小川直樹 Naoki Ogawa

 

森に満つる水

42.0×30.0cm カンヴァスに油彩 2020

白雨U

38.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2020

白雨

32.0×41.0cm カンヴァスに油彩 2020

水鏡の森V

100.0×80.3cm カンヴァスに油彩 2020

星の棲家

30.5×23.0cm カンヴァスに油彩 2020

水鏡の森

162.0×130.3cm カンヴァスに油彩 2020

水鏡の森U

162.0×130.3cm カンヴァスに油彩 2020

サクラメント

65.2×50.0cm カンヴァスに油彩 2020

祝日の朝

53.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2020

夢を呼ぶ少年

41.0×41.0cm カンヴァスに油彩 2020

浜の森

36.5×52.0cm カンヴァスに油彩 2020

アカメ

53.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2020

 

 ■小川直樹 コメント  [Artist Statement]

雪のよく積もった深々とした裏山の笹林の中、目眩がするような静けさ、樹々の切れ間から溢れる光。

 

夏の夕暮れ時に、すでに濃い闇に沈んでいる森から聞こえてくる、油断しているとついつい奥深くへ誘われてしまうようなひぐらしの数多の鳴き声。

 

山あいの土地の激しい夕立、築120年の古い家の黒い梁の天井や室内の暗さと、外の雨風と稲光や雷の筋のコントラスト。

 

自分の存在に比べてあまりに大きなものと対峙している時の幼少期の身体感、その記憶、心許なさ。

 

制作活動を始めて12年程になると思いますが、ふとした時に上記の様ないくつかの光景が意識の奥の方で(少し矛盾しますが)鮮明に蘇って来ます。

よりシンプルに削ぎ落とされているのか、歪められているのか。経験としての形は明確ではないですが、間違いなくそれは自分の制作の核となるポイントとして存在している事を最近は強く実感しています。

多くの方が生きている間に様々な事象と出会っている訳ですが、それぞれの存在にとって重要な瞬間というのはとても些細で、特別なものではなかったり、その時には気付きにくいものなのではないかと思います。またそういったものに出会う機会はとても少ないかもしれません、それがその人にとって何であるのか、答えもさまざまなのではないでしょうか。

 

情報過多な社会やネット・SNS等の仮想世界の広がりとは別のベクトルの、世界の深度の果てしなさがあると感じます。

ある光景が明滅するように他の事象と重なり染み渡って来るのはなぜなのか。そしてそこに含まれる抽出すべき可能性を私という個人の身体を通して絵画と言う形で表現する事が出来る様に、日々目の前の光景を見落とさずに、多くは手に入らないものを取りこぼさずに生きて行きたいと思います。

 ■略歴  [Artist Biography]

1984  島根県生まれ                                                         

2007  成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス卒業

2008  成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス研究生修了

2010  25回ホルベインスカラシップ奨学生

 

・個展

2008  Oギャラリーeyes(大阪)※以降、同ギャラリーにて毎年個展を開催

2011  Oギャラリー(東京)※以降、同ギャラリーにて2012年、2015年、2017年に個展を開催

 

・グループ展

2005  ART & CRITIC(成安造形大学ギャラリー/アートサイト・滋賀)

2007  PIECES(海岸通りギャラリーCASO・大阪)

2010  シェル美術賞2010(代官山ヒルサイドフォーラム・東京)

2011  THE GALAXY−パラノイア銀河(Oギャラリーeyes・大阪)

2012  The 13th Anniversary Pre ExhibitionKICKS(Oギャラリーeyes・大阪)

2012  群馬青年ビエンナーレ(群馬県立近代美術館・群馬)

2013  DrawingExposed essence 2013Hydro」(Oギャラリーeyes・大阪)

2015  琳派400年記念・京都新鋭選抜展2015(京都文化博物館・京都)

2015  FACE2015 損保ジャパン日本興亜美術賞展

(損保ジャパン日本興亜美術館・東京)

2015  トゥールビヨン13Oギャラリーeyes・大阪)

2015  FACE2015 選抜作家小品展(REIJINSYA GALLERY・東京)

2016  FACE2016 損保ジャパン日本興亜美術賞展

(損保ジャパン日本興亜美術館・東京)

2016 シェル美術賞2016(国立新美術館・東京)

2017 トゥールビヨン0(Oギャラリーeyes・大阪)

2018  輝いて麗しの油絵具(Oギャラリーeyes・大阪)

2019 開廊20周年記念展「続・絵画劇場」(Oギャラリーeyes・大阪)

2020 The extracted element 2020Oギャラリー・東京)

 

・受賞

FACE2016 損保ジャパン日本興亜美術賞展(審査員特別賞)(オーディエンス賞)

シェル美術賞展2016(グランプリ)

 

・参考文献

酒井千穂:「art scape2014515日号(レビュー)

福元崇志:「小川直樹 展」Oギャラリーeyes 2018 個展リーフレット(テキスト)

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