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●Standard Japan Edition 2022 |
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■展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition] |
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現在の“日本”の中に見られる情景は、長い年月を経て培われてきた歴史や近代化による変革、戦後からバブル期に到るまでの経済成長、外交発展等の影響からも伺えるように、様々な景観を形成してきました。それは日用品や衣類、住居においても大きく反映され、古来の自然に恵まれた日本の風土や生活スタイルを劇的に変化させ、現在に到っています。平成以降、サイバー空間を通じて容易に外在の世界を取り込み順応出来るいま、デジタルとフィジカルな空間が複雑に交錯する情景こそ標準的な“日本”の様相として浸透しています。本展は「Standard Japan Edition」と題して、各作家の視点と作品を交えながら、様々な関係性の所産として在る現在の“日本”の様相を模索します。 Oギャラリーeyes(O Gallery co.,ltd.) |
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■日下部一司 Kazushi Kusakabe |
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逆遠近法 67.5×52.0cm 紙にスクリーンプリント 2022 |
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■日下部一司 コメント [Artist Statement] |
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数字と量感の関係を察知することが苦手だ。しかし、世の中は数字が幅を利かせている。 入試シーズンは終わったが、偏差値や合格点などよく話題になる。オリンピックも0.01というような数字が勝敗に関係していたし、オミクロン感染者も都道府県別に数値化される。その数字と量感の関係をどれほど自分で体感できているのだろう。 「大きい」「小さい」を重さや長さで表記できるだろうが、実際は視覚と触覚、さらに言えばそれにまつわる空気を感じ取ることだと思ったりもする。 |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1953年、岐阜県生まれ。1976年、大阪芸術大学芸術学部美術学科版画専攻卒業。1975年、ギャラリー射手座(京都)にて初個展を開催。以降、信濃橋画廊(大阪)、シティギャラリー(神戸)、ギャラリーココ(京都)、ウエストベスギャラリー・コヅカ(名古屋)、SAI GALLERY(大阪)、The Third Gallery Aya(大阪)、Oギャラリーeyes(大阪)、伊丹市立工芸センター(兵庫)、京都造形芸術大学芸術館(京都)、ギャラリーヤマグチクンストバウ(大阪)、Marie Gallery(東京)、ギャラリーすずき(京都)、MATSUO
MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/w(京都)等で個展を開催。その他、京都市美術館(京都)、東京都美術館(東京)、ブラッドフォード美術館(イギリス)、リュブリアナ美術館(旧ユーゴスラビア)、兵庫県立美術館(神戸)、大阪府立現代美術センター(大阪)、岐阜県美術館(岐阜)、ウオーカーヒルアートセンター(韓国)、姫路市立美術館(兵庫)、ドイツ文化センター(ドイツ)、中之島デザインミュージアム(大阪)、京都市文化博物館(京都)、大阪府立江之子島文化芸術創造センター(大阪)、徳島県立近代美術館ギャラリー(徳島)等、国内外の美術館、ギャラリーで開催されたグループ展等に多数出品。 |
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■吉田
祥 Sho
Yoshida |
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肉の気持ち 35.0×35.0cm 半光沢紙にインクジェット、アルミマウント 2022 |
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■吉田
祥 コメント [Artist
Statement] |
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私は「現実感」を作品のテーマとしています。 現代において、私たちは情報化された空間での出来事が日常の出来事のうちの多くを占めるようになってきていますが、その中で薄れていく現実の身体に対する意識や感覚があると思います。また、私は日本ではジェスチャーなどの身体による意思の表現が少ない傾向にあると考えています。これらの要素を「意思と動作の調和に失敗する身体」の(図)像として表現し、薄れていく現実感や新たに得られる現実感の確認を目的としてこの作品を制作しました。 |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1992年、島根県生まれ。2020年、京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コースを卒業。主なグループ展に、2017年、いないがいればいい(京都精華大学kara-S・京都)。2019年、ideaかと思ったらideaだった。(京都精華大学kara-S・京都)、創造的ドローイング展(ギャラリーフロール・京都) 。2020年、キノプリント2020(ギャラリーヒルゲート・京都)。創造的ドローイング祭(京都精華大学・京都)、トゥールビヨン18(Oギャラリーeyes・大阪)。2021年、アナタと私のねじれた世界(Oギャラリーeyes・大阪)等に出品。 |
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■中小路萌美 Moemi Nakakoji |
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れのり 80.3×100.0cm カンヴァスに油彩 2022 |
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■中小路萌美 コメント [Artist Statement] |
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いま日本で発信されているコンテンツの多くはわかりやすさを重視している様に感じる。それはネットやSNSだけでなく現実でもそうだ。 誰でもひと目で理解できる刺激的なもの。そうしたものはとても気持ちがいいが、忘れるのも一瞬かもしれない。 よくわからないものに意味はないのか。 私は、自分にとって曖昧なものを「わからないけれど許容すること」は意外と難しく、そして大事なことなのではないかと思う。 わからないけれどなぜか見てしまう。そんなものを描き続けていきたい。 |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1988年、兵庫県生まれ。2013年、愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士前期課程油画版画領域を修了。2012年、GALLERY SUZUKI(京都)にて初個展を開催。以降、スルガ台画廊(東京)、文化フォーラム春日井(愛知)、gallery N(名古屋)、Oギャラリーeyes(大阪)、Oギャラリー(東京)にて個展を開催。主なグループ展に、2013年、トーキョーワンダーウォール公募2013入選作品展(東京都現代美術館・東京)、トゥールビヨン11(Oギャラリーeyes・大阪)。2014年、KUAD graduates under30 selected(Galerie Aube・京都)。2015年、世界と世界を交換する・西会津国際芸術村C塾(西会津芸術村・福島)。2016年、こととか(西会津国際芸術村・福島)。2017年、シェル美術賞展2017(国立新美術館・東京)。2018年、 第5回アラタパンダン展(クリエイティブセンター大阪 名村造船所跡地・大阪)。2020年、sanwacompany Art Award/Art in TheHouse 2020(サンワカンパニー東京ショールーム・東京)。2021年、SICF×Spiral
Online Store -view-(スパイラルエスプラナード・東京)、Pictorially
yours,(表参道画廊・東京)、REAL by ArtSticker
Shanghai - 未来可期的日本新锐艺术家们-(上海梅龍鎮伊勢丹
1F STAGE、5F IKASAS上海旗艦店・中国)。2022年、『Spinout Hours 〜失われた2時間〜』The Chain Museum×中小路萌美(NEWoMan YOKOHAMA・横浜)、FACE展2022年(SOMPO美術館・東京)等に出品。 |
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■大橋風人 Kazato Ohashi |
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よつはみげて 23.8型(16:9) 液晶モニター、メディアプレイヤー、他 2022 |
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■大橋風人 コメント [Artist Statement] |
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音楽を作って、映像に取り掛かるというプロセスで映像制作を行なっています。 これは2000年ごろからCDマーケットの衰退や日本国内の動画配信が普及した影響で、音楽家が作った曲にPVをつける文化が浸透する等、その手法を引用しています。 音楽や曲という印象は大きな蜘蛛の巣のようで強大に感じる。 一つの曲に対して、人々によって独自に作られたPVは、蜘蛛の巣に引っかかった蝶や蛾に観え、混沌とも感じます。 音に捕らわれた映像たちの最後まで見届けたいと思う。 |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1999年、兵庫県生まれ。2020年、京都嵯峨美術短期大学美術学科美術分野洋画・現代アート領域を卒業。2021年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催。主なグループ展に、2020年、トゥールビヨン 18(Oギャラリーeyes・大阪)に出品。 |
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■山ア結子 Yuiko Yamazaki |
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Lowres image 37.8×28.7cm 印画紙に銀塩プリント 2022 |
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■山ア結子 コメント [Artist Statement] |
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記憶の中の風景は不確かなものである。 見えているものが正しく記憶されているとは限らない。更に私にとっての日本の風景があなたにとってのそれと同じだとは言えない。 「Lowres image」では見えている情報を減らすことによって想像の余地を与え、それぞれの見え方での補填を促している。 |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1998年、大阪府生まれ。2021年、嵯峨美術大学芸術学部造形学科油画・版画領域を卒業。現在、愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画版画領域に在学。2021年、SHIBUYA CAST Åre(東京)にて初個展を開催。主なグループ展に、2018年、アイマミエル展(嵯峨美術大学アートスペース嵐・京都)。2019年、SAGA DASH 2019(Art space-MEISEI・京都)、2020年、SAGA DASH 2020(Art space-MEISEI・京都)。2020年、SHIBUYA PIXEL ART 2020(渋谷ヒカリエ 8/COURT・東京)、DISTANCE(ガラムマサラ・京都)、第45回全国大学版画展(町田市立国際版画美術館・東京)。2021年、Hello 2021 (SUNABAギャラリー・大阪)、♯-mesh-(ギャラリー恵風・京都)、オルタナティブな具象(SUNABAギャラリー・大阪)、U know they mean(steps galleary・東京)、トゥールビヨン 19(Oギャラリーeyes・大阪)、抽象の庭U(SUNABAギャラリー・大阪)、第35回 京都芸術祭美術部門国際交流総合展(京都市美術館別館・京都)、つくるもの、つくるあたま(Fab Cafe Nagoya・名古屋)。2022年、NEWoMan YOKOHAMA×The Chain Museum Vo.4「現実への挑戦」(NEWoMan YOKOHAMA・横浜)、INDIRECT’22(愛知県立芸術大学・愛知)、KUMA EXHIBITION 2022(ANB Tokyo・東京)。 |
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■洪
亜沙 Ahsa
Hong |
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100均のプリンセスステッキ 53.0×45.5cm カンヴァスに油彩、プラスチック 2022 |
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■洪
亜沙 コメント [Artist
Statement] |
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8ヶ月間フランスに滞在した。フランスに「安くて良い」100均はない。安くて可愛いピアスはすぐに壊れた。「安くて良い」など強欲だ。 フランスの景色には時間の重みがあり、本物の物体だった。日本の景色は安易に手に入る偽物で満足しようとして、書き割りのようだった。私は100均で買ったおもちゃを描き「アンティーク風」のフレームで囲った。おもちゃは本物でない日本を象徴しているようであり、フレームは、アンティークという時間の蓄積を安価に手に入れようとする卑しさを感じたからである。 私は壊れたピアスを何度も修理した。私は強欲に、可愛いその子を、維持させたいのだった。 |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1996年、大阪府生まれ。2018年、嵯峨美術大学芸術学部造形学科油画分野を卒業。2019年、Gallery PARC(京都)にて初個展を開催。主なグループ展に、2017年、one room(嵯峨美術大学・京都)、SAGA DASH 2017(Art-Space MEISEI・京都)。2018年、Joyful(Art-Space MEISEI・京都)、うのぜみ2018(Steps Gallery・東京)、第21回JAALA国際交流展(東京都美術館・東京)、les signes 2018(Oギャラリーeyes・大阪)。2019年、On
the Steps 2019(Steps Gallery・東京)、トゥールビヨン 17(Oギャラリーeyes・大阪)等に出品。 |
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■川口洋子 Yoko Kawaguchi |
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ハート 244.8×20.0cm 木材に写真、局紙、コットンペーパー、綿生地、他 2022 |
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ハート 6.5インチ(21:9) スマートフォン用ディスプレイ 2022 |
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■川口洋子 コメント [Artist Statement] |
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インスタグラムの投稿にハートを押すか迷っている時、この二択で決められる程私の心も写真の存在も単純では無いと思った。日常を思い返すと、自分が判定をする者であり、また判定される者であるかの様な振る舞いが他者との関係性の中にあった。それらは人の心とそこから生まれる光景に関係している様に思えた。 人の心をマークにしたハートを複雑で固定されていない状態に戻したいという気持ちが湧いて、身の周りに見つけたハートの形を撮影した。そこには意識することもない程、日本にとってスタンダードになっている情景が写っていた。 |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1990年、大阪府生まれ。2013年、京都嵯峨芸術大学附属芸術文化研究所研究科を修了。2009年、京都嵯峨芸術大学アートプレイスU2(京都)にて初個展を開催。以降、ギャラリー301due(神戸)、Oギャラリーeyes(大阪)、Oギャラリー(東京)、ギャラリーAO(神戸)にて個展を開催。主なグループ展に、2012年、トゥールビヨン10(Oギャラリーeyes・大阪)、GALLERY301 GROUP EXHIBITION(Gallery301・神戸)。2014年、流れる風景(2kwギャラリー・大阪)、les signes
3(Oギャラリーeyes・大阪)。2015年、EXHIBITION by ZERO!(あかね画廊・東京)、With Art EXPO〜うまれてうれしい〜(住之江公園・大阪、オランダ大使館・東京)、LA VOZ 21st EXHIBITION(京都市美術館 別館・京都)。2016年、世界は同時に存在するvol.2(ギャラリー編 かのこ・大阪)、EXHIBITHION by ZERO!(あかね画廊・東京)、LA VOZ 22nd EXHIBITION(京都市美術館・京都)。2017年、LA VOZ 23rd EXHIBITION(京都市美術館 別館・京都)、sol
nu 一つの黎明 この風の生まれたところ(嵯峨美術大学付属ギャラリー アートスペース嵯峨・京都)。2018年、6花セレクト合同展覧会「夏のあしあと」(6丁目の花野・神戸)。2019年、COVER IV(CAS・大阪)。2019年、ONLY CONNECT OSAKA(クリエイティブセンター大阪・大阪)、LA VOZ 25th EXHIBITION(京都市美術館 別館・京都)。2020年、LA VOZ 26th EXHIBITHION(京都市京セラ美術館 別館・京都)。2021年、アナタと私のねじれた世界(Oギャラリーeyes・大阪)、茨木映像芸術祭上映展覧会(茨木映像芸術祭特設会場・大阪)等に出品。 |
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