・文字が小さい上に字数も多いもの
というのが、その典型例である。
(1)不適合一件ごとの内容をシンプルに表現せよ
不適合が発生したら、本人だけでなくほかの作業者にも内容を知ってもらって、同じような失敗をしないようにする。そのためにも不適合の内容を公開することだ。これはとても大事なことである。また、そこに書かれる中身が重要なのだ。起こった不適合が文章で書いてあるだけであったり、具体性の乏しい、難しいことがいっぱい書いてあると、読む気も失せてしまう。そんな面倒くさいものを、一体誰が読んでくれるだろうか?
「見える化」は、“誰でも簡単に見えて、簡単に理解できて、より多くの人が具体的行動に結びつけられること”でなくてはならない。
ポイントは次の通り。
(1)不適合の内容は、文章を読まなくても、一目見ただけで分かるように写真や絵を主体にして、補足説明程度のものにする。 |
(2)不適合発生状況のグラフは、
現状の良し悪しが判断できるものにせよ
不適合の発生状況をグラフ化している会社は多いが、ただ事実を集計してグラフ化しただけでは、得られる情報はたかがしれている。そのようなグラフを見ても、「あぁ、そんなものか」としか感じない。当然、品質に対する意識も芽生えない。
しかし、昨年実績を示すグラフや、今年の目標値を示すグラフと併せて表示するだけで、去年と比べて不適合が多いのか少ないのか、目標が達成できているのかどうなのか、が一目瞭然で把握できる。そこで初めて、作業者には品質に対する意識が芽生えるのだ。
グラフは描けば良いというものではない。かといって、理解に苦しむ複雑な分析資料では尚更見てもらえない。
やはり、誰もがすぐ見て、簡単に理解でき、より多くの人が具体的行動に結びつくかどうかが大事なのだ。
ポイントは次の通り。
(1)昨年の実績を示すグラフを併記する。 |