●Tourbillon 19(トゥールビヨン19 Part 1

 

 

 ■展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition]

トゥールビヨン(tourbillon:フランス語で“うずまく”)と題されたこの展覧会は、現在の様々な動向に視野を向けながら、社会の中での関係性や可能性を探り、絵画という媒体の中で求心的に模索することで、自らの方向性や在り方を力強く示そうとする若手作家に注目し展覧会を構成します。

【トゥールビヨンは、時計の仕組みでテンプや脱進機を丸ごと回転させて、重力による負担を低減させるシステムの名称です。普段、重力の束縛から逃れることが出来ない日常から、わずかでも解放されるような感覚を喚起出来ればという願いからこのタイトルが付けられました】

OギャラリーeyesO Gallery co., ltd.

 

 叶田百恵 Momoe Kanada

クリスタルU

41.0×31.8cm カンヴァスに油彩、色鉛筆 2021

澄んだ水に触れる

22.7×15.8cm カンヴァスに油彩 2021

道端

22.0×33.3cm カンヴァスに油彩、色鉛筆 2021

Routine

130.3×162.0cm カンヴァスに油彩 2021

するり

41.0×31.8cm カンヴァスに油彩、クレヨン 2021

アクセル

15.8×22.7cm パネルに油彩、色鉛筆 2021

 

 ■叶田百恵 コメント  [Artist Statement]

私が絵の題材にする、描きたいと惹かれるものは、「自分を取り囲むものまるごと」だ。

たとえば風景を描くとき、目の前に広がる景色そのものに惹かれるだけではなく、その時の五感で感じたことや感情も全て含めて描きたいと手が動く。

誰でも1度は体験したことがあるような、しかしそのことを気にも留めないようなことを取り上げてみる。私はこれまで、様々な場所で遭遇した出来事や風景をドローイングに描き留めて絵を描いてきた。しかし思うように出かけることができなくなった今、家の中や職場に向かう道など、より小さくて近い場所に目が向くようになった。このことは視野が狭まったのではなく、大きな石をひっくり返して見える世界があるように新しい発見に気づくきっかけになった。

誰もが見たことのあるものにも、その人だけの特別な記憶があるかもしれないし、同じ景色を見ていても、何がどう見えているか、何を感じているかは千差万別である。これは当然のことだけれど、非常に面白くて少し切ないことだと感じる。隣にいる人でも、どんなに親しい人でも完全に同じ時を共有することはできない。絵を通して、他者と私がトレーシングペーパー越しに重なったり、少しはみ出したりするような体験ができたら一番良い。

 ■略歴  [Artist Biography]

1996 千葉県生まれ。

2019 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業

2021 多摩美術大学大学院修士課程絵画専攻油画研究領域修了

 

・個展

2018 JINEN GALLERY(東京)

2019 あることあること(JINEN GALLERY・東京)

2021 波間をかき分けて(Oギャラリー・東京)

 

・グループ展

2017 EXIST Vol.16JINEN GALLERY・東京)

2018 歌詞にできない(永谷ギャラリー・東京)

2019 多摩美術大学卒業制作(多摩美術大学・東京)

2020 FACE2020(東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館・東京)

 

 八木鈴佳 Suzuka Yagi

curtain #3

130.3×194.0cm カンヴァスにアクリル絵具 2021

curtain #3(部分)

lace curtain #1

41.0×31.8cm カンヴァスにアクリル絵具 2021

lace curtain #2

41.0×31.8cm カンヴァスにアクリル絵具 2021

scene#1

27.3×22.0cm カンヴァスにアクリル絵具 2021

 

 ■八木鈴佳 コメント  [Artist Statement]

わたしは目の前に見えているものが「そこにある」という、身の回りにある事物の所在を捉え直すための方法を制作の中で探っている。

自身にとって身近な事物をモチーフとし、その対象物を画面の中で隠すようにして描画を重ねていく。

画面全体をパターンによって覆うなど、画面の中に中心を作らず視点が定めづらい構図を意識することで、対象物を描きながらも対象物をうまく捉えられない画面になることを試みる。

また地を部分的に塗り残しながら絵具を幾層にも重ねていくことで、重層的でありながらフラットな画面になることを意識する。

多層的な画面によって、不透明であり閉鎖的な絵画空間内に突き抜けていくような奥行きの感覚を獲得することで、事物と自身との間にある空間を確かめるように画面を作っていく。

隠された事物の気配を視点で探るように、何かを捉えようとする視覚の揺らぎや危うさを絵具層の中に捉えることができないかと考えている。

 ■略歴  [Artist Biography]

1997 京都府生まれ

現在 京都市芸術大学大学院美術研究科修士課程在籍

 

・個展

2021  KAGANHOTEL[京都]

2021 京都市芸術ギャラリー(京都)

2021 galerie 16(京都)

 

・グループ展

2020  贈りもの展(ギャラリー恵・京都)

2021  コンシン展 vol.3gallery UG・東京)

 

・パブリックコレクション

京都銀行

 

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