[もくじ] [映画][読書][演劇][コンサート][アート][CD][今後の予定][リンク集]


ミュージカル[表紙]

ミュージカル鑑賞日記
(1999年分:11・12月)

「ソング&ダンス」
「ジーザス・クライスト・スーパースター」
「壁抜け男」(11/14)
「ライオンキング」
「壁抜け男」(12/18M)
「壁抜け男」(12/18S)
日付 公演名(劇団名)・場所 感想
99/11/03 「ソング&ダンス」

(劇団四季)

近鉄劇場

今日は知人夫妻と一緒の観劇。このお二人の感想をご紹介。
・やっぱりテープだと消化不良が残る。特にもっと余韻に浸りたいとき。歌い手さん自身も不満足では?
・この大月さんという人がとってもカワイイ。ファンになっちゃおうかな。カーテンコールでお辞儀するときも とっても真剣ですばらしい(悠ちゃんに目を付けるとはお目が高い!)
・ちょっと演歌調の歌がいくつかあったけど、ホッとするいい曲。(「ユタ」は素晴らしいんですっっ!と宣伝)
・鈴木さんのほうが野村さんより歌も上手くてかわいいのに、プログラムに載る順は野村さんの方が先なのね。 (そ、それは・・・まあ、野村さんが先輩だし、やはり演技力とかいろいろ・・・)
総じてはとても楽しんでいただけたよう。私自身は、「体力作り」バレエ場面(の男性陣)が今まで私が見た中で 最高にタイミングがずれていて、思わず座席から転げ落ちそうになった。それはともかく、今日は坂健にずっと注目。 「夢を配る」のときの、「こわいゆめっ」のフレーズでの坂健のポーズが最高にキュート! 必見! (↑上へ)
99/11/11 「ジーザス・クライスト・スーパースター」

(劇団四季)

寝屋川市民会館

約1年ぶりのJCS。柳瀬ジーザスは素晴らしい成長ぶり。芝ユダの調子もよい! そして保坂マリア。完全に 役柄を自分のものにされているよう。アンサンブルのレベルも高く、この作品が全国公演で見られるなんて 贅沢! ただ、ヘロデ、ピラトはちょいとスケールが小さかったかなあ。まあ、下村さん、沢木さん、光枝さん と比べるのが酷かも。とにかくこれで3回目のジーザスだけれど、ただ圧倒されていたこれまでに比べ、 作品そのものを俯瞰して見ることが出来た。「楽しい」ミュージカルじゃないけれど、劇団四季も、ロイド・ウェバー も若かった頃の傑作というかんじ。大阪で本公演やってくれないかなあ。(↑上へ)
99/11/14 「壁抜け男〜恋するモンマルトル」

(劇団四季)

福岡シティ劇場

フレンチ・ミュージカル日本初演の初日!劇場入りするまでは楽しめるかどうかかなり不安だった。パリ、 モンマルトル、とくると、妙におしゃれすぎてイヤミだったりしないだろうか、壁を抜けるっ ていったいどんなことなんだろうか?? 哲学的なこむずかしい話を振りかざ されたりしたらどうしよう? おまけにフランスの寅さんだなんて聞かされて、 余計に混乱しちゃうじゃない!でも開幕後すぐに不安は吹き飛んじゃった!! 普通の市井に生きる人たちの 人生が描かれていて、笑いと涙のバランスがちょう〜ど心地よい、ステキな ドラマがそこにありました。このところ、動物やおとぎ話の世界じゃなくて、 本当の人間の喜怒哀楽、心の動きを舞台の上に表現したものを真に欲していた 私にとって、なんだか目からウロコ。ああ、こういう舞台を私は見たかっ たんだって気づかせてもらった。音楽も美しい。耳に心地よく、かつ誰でも口ずさめる楽しいメロディー もある。一幕最後の石丸さんが歌うナンバー、ずっと頭の中で鳴ってます! たった3人のバンドの皆さんの演奏 と出演陣の息もぴったり。歌詞はところどころ「おお、そういう日本語で来るかいっ?!」とツッコミの一つ も入れたくなる箇所もあったけど、メロディーともよくマッチしていて違和感なく楽しめた。それから、決して大がかりではないけれどたくさん工夫が凝らされている舞台装置や小道具。と〜ってもかわいらしい衣装etc(とくに 井料さんの髪飾り、私は気に入りましたよ。石丸さんのチェックの衣装も!)。 照明も美しい。なんか全てがこじんまりしてるけど、長く長くつきあえる素晴らしい作品だと思う。 文句をつけるとすれば、やはり歌詞かな。ちょいとエッチな歌詞なんかは「フフフ」といいかんじで笑えるんだけど、違う意味でお行儀の悪い言葉なんかはあまりにも類型的すぎて、こちらが気恥ずかしくなるような 所も。光枝さんがハジけきれないのもそのためのような気がする。それにストーリーとして、主人公2人のロマンスがもう少し盛り上がってもいいような。なぜ2人が惹かれ合っていくか、が弱い。石丸さんと井料 さんという華やかな2人が演じていなきゃ納得できないかもしれない・・・でも、やっぱりこういう普通のおじさん・おばさんが出てくるミュージカルも良い! 私のような、しがない一会社員は身につまされたり笑ったり。ひょ っとしたら、皆さんの上司や、隣人に似た人たちが出てくるかも。そうそう、良かったのがカーテンコール。皆さんが1曲ずつ歌ってくれるのはもちろん、演奏の3人も舞台のに上がる!これには驚くと共に、惜しみない拍手を存分に全員に送ることができて、嬉しくなちゃう!
長くなるけど出演陣について。 作品の内容そのものは薄味だけど、キャストの充実度は、いま上演中の四季の全 カンパニーの中で最高ではないかな? よくこれだけ「達者」な方たちを 集めたもの。他の演目を見ているときのような、「あ、この人だいじょうぶ かな」という不安を「一切」抱かずに、安心しきって作品世界に浸ることができ る。これはいまの四季では貴重なことかも・・・。 では、せっかくなので全キャストについて書いちゃおう。
・石丸さん・・・ああもう、ファンには堪えられませんな、こりゃ。アスペクツ のアレックス以上のはまり役だと思う。まずプログラムを見た瞬間に、 K.O.されますので、気を確かに持ってページをめくってくださいよ、ファン の皆様。特に最後のキャスト紹介のページの写真!! ふ〜・・・ あ、そうそう、それでこの作品ではですね、歌う歌う、踊る踊る。とりたてて 特徴のない役人姿も、壁を抜ける能力にとまどう姿も、街の人を喜ばせて楽しむ 姿も、そして「疲れた・・・」という姿も(私も石丸さんに「ちょっと疲れた」 なんて言って欲しいもんだ。あ、失礼・・)、もちろん歌も、どれも最高っす。
・喜納さん・・・石丸さん以上に、喜納さんハマってます。喜納さんの役者人生 ここに極まれり、といっても過言ではないでしょうっ! 石丸さんに向けていた はずのオペラグラスをついつい喜納さんに向けてしまうこともたびたび。
・光枝さん・・・あいかわらずの芸達者ぶりで、もっともっと面白くな りそう。しかし、あのダンディなジョージから、おバカな囚人まで。一挙手 一投足で笑いが取れるすごい方。
・丹さん・・・私もこういう年の取り方をしたいなあ、とつくづく思わせてくれ る個性的な娼婦役(年取った娼婦になりたいわけじゃないですよ、念のため)! 我が道を行き、常に権力に立ち向かい、仲間を大切にして、ユーモアを忘れず、 仕事も女も生涯現役。「潔い」のよねえ。
・井料さん・・・実はなかなか難しい役所だと思います。最後の最後まで、いま ひとつ何を考えているのか、彼女自身がどうしたいのかよくわからない。でも、 籠の鳥もいつか飛び立つときがくる。そしていったん飛び立つと、なんと美しく 飛ぶことでありましょうか。井料さんだからこそそのあたりが際立って、ラスト の感動につながるのだと思う。
・青山さん・・・青山さんの刑務所長の演技が一番「真に迫って」いて、迫力 満点。なにかが青山さんの中で吹っ切れたのか?!
・川原さん・・・キャストのなかで唯一、不満なのが川原さん。だって、本来の 魅力が80%くらいしか出てないだもん。川原さんはやっぱり誰か恋敵と戦 って、むなしく破れてくれなければ!
・渋谷さん・・・言ってみれば彼演じる画家が狂言まわし的な役割なんでしょう。 もうステキな絵描きさんそのまんま。私の絵も描いて欲しいっっ! 渋谷さんが 役のうえで描く絵、少しずつ変わっていきますので注目。
・佐和さん・・・失礼ながら歌が素晴らしくてびっくり! 恋多きパリの女という雰囲気で良かった(M嬢が生娘、というのはウソと見 た。本当の生娘はあんなときに自分で「生娘よ」なんて言わないでしょ?!)
・横山さん・・・要領のいいお局OL(ですよね、ありゃ)と、情熱的な共産 主義者の2役なんですがどちらもうまいっ! 私個人的にはお局さま風の横山 さんと一緒に給湯室で社内の噂話なんぞしてみたい。
・千野さん・・・他の作品で拝見したかどうか記憶がないんだけど、初見かな? 刑務所の場面では、川原さん以上に茶目っ気を発揮していて、要チェック。
・有賀さん・・・有望な若手を見つけて成長を見守る楽しみというのは、ファン の醍醐味のひとつだと思いますが、そんなファン心理をくすぐる新人が登場。 すこ〜し堅さはありますが、期待大っ! 彼のユタなんてどうでしょう?
(↑上へ)
99/11/20 「ライオンキング」

(劇団四季)

大阪MBS劇場

う〜ん、さすがにもうあまり「感想」というのはないんだけど、 とにかくシンバ:原クンがちゃんと歌えてひと安心。芝居はもう一息だな。あと、野中スカーがけっこういい味に なってきてる。でも、作品が全体的にこじんまりしてきたというか、弾ける生命力がないのよねえ。一緒にいった 友人は喜んでくれたけど。もちろん、終始楽しいミュージカルではあるのだが・・・。みんな、オリジナル・キャスト のことなんか忘れて、思い切ってやってほしいなあ。 (↑上へ)
99/12/18 「壁抜け男〜恋するモンマルトル」

(劇団四季)

福岡シティ劇場

・マチネ。B列26番なんかが取れてしまって、もう数日前から、「タイプライターを叩く石丸さんが目の前だわ。 どうしよう」とドキドキし。案の定、冒頭のシーンでは申し訳ありませんが石丸さんしか見ていなかった 私。書類の角をキチンと揃えたり、丁寧にバインダーに手紙を揃えたり。芸が細かい、石丸さん・・・。 あとのシーンはちゃんと違うところも見たよ! 気がついたのは、川原さんが看守役のとき、帽子にちゃんと小さな サッカーボールがついていたこと!(靴がスニーカーなのは初日に気づいた)、それから横山さんがとにかくやたらクッ キーを食べていること、青山さんに至ってはほとんどまるまる一枚のクッキーを一口で食べていたりすること、チョコレート らしきものもあのお菓子の缶に入っていること・・・。
そろそろマジメに。初日以来の観劇でしたが、役者さん達全員に、良い意味での余裕 のようなものが感じられました。しかも皆さん、本当に楽しそう。どのシーンでも、誰もが、舞台の端にいるときでも表情豊かで 人間味にあふれている。パリの下町に生きる人々の喜怒哀楽のようなものをみているだけで、物語の筋と関係なく、幸せなのに 悲しい、悲しいのに幸せ、みたいな不思議な感覚が終始私を襲ってきて、何度も涙が出そうになった。 それに、初日はとにかくメロディの洪水のように感じられた各曲が、各シーン、各シーンにいかにマッチしているか、そのときの 登場人物の感情を表しているか、粒だってこちらに伝わってきた。さて、カーテンコールではハプニングが。出演者の皆さんが少しずつ歌を歌って、一旦、赤いカーテンの向こうに入るんだけど、そのとき壁に立てかけるようにして舞台においてあるデュティユルの似顔絵に丹さんの衣装が引っかかり、倒れてしまったのです。カーテンが閉まると同時にデュティユルの似顔絵、イザベルの似顔絵、そして劇場の絵の3枚だけにスポットが当たるようになっているのに、その絵がない!そしてまた皆さんが順に出てきたとき、川原さんが丹さんをつついて「絵、倒れちゃってますよ」という感じで言っているのを私は目撃。慌てて直そうと絵に近寄ろうとする丹さん。でも全員手をつなぐ列ができてしまって直せない!おじぎがあって、もう一度セットの向こうに皆さんが戻るとき、絵を戻そうと丹さんが腰をかがめて手を伸ばす。と、その時!誰かの手が一瞬早く差し出され、絵を立てかけ直したのです・・・。そう、石丸さんが。劇中で丹さんにネックレスをかけてあげた時のようにさりげなく・・・。惚れ直した(笑)。 マチネが終わって「ああああ。ソワレも見ることにしておいて本当に良かった」と思った。もしマチネだけの予定だったとしても、速攻で当日券を購入してたね。ソワレでは、もう、しばらく見られないんだから、しっかり目に、耳に焼き付けなきゃっっ!  と、舞台のすみからすみまで、4列目から体を乗り出すようにしてジッと見つづけてしまった。登場人物だけじゃなくて、セット の細かいところひとつひとつもなんだか愛おしくて、もう、大好き、この演目。自分でもうまく説明できないくらい大好きになってしまった・・・。マチネではなかったアンケートがソワレではあったので、「演奏の 皆さんのプロフィールもパンフレットに載せて下さい。それから、CD化と、大阪での公演を熱望します!」と書いてきました。 (↑上へ)
99/12/18 「壁抜け男〜恋するモンマルトル」

(劇団四季)

福岡シティ劇場


ミュージカル鑑賞日記の最初のページへ

←Kazuki's Homepageの表紙に戻る