マイクロフラクチャー2020 セイブツの交差視

 

 

 ■展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition]

自然の情景や現在の様々な媒体を通して眼にする映像等、それらが観る者の感情と結び付き、特定の出来事やシーンに発展すると印象に残りやすいものです。またメディアの発達に伴い情報が身近に溢れ、それに紛れて無自覚のうちに視覚に入る像等も、日常において潜在的な印象となって断片化され、意識の中に留まるというケースもあります。このように状況に即して記憶の中に残留する印象は、私達の中でどのようなかたちで顕在化しイメージの雛形を形成して行くのでしょうか。マイクロフラクチャー(小さな破砕)と題された本展は、そのような断片化された記憶の隙間に潜む微細な印象を集め、記号的に共有しやすい像のみに留まるのではなく、個人の限られた視点の中で、密度の高い印象の体現を試みている作品に焦点をあて展覧会を開催致します。

OギャラリーeyesO Gallery co., ltd.

 

 ■石川愛子 Aiko Ishikawa

光るゾンビ

65.0×65.0cm カンヴァスに油彩 2020

自生するオニオン少女

22.0×27.3cm カンヴァスに油彩 2020

てつろうのなみだ

27.3×22.0cm カンヴァスに油彩 2019

悩みを打ち明ける

24.2×33.3cm カンヴァスに油彩 2020

川につかるサル

27.3×22.0cm カンヴァスに油彩 2020

海藻のうず

65.0×80.0cm カンヴァスに油彩 2020

庭の植物とその感触

19.5×14.7cm 紙に色鉛筆 2019

赤い実をおひとついかが

28.5×20.0cm 紙に鉛筆、パステル、アクリル絵具 2019

旬の果実

21.3×29.6cm 紙にボールペン、色鉛筆 2019

 

 ■石川愛子 コメント  [Artist Statement]

植木鉢を倒してしまった。庭の金柑が酸っぱかった。

お茶をこぼしてカーペットを濡らした。

ささいな出来事は日常で忘れていたとしても、

ふとしたきっかけで思い出します。

個人的で何でもないエピソードを、油絵具の線や色で物語的に表しています。

 ■略歴  [Artist Biography]

1993年、大阪府生まれ。2018年、京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画を修了。2018年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催(以降、同ギャラリーにて2019年に開催)。2019年、Oギャラリー(東京)で個展を開催。主なグループ展に、2015年、「端」にふれる(京都市立芸術大学構内・京都)。2016年、トゥールビヨン14Oギャラリーeyes・大阪) 。2017年、さくら、メタセコイヤ、聴く(京都市立芸大学大ギャラリー・京都)。2018年、Artmore Award Exhibition(弘重ギャラリー・東京)。2019年、私を辿るユビキタス 存在の構図(エビスアートラボ・名古屋)、新・輝いて麗しの油絵具(Oギャラリーeyes・大阪)等に出品。第36期「国際瀧冨士美術賞」にて優秀賞、第22回グラフィック「1_WALL」グラフィック部門で審査員奨励賞を受賞。

 ■佐野綾香 Ayaka Sano

Demel5個のモチーフ

60.6×72.7cm カンヴァスに油彩 2020

DEBAILLEUL

45.5×45.5cm カンヴァスに油彩 2020

White Musk

27.3×22.0cm カンヴァスに油彩 2020

8個のモチーフU

72.7×91.0cm カンヴァスに油彩 2020

DEBAILLEULU

38.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2020

CH.DEMELS SOHNE

22.0×27.3cm カンヴァスに油彩 2020

紫の箱V

38.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2020

 

 ■佐野綾香 コメント  [Artist Statement]

色は、目に入る光の波長の長さで変わっているといいます。

このことを知った時、自分の見ている色鮮やかな世界に、本当に色が付いているのか不安になりました。

自分の視界の外から見たら、色なんて全くない、色という概念もない、知らない世界が広がっているかもしれない。

それまでイメージしていた、青い空と緑の大地と、そこに立つ自分の姿が、ぶれて頼りない絵面になりました。

 

小学生の頃、目の仕組みを習った時も、同じ感覚を覚えました。

レンズを通した景色が網膜に逆さに写る。視神経を通して脳に伝えられる。脳で処理して視界として「見える」。

景色が一度逆さまになって、脳で処理されるなんて、ずいぶん手を加えられた景色を見ているんだなと思い、なんとも落ち着かない心地でした。

 

落ち着かないけれど、見えているものは、今生きている自分だけのものとも言えました。

誠実に絵を描くとはどんな事か、考えながら描いています。

 ■略歴  [Artist Biography]

1992年、兵庫県生まれ。2016年、京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業。2017年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催(以降、同ギャラリーにて2018年に開催)。主なグループ展に、2014年、Linksにラクガキ!(Linksギャラリースペース・大阪)、ゆはん展(ギャラリー空・鍵屋・京都)、トゥールビヨン12Oギャラリーeyes・大阪)。2016年、The extracted element 2016Oギャラリーeyes・大阪)。2018年、マイクロフラクチャー2018Oギャラリー・東京)。2019年、新・輝いて麗しの油絵具(Oギャラリーeyes・大阪)等に出品。

 

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