中小路萌美 Moemi Nakakoji 「かたちのいるところ」

 

ませ

97.0×130.3cm カンヴァスに油彩 2022

むるねい

130.3×162.0cm カンヴァスに油彩 2021

からる

130.3×162.0cm カンヴァスに油彩 2022

こーこ

130.3×162.0cm カンヴァスに油彩 2022

なろね

60.6×72.7cm カンヴァスに油彩 2022

のこた

38.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2022

ののり

15.8×22.7cm カンヴァスに油彩 2022

いとと

45.5×53.0cm カンヴァスに油彩 2022

いる

14.0×18.0cm カンヴァスに油彩 2022

 

 ■中小路萌美 コメント  [Artist Statement]

絵の中のかたちがどういった重なり方をしているのか。

新たに加えた色や生まれたかたちが一番手前にいるとは限らない。描けば描くほど、隣り合ったかたちだけでなく、下の層と複雑にせめぎ合い、奥に潜んでいたかたちがせりだしてきたりするのだ。

半透明に透けるようなかたちや、なにか輪郭をなぞる様な(もしくは重なりがずれてかたちの片鱗が見えたような)そんなものたちを見ていると、今このかたちはいったいどこに、どんな風にいるのだろうかと考えてしまう。

 

「どこに」というのは、この平面の奥行きのことだ。いや、奥行きというより絵の中で生まれたかたちの厚みであり、深さと言えばいいのだろうか。

「どんな風に」というのは、ただ上に重なっているのではなく、なにかちょっとした含みがある様な、かたちの反対側が存在しているような感覚である。

 

これがいい例えかどうか自信はないが、水の入った透明なペットボトルを思い浮かべてほしい。

ペットボトルの表面、自分に近い面がまず目に入る。中に液体が入っているけれど、直接みているわけではなくて、ペットボトル越しに水を見ている。さらに水を通してペットボトルの反対側がいくらか歪んでみえている。

例として立体物をあげたが、絵の中のかたちが立体というわけではなく、なにかこうした多重のものの様な気がしている。

かたちの表面が重なっているのではなく、中身や裏側という要素があり、その厚みが深さに繋がっているのではないだろうか。

 

以前私の絵の空間は、奥行き7cm、画面の手前に3cmほどだと言った。

これはなんとなくの感覚なので、なぜこの数値なのかと問われても答えることは難しい。

この約10cm程度の空間のなかでかたちがお互いに干渉し合い、表面と中身と裏側のどこを見せるのか、あるいは見せないのか。自らで深さをつくりながら、探っているのである。

 ■略歴  [Artist Biography]

1988 兵庫県生まれ

2011 京都造形芸術大学芸術学部美術工芸学科油画コース卒業

2013 愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士前期課程油画版画領域修了

 

・個展

2012 それがあるような気がしてる(GALLERY SUZUKI・京都)

2013 第47 L'ESPOIR 2013 新人選抜展(スルガ台画廊・東京)

2014 Shift Cube Vol.25「空中のあお」(文化フォーラム春日井・愛知)

2014 踊るのをみていた(florist_gallery N・愛知)

2014 宝石になるまえに(Oギャラリーeyes・大阪)

2014 夜のない絵(Oギャラリー・東京)

2015 夜のない絵(Oギャラリーeyes・大阪)

2015 こどものようなあしたへ(gallery N・愛知)

2015 2回目のかたち(GALLERY SUZUKI・京都)

2016 色と形のこと(Oギャラリーeyes・大阪)

2016 あいだ(gallery N・愛知)

2017 みること(Oギャラリーeyes・大阪)

2018 かたちのいのち(Oギャラリーeyes・大阪)

2018 ゆらぎのあと(gallery N 神田社宅・東京)

2019 ただようもの(Oギャラリーeyes・大阪)

2020 小品展 20182020Oギャラリーeyes・大阪)

2020 3cm前のせかい(gallery N・愛知)

2021 境界のかたち(Oギャラリーeyes・大阪)

 

・グループ展

2010 めばえ 京都造形芸術大学学科優秀作品選抜2010

Galerie Aube・京都)

2011 設楽研究室「絵の回路」(市民ギャラリー矢田、Gallery G・愛知)

2012 Woodland Gallery 2012(みのかも文化の森・岐阜)

2012 460人展(市民ギャラリー矢田・愛知)

2012 清須市第7回はるひ絵画トリエンナーレ

(清須市はるひ美術館・愛知)

2012 設楽研究室「絵の回路」

(愛知県立芸術大学サテライトギャラリー、Gallery G・愛知)

2012 ORA vol.4Court Gallery KUNITACHI・東京)

2012 美術系学生選抜展 美系優秀【ビケイユウシュウ】2012

(文化フォーラム春日井・愛知)

2013 トーキョーワンダーウォール公募2013入選作品展

(東京都現代美術館・東京)

2013 トゥールビヨン11Oギャラリーeyes・大阪)

2014 4clover(スルガ台画廊・東京)

2014 KUAD graduates under30 selectedGalerie Aube・京都)

2015 世界と世界を交換する (西会津国際芸術村・福島)

2015 P_P_P_P(市民ギャラリー矢田 第3展示室・名古屋)

2016 こととか(西会津国際芸術村・福島)

2016 HOTEL ANTEROOM KYOTO 5floor 568

HOTEL ANTEROOM KYOTO・京都)

2017 シェル美術賞展2017(国立新美術館・東京)

2018 第5回アラタパンダン展

(クリエイティブセンター大阪 名村造船所跡地・大阪)

2018 輝いて麗しの油絵具(Oギャラリーeyes・大阪)

2019 CBC翔け「ルーキー」展 vol.3(松坂屋名古屋店 美術画廊・愛知)

2020 sanwacompany Art Award/Art in TheHouse 2020

(サンワカンパニー東京ショールーム・東京)

2020 設楽研究室「絵の回路」

(愛知芸術文化センター アートスペースX・愛知)

2021 SICF×Spiral Online Store -view-(スパイラルエスプラナード・東京)

2021 Pictorially yours,(表参道画廊・東京)

2021 REAL by ArtSticker Shanghai -未来可期的日本新锐艺术-

(上海梅龍鎮伊勢丹 1F STAGE5F IKASAS上海旗艦店・中国)

2021 遮りの景象−ソノムコウヘ(Oギャラリーeyes・大阪)

2022 『Spinout Hours〜失われた2時間〜』The Chain Museum×中小路萌美(NEWoMan YOKOHAMA・横浜)

2022 FACE2022SOMPO美術館・東京)

 

・受賞

2011 京都造形芸術大学卒業制作展(学長賞)

2012 清須市第7回はるひ絵画トリエンナーレ(佳作)

 

・参考文献

大島徹也:「中小路萌美 作品20172019」リーフレット(テキスト)

千葉真智子:「NAKAKOJI Moemi 3cm前のせかい」リーフレット(テキスト)

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