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●神頭優太 Yuta Shinto |
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暗順応(12) 130.3×162.0cm カンヴァスに油彩、木炭 2021 |
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白昼夢 53.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2022 |
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雪女 65.2×53.0cm カンヴァスに油彩、鉛筆 2022 |
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旋風 162.0×130.3cm カンヴァスに油彩、木炭 2022 |
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水蒸気 38.0×45.5cm カンヴァスに油彩、鉛筆、木炭 2022 |
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夜想曲 15.8×22.7cm カンヴァスに油彩 2022 |
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湧出する光 22.0×27.3cm カンヴァスに油彩、鉛筆 2022 |
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Icon 18.0×14.0cm カンヴァスに油彩、鉛筆 2022 |
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■神頭優太 コメント [Artist Statement] |
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絵画や音楽などの芸術作品は、情動を喚起する。ときには個人の感情や記憶へと働きかけ、唯一無二の体験をもたらす。こうした芸術の神秘は言語化が困難なものとされ、ある種の聖域として取り扱われる傾向にある。しかし、本質を把握するためには、あくまでも冷静に現象をみて、その仕組みを理解しようとする態度が不可欠である。 私はアーティストとして、芸術の多様な表現媒体のなかから、物質の表面に表現が定着する点において、構造の把握が比較的容易である「絵画」を選択し、そのマテリアルによる情動喚起の仕組みを明らかにすることを目指す。絵画を物質と行為に還元し、その根源的な構造(形相+質料)の探究を通して、芸術の本質へ接近することを目的とする。 しかし、「作り手」は制作過程にある作品を見つめる「受け手」でもあるため、純然たる鑑賞者、観察者にはなり得ない。その両義性ゆえに、観察対象として作品の信頼性を確保できないという問題が生じる。こうした客観的な評価の障害となる「作り手の主観」を可能な限り排除するため、図像の完成を目的としない迂遠な制作手法を採用する。 具体的には、スクリブル(殴り書き)を起点に、オートマティスムやアラ・プリマといった即興性の強い手法を用いることで、身振りの痕跡を表出させ、絵画平面上にある構成要素の形象化を阻害する。また、パレットの選定については、色彩刺激への惑溺を回避するため、鎮静色を中心とした低彩度から中彩度のトーンに限定する。制作の過程においては、描画材という物質が変容する様相の把握に努め、感情を制御しながら「見ること」と「描くこと」を試行する。これらの相互作用により、画面は絶えず移り変わり、眼と手による思考の痕跡が定着していく。 経験則に基づき、これ以上手が加えられないと判断した時点で作品制作を中断し、支持体を新しいものと入れ替える。一般的な意味での完成を放棄し、つねに制作を連続した状態におくことで、個々の作品に対する執着など客観性の妨げとなる要因を分散させる。こうした試行の結果を観察し、適宜、感情の評価を行う。なお、評価にあたっては、第三者的な視点を獲得するため、制作の終了から数日の間隔を置く。情動喚起の強度を直観により判定、弱い作品はその場で破棄し、加筆や修正は原則として行わない。 これらの実践から生じる作品群が、連綿と続く「絵画」という営みへの密やかな追記となる可能性に懸けたいと思う。 |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1994 兵庫県生まれ 2018 京都精華大学芸術学部造形学科洋画コース卒業 ・個展 2017 京都精華大学7-23ギャラリー(京都) 2020 Oギャラリーeyes(大阪) ・グループ展 2017 創造的ドローイング−作家になるために− (京都精華大学ギャラリーフロール・京都) 2018 トゥールビヨン16(Oギャラリーeyes・大阪) 2019 新・輝いて麗しの油絵具(Oギャラリーeyes・大阪) 2021 第32回美浜美術展(美浜町生涯学習センターなびあす・福井) 2022 ACTアート大賞展 2022(アートコンプレックスセンター・東京) 2022 神戸アートマルシェ 2022 第7回「Artist meets Art Fair」 (神戸メリケンパークオリエンタルホテル・神戸) 2022 ギャラリーへ行こう 2022(数寄和・東京) 2022 第3回枕崎国際芸術賞展(枕崎市文化資料センター南溟館・鹿児島) 2022 Any Kobe with Arts 2022「超公募展」(MRSXビル・神戸) |
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