今道 由教 Yoshinori Imamichi

 

線を読む(23-1

29.7×21.0cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

線を読む(23-2

29.7×21.0cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

線を読む(23-3

29.7×21.0cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

線を読む(23-4

29.7×21.0cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

線を読む(23-5

29.7×21.0cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

線を読む(23-6

29.7×21.0cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

おりがみ絵(23-7

15.2×15.2cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

おりがみ絵(23-8

14.2×18.7cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

色面の出来事(連続籤引綴)Vol.223-9

31.6×57.7cm トレーシングペーパーにインクジェトプリン ト2023

色面の出来事(連続籤引綴) Vol.123-10

31.6×57.7cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

点から線、線から像へ(23-11)※左面

H29.7×W2.1×D21.0cm 紙にインクジェトプリント 2023

点から線、線から像へ(23-11)※右面

おりがみ絵(23-12

13.4×12.5cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

おりがみ絵(23-13

11.6×17.8cm トレーシングペーパーにインクジェトプリント 2023

 

 ■今道 由教 コメント  [Artist Statement]

これまで「何かの対象を描くのではなく、描く行為そのものから生じる筆運びや筆圧などの痕跡による非具象絵画」に取り組んできました。

近年、図像と支持体の関係や支持体の表と裏の関係に着目しながら、絵筆以外にパソコンやプリンターといった機器を使用して、従来の描く行為と異なる角度から絵画へのアプローチを模索しています。パソコンで作成した図像データが物理的な支持体を介することで、支持体がイメージを立ち上げると同時にイメージが支持体の構造を浮かび上がらせるような図像と支持体が深く結びついた絵画を志向しています。

今回、トレーシングペーパーを主な支持体とし、その透過性から表裏にプリントされた図像が干渉し合うことで生成する作品を試みました。

 

「おりがみ絵」 

 「折る」という行為で直接支持体に働きかけることで図像を描く試み。

幾何学的な図像を両面に印刷した1枚のトレーシングペーパーを折り紙のように折っていくことで、支持体が変形しながら物理的な厚みや奥行を生み出すのと同時に、折り重なる面の透過する幾何学形態が連結して視覚的イリュージョンを発生させる。

 

「線を読む」

プリンターのスキャナー機能による描画の試み。

スキャナー起動後、読み取りラインが移動して行くのに合わせて、1本の直線を引いた原稿を手で動かしながら何度もその1本の線を読み取らせると、読み取られた部分と読み取れなかった部分により図と地が発生し、イメージが形成される。このように作成された二つの図像データをトレーシングペーパーの表裏にそれぞれプリントすると、表と裏の図像が重なる部分の色彩が混ざり合い、新たなイメージが支持体に結実する。

 

「色面の出来事(連続籤引綴)」 

偶然性を利用して均等に分割した100の升目を彩色し、図像を生成する試み。

くじ引きで最初にプリンターの標準色10色から2色を選び、次に選ばれた色ごとに1から100までの番号札から50枚を選んで彩色する升目を決定する。選ばれた2色の升目データをそれぞれトレーシングペーパーの表と裏にプリントすると、各升目は選ばれた2色のほか、同じ番号を引いた升目は二つの色が混色された升目に、くじ引きにもれた番号の升目は余白となって、それぞれの色面が形作られ図像が立ち上がる。また、くじ引きを繰り返し、物質的に可視化されたシートを綴っていくことで、ファイルを見開きにした際、下層の重なる色面の干渉を受けた画面が現れる。

 

「点から線、線から像」

 プリンターのスキャナー機能による描画の試み。

 原稿であり、最終的に作品の支持体となる用紙に小さな穴をひとつあけて、その穴の点をスキャナー読み取りラインの動きに合わせて、点(穴)を読み取らせ続けることで線の図像データを作成し、それを原稿にプリントする。次に、このプリントされた線を原稿にして同じように1本の線を読み取とらせて生成した図像データを原稿の裏面にプリントして、1枚の用紙の表裏に点(穴)から線、そして像(かたち)に至る描きの軌跡を収めた。

 ■略歴  [Artist Biography]

1967 大阪府生まれ

1990 甲南大学文学部社会学科卒業

 

・個展

1992 ギャラリー白(大阪)

1993 オンギャラリー(大阪)※以降〜`99年まで開催

1994 画廊ポルティコ(神戸)

2000 番画廊(大阪)

2001 SAIギャラリーWALL(大阪)※以降〜`06年まで開催

2007 番画廊(大阪)※以降`09年〜`13年まで開催

2008 SAIギャラリーWALL(大阪)

2014 Oギャラリーeyes(大阪)※以降、毎年開催

2017 大ギンガ書房(大阪)※以降、`18年開催

 

・グループ展

1997 ひらかたの若き美術家たち展(枚方市立御殿山美術センター・大阪)

2009 NEO STUDIO 9WORKS(ギャラリー菊・大阪)

2010 青の美学展(ギャラリー菊・大阪)

2012 ひらかたコンテンポラリーアート2012Note Gallery・大阪)

2012 枚方の美術家展(ギャラリー菊・大阪)

2013 New Years Art ExhibitionNote Gallery・大阪)

2013 未来を拓くExhibition(ギャラリー菊・大阪)

2013 サ・ヨ・ナ・ラbangarow展(番画廊・大阪)

2014 New Years Art ExhibitionNote Gallery・大阪)

2014 赤地さんを偲ぶ仲間たち展(茶屋町画廊・大阪)

2014 未来を拓くExhibition(ギャラリー菊・大阪)

2016 Neo Realiste 10WORKS(ギャラリー菊・大阪)

 

・参考文献

三脇康生:月刊「美術手帖」199310月号(レビュー)

中塚宏行:「今道由教」番画廊2009 個展DM(テキスト)

福元崇志:「今道由教」Oギャラリーeyes 2022 個展DM(テキスト)

Oギャラリーeyes HOME