兒島まさ子  Masako Kojima 「Cuna de Bebé

 

苦くてあつい旅

112.0×162.0cm カンヴァスに油彩 2023

あかとみどりのうそ

1620×162.0cm カンヴァスに油彩 2023

暗い中で眠っていると

53.0×53.0cm カンヴァスに油彩 2022

ハンカチの中の人生

53.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2022

空と土のすきまを歩く

162.0×162.0cm カンヴァスに油彩 2022

風と雨の思いがけない移り変わり

162.0×130.3cm カンヴァスに油彩 2023

ステップダンス

53.0×33.3cm カンヴァスに油彩、クレヨン 2023

種子(各種)

H12.7×w110.0×d26.0cm(展示台込み) 種子(ツノゴマ、他)

大阪市立自然史博物館 蔵

 

 ■兒島まさ子 コメント  [Artist Statement]

種は、植物の赤ちゃんが入った「ゆりかご(Cuna de Bebé)」だ。

美しい花に棘があるように、小さな種や実にも生き抜くための機能が備わっている。

 

風にのって飛んでいくタンポポの綿毛、翼がくるくる回転しながら遠くまで飛行できるカエデやまつぼっくり、山火事の強い熱を味方にして種をばらまくバンクシア、あざやかな色で鳥を誘う実、そして、くっつきむし。種や実は、形や色を環境に合わせる彼らなりの生存戦略があることに驚く。

 

それは、今より一歩、自由に生きるための手段となる。

 

時々、中南米のパナマで出会った植物や生き物を思い出す。靴や鳩の形をした蘭、心地よい日陰をあたえてくれる毒をもった黄色い花、猛毒を持つ金の蛙は、とても小さいが強さをかねそなえていた。

 

それらの植物や生き物は私に「したたかに生きること」を思い出させてくれた。彼らは子々孫々のために、防御のためになにかしら生き抜くことを選ぶ。敵も味方にして生き延びる。そこが、愛おしい。

 

そんな世界の中に私もいるとわかったときに、日々の生活が自然に受け入れられる。

 

植物の生きる術と、私の毎日が重なり合う。

私のリアルな日々は、私が生きるためのものなのだから。

 ■兒島まさ子 略歴  [Artist Biography]

1976 和歌山県生まれ

1999 宝塚造形芸術大学造形学部美術学科絵画専攻卒業 

2001 インターメディウム研究所・IMI「大学院」講座修了

 

・個展

1999 あながち間違っているともいえない空(CUBIC GALLERY・大阪)

1999 みにくいあひるのこ理論(CUBIC GALLERY・大阪)

2004 うき寝(CUBIC GALLERY・大阪)

2005 うたの星座(CUBIC GALLERY・大阪)

2007 うたとおどりのうみ(CASO・大阪)

2008 日向くさい宙(GALLERY MAISON D'ART・大阪)

2010 百色の詩(GALLERY MAISON D'ART・大阪)

2017 お花草子(CUBIC GALLERY・大阪)

2019 鳥の空音(Oギャラリーeyes・大阪)

2020 小品展 20082020Oギャラリーeyes・大阪)

2021 たゆたう(Oギャラリーeyes・大阪)

2022 ガラスの薬壜(Oギャラリーeyes・大阪)

 

・グループ展

1999 合宿ワークショップ展(後藤美術館・千葉)

1999 LOVE ONESELF-SOアートギャラリー・大阪)

1999 熱海ビエンナーレ(旧松下邸、熱海サンビーチ、銀座商店街、他・静岡)

2001 WERGO BOJEL−ウサギの傘−(CASO、他・大阪)

2009 2009.nov.painting+(CUBIC GALLERY・大阪)

2015 Forms of Light 2015CUBIC GALLERY・大阪)

2021 アナタと私のねじれた世界(Oギャラリーeyes・大阪)

 

・参考文献

原久子:「artscape2004415日号(レビュー)

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