大橋風人 Kazato Ohashi

 

不確かな存在16

45.5×53.0cm カンヴァスにアクリル絵具、塩化ビニール 2022

ミょレりュろ

h18.0×w18.0×d4.0cm 石粉粘土にジェッソ、アクリル絵具 2022

不確かな存在14

116.7×116.7cm カンヴァスにアクリル絵具 2022

じグみゥーずュり

41.0×53.0cm カンヴァスにアクリル絵具 2022

よ、けらみ

h18.0×w19.0×d5.0cm 泡スチロールに石粉粘土、アクリル絵具 2021

不確かな存在15

53.0×45.5cm カンヴァスにアクリル絵具 2022

、ンュ

79.0×59.0cm 麻布にアクリル、鉛筆 2021

ドローイング A

25.6×17.1cm 紙にアクリル絵具、インク 2022

ドローイング B

25.6×18.1cm 紙にアクリル絵具 2022

へョ、らャりみム

h12.4×w16.9×d2.4cm 石粉粘土にジェッソ、アクリル絵具 2022

 

 ■大橋風人コメント  [Artist Statement]

描いてると山の稜線のような、白い帯のような線が現れてきました。

この線について考えていると、"まじないことば"を思い浮かべていました。

私が思った"まじないことば"とは、

唱えることによって手元にある感覚、安心できる感覚になることばのことだと思っています。

意味をもつ"まじないことば"ですが、私が重要とするのは音だと感じています。

母音と子音の並びがもっと重要に感じていて、

極端に言えば電話番号や暗証番号などに近いものに感じています。

音だけが響いて広がる、自分から発したまじないことばであるが確かに自分ではないなにかの力を宿した音という感覚があります。

それは儀式のような、降臨術のような趣があり、

実際に行っているとも感じています。

以上のことを踏まえ、"まじないことば"を意識して、制作にとりかかりました。

以前の手法(マスキングテープで線を捉える手法)でキャンバスに制作しつつ、

ドローイングで発見した線をトレースし、半立体に引き起こすという手法を制作に取り入れ始めました。

これは復唱や儀式的なイメージに看過され行いました。

(復唱とはトレースすること、儀式的とは粘土を使い支持体を制作すること)

ドローイングで発見した線はとても特徴的であり、文字のような印象を持っていると感じています。

その印象とは、

かつての人類は、木や石、骨に彫り付けたり粘土板に記した情報で歴史を残している。(ルーン文字や楔形文字等)

また、動物も自然に目印をつくったりしている。(例えば熊が木に爪痕を残すことなど)

以上の文字あるいは、非言語の文字を想起し思考しています。

双方ともに意味を持っているが、ただそこにあることによって感じる痕跡の空気感が相似していると感じています。

そこにある印象、イメージについて、着彩を行いました。

ジェッソで粘土をおおい、アクリル絵の具で画面を埋めてゆく。

キャンバスで行っていた制作とはうって変わり、

そこにある印象、イメージについて色を重ね潰し、さらには物理的に表面を削る。

ふわふわと浮かんだ精霊のような、

雲みたく掴めない水蒸気のような、

うまく言葉にできないがゆらゆらと潜んでいるに違いないとそう確信してします。

もしくは、存在を呼び起こす通信機なのかもしれない。

そこあらわになることなんてありえない、

存在そのものをこの地に呼び出すような禁足地へ鑑賞者、私自身を恐々と、脚を運んでゆけたらと願っています。

 ■略歴  [Artist Biography]

1999 兵庫県生まれ

2020 京都嵯峨美術短期大学美術学科美術分野洋画・現代アート領域卒業

 

・個展

2021 Oギャラリーeyes(大阪)

 

・グループ展

2020 トゥールビヨン 18Oギャラリーeyes・大阪)

2022 Standard Japan Edition 2022Oギャラリーeyes・大阪)

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