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【"CATS" 観劇記 in N.Y.】

WINTERGARDEN THEATREの前です!
CATS
AUG 9,1999(MON) WINTERGARDEN THEATRE 8:00PM

「CATS」

座席は「オーケストラ」のC列108番という、前から4列目やや右より通路際の良い席! まず劇場ロビーに入ると、その狭さにびっくり。よく四季劇場のロビーの狭さが話題になるけど、 そんなのは贅沢な悩みだったのかと思うくらい。ロビーから一歩入った客席内も本当にこじんまり。 舞台の大きさはだいたいいまの名古屋キャッツと同じくらいかな。舞台を飾るゴミはやはりアメリカの 有名炭酸飲料やビールの缶が目に付きました。そして日本との大きな違いは舞台の左右奥にも 客席が。昔の回転席の左右数列分くらいがあるというかんじ。(はじめは回転するのかと思ったけど 回転しません。舞台もどこも回転しません)
席についてしばらくするとオケのチューニングの音が。そうかっっ!「キャッツ」も生オケなんだ〜!  と感激。その舞台奥の座席の下がオケピットになっているよう。そして場内が暗くなって・・・どこから ともなく猫達が現れるというおなじみの展開。これだけで客席からは拍手。だんだん明るくなって猫達が はっきり見えてくると・・・なんだかデカい。やはりアメリカの役者さん達は体格がよいのかな、はじめ は猫というより犬に見えてしかたがなかった。でも仕草はやっぱり猫!
ストーリーやナンバーはもうおなじみなので書かないけど、日本では出てこない猫ちゃんや歌があります。 (私は日本のキャッツでさえまだ全猫ちゃんを把握していないので細かいことはチェックできなかったの だが)マキャビティの手下のような黒い変な猫(コウモリみたいなの)がでてきたり、マンカスが中心に なるナンバーがあったり・・・。細かくはチェックしきれてませんが。それから全体的には、ブロード ウェイの「キャッツ」は、劇団四季の(特にいまの名古屋の)「キャッツ」より役者さん達のエンター テイナーとしての意識が高いように思った。お客さんをとにかく楽しませるんだというプロ意識のよう なものが。ダンスや歌、演技のポイントひとつひとつを比べれば劇団四季も何一つひけを取らないし、 むしろアンサンブルが重要な場面など、四季のほうがきれい!だから場面によってはちょっとがっかり するところもあった。ジェニエニドッツの場面や、グロールタイガーとシャム猫たちの対決なんかは 「あれれ・・・」というかんじ。そのぶん、ソロでの存在感はみなさんすごいんですけどね。じゃあ、 各猫たちについて・・・。
・Grizabella(Linda Balgold)・・・これまで観たことのないグリザベラ像を見せつけられた。それくらい 衝撃的な激しい演技です。日本のグリザベラは、昔、華やかな高級娼婦だったときの思い出を胸に、 ホームレスのような暮らしをしているように思っていたが、こちらのグリザは年老いて醜くなった今も、 娼婦としては現役というか、女として枯れていない。だからこそ皆の仲間には入れてもらえないんだし、 だからこそ誰より誇り高く、心の中に純粋なものを残しているんだと納得できる素晴らしいグリザ。 「Touch Me....」のフレーズの熱唱には鳥肌がたった。PLAYBILLを読んで、この女優さんは「アスペクツ ・オブ・ラブ」のローズ、「サンセット大通り」のノーマを、いずれもナショナル・ツアーで演じている と知り、大いに納得。
・Munkustrap(Micheal Gruber)・・・こちらもやはりマンカスは素敵なかっこいいお兄さん! なんだか メル・ギブソンか、マイケル・ランドン(「大草原の小さな家」のお父さん)を若くしたような、頼れる 良いヤツってかんじ。ついつい彼を目で追ってしまいました。ははは。
・Rum Tum Tugger(Stephen Bienskie)・・・いやあ、H度はさすがに高い。腰の振り方ひとつとっても 本当の大人の男の色気を出しまくってた。でもちょっと濃すぎるしややお腹が出っ張り気味で私の趣味 ではなかったな。でもデュトが戻ってきたときの喜びぶりなんかお茶目で、楽しいプレイボーイ。
・Old Deuteronomy(Jimmy Lockett)・・・四季の石井さんデュトもお茶目なデュトだと思うのけど、もっと もっとお茶目な親しみやすいデュト。仕草がかわいらしい〜。そうそう、休憩時間のサインはなさいま せん。ただ、2幕開演のしばらく前になると舞台上に出てきてタイヤの上に座ってくれて、お客は舞台 に上がって彼を近くで見ることができます。握手もなし。入れ替わりたちかわりお客さんがジロジロ見 に来るのに、ジーッとしてるデュトも大変そう。
う〜ん、このまま書いていくとキリがない。あとは少し端折るとするか。スキンブルとミストはどうやら 人気を二分しているようで、彼らのソロでは「キャーッッ」という黄色い喚声が飛んでました。確かに スキンブル役のJon Paul Christensenは男前! バストファー/ガス/グロールタイガーはびっくりする くらいキム・スンラさんと声や雰囲気が似ていました。つまりかなり若いかんじで、元気な元気なグロール タイガー。マキャビティのナンバーを歌って踊るディミータとボンバルは、ダンスも歌唱力も素晴らしか った! この2人に限らず、女性陣のダイナミックなダンスと歌が目立ったな。(シラバブだけはいまいち だったが・・・)。
とにかく、「キャッツ」という作品自体が持つ力というのはやはり万国共通、楽しいミュージカルだなあ、 という幸せな気分で劇場を後にすることができた。で、あえて四季との比較という点でまとめると・・・ ブロードウェイはやはり一人一人の個性が際だってる。そのぶん、アンサンブルやコーラスにやや難が あるところも否めない。したがって「キャッツ」という作品のどんなところに魅力を感じるかによっては、 あえてブロードウェイまで行って見るほどでもなく、四季版のほうがむしろ楽しめるのではないかな。 異論もあるでしょうしキャストによってまた状況は変わってくると思うけど、とにかく私としては 「さすが劇団四季!」という嬉しさも感じることとなった観劇でした。


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