●The garden of the ray 6Irradiation and emission

 

 

 ■展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition]

これまで絵画の中で対象とされてきた光は、光学的あるいは事物を透過に認識させる普遍的な存在として描かれてきましたが、現在は高度な情報処理と配信技術により急進的な速度でデジタルな光が浸透し、絵画に留まらず写真や映像におけるイメージや空間の形成にも大きな波及をもたらしました。そのような中、様々なかたちで光が交錯する世界(日常に広がる光景と、多様な媒体を通して情報が拡張する環境)で、如何に外界とつながり確かとされるものを捉える事ができるのでしょうか。本展は「Irradiation and emission」と題し、光の照射を受けてそれを放出するモノの有様と、俯瞰的な視点からみた対象の様相に注目します。

OギャラリーeyesO Gallery co.,ltd.

 

 ●大野咲樹 Saki Ohno

LINES 2

24.2×19.2cm フォトグラム 2019

LINES 1

24.2×19.2cm フォトグラム 2019

LINES 11

29.7×24.2cm フォトグラム 2020

LINES 9

29.7×24.2cm フォトグラム 2020

LINES 12

29.7×24.2cm フォトグラム 2020

LINES 6

36.2×49.2cm フォトグラム 2020

LINES 7

36.2×49.2cm フォトグラム 2020

LINES 4

36.2×49.2cm フォトグラム 2019

LINES 5

36.2×49.2cm フォトグラム 2020

LINES 3

24.2×19.2cm フォトグラム 2019

 

 ■大野咲樹 コメント  [Artist Statement]

作品における体性と平性について興味があり、奥きを感じさせる陰影などの変化を加えて構成の認識を作為的にずらすことで、鑑賞者に図像の再認識を図ることを試みている。

例えば、ある体物を正から撮影した写真をたとき、写真に写っている形状は平図であるにもかかわらず、その物を体物として認識できる場合がある。

また、本来は平的な物であっても、場合によっては体物にえる場合もある。

それは鑑賞者が写真に写っている物の奥きや陰影などの情報を読み取り、無意識に補完して判断しているからではないかと考えている。

フィルム写真を現像する際に使される、印画紙と呼ばれる紫外線を当てると黒くなる紙の上に、原稿をのせ、その上から感光させるフォトグラム(レイヨグラフともいう)という技法をいて、線をモチーフとした平体、どちらとも読み取れる奥きの認識や、構成の認識について考察している。

 ■略歴  [Artist Biography]

(おおのさき)1997年、知県まれ。2019年、京都精華学芸術学部メディア造形学科版画コースを卒業。現在、京都市芸術学院美術研究科版画専攻に在籍。主なグループ展に、2017年、naki.kara-S・京都)。2018年、fermata(アートギャラリー北野・京都)、第43 回全国学版画展(町国際版画美術館・東京)。2019年、ぞんざいな存在(多次元ギャラリー「キョロキョロ」・京都)等に出品。

 

 ●星野想子 Soko Hoshino

(上)no title

29.7×21.0cm デジタルコラージュ 2020

(下)こんな夜は

42.0×29.7cm デジタルコラージュ 2020

Surface

59.4×42.0cm デジタルコラージュ 2020

ジャングルジムのてっぺんから見える景色

29.7×42.0cm デジタルコラージュ 2020

no title

59.4×59.4cm デジタルコラージュ 2020

丸くなる

42.0×29.7cm デジタルコラージュ 2020

船を運んでゆく海の色

42.0×29.7cm デジタルコラージュ 2020

Surface

59.4×42.0cm デジタルコラージュ 2020

朝明け、結び直した靴紐

42.0×29.7cm デジタルコラージュ 2020

まだ残るあたたかさ

42.0×29.7cm デジタルコラージュ 2020

曇りガラス越しに揺れる

42.0×29.7cm デジタルコラージュ 2020

 

 ■星野想子 コメント  [Artist Statement]

写真とは何なのか。

そんなことをよく考える。

あの頃の私は、写真と関わることが日常であり、生活することの一部だった。

疑う事なく写ったものを信じていた。

けれど出来上がったコラージュ作品を目の前にして驚いた。

「今私が見ているものって何なのだろう。」 

目が認識している光、カメラが捉えた光、液晶から放たれる光

写真であることを忘れたかのように、疑わずに見るということに対しての違和感があった。 

この作品に何が写っているのか ではなく、見方によって写真がどう変化し 何が見えてくるのか。 

自分なりの物語を追加したり、ある光景を思い浮かべたり、物理的に解釈してみたり。

作品に隠れている”なにか”を探ることで、解像度が上がってゆき、私だけのものになってゆく。

その、思考の余白に入り込めた感覚を大切にしたい。 

そんな、驚きで心が浮かんだ帰り道。いつもと少し違う視点で外を歩く。

道路の白線はどこまでも続いていないこと

晴れている日の川はいつも以上にキラキラと光っていること

その光を受けて、魚や石がおしゃれできること

そんな単純で簡単なことに気がついた。 

ありふれた毎日に、ほんの少しの気づきがありますように。 

そういう風に作品も日常も感じていけたら幸せだろう。

 ■略歴  [Artist Biography]

(ほしのそうこ)1997年、静岡県生まれ。現在、嵯峨美術大学芸術学部造形学科油画版画領域に在籍。2019年、gallery そら(大阪)にて初個展を開催。同年、LINDA HOSTEL 106(大阪)にて個展を開催。主なグループ展に、2017年、one room(嵯峨美術大学クラブボックス・京都)、点々展(アートサイドカフェ ココモ・静岡)、am pm(ギャラリーsiroiro・大阪)。2018年、KASANARI(絵本の店キルヤ・静岡)。2019年、Lamp BoxLINDA HOSTEL 106・大阪)。2020年、HAPPY NEW YEART(中目黒蔦屋書店・東京)等に出品。

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