●Restriction 2020OOO計画

 

 

 ■展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition]

本展は作家にRestriction(制約)を設け、その枠の中で表現の営為を模索しながら、それぞれの手法で制作された作品を出品して頂きます。

このたびは「OOO計画」と題し、「O」という文字から汲み取れる内容(意味、形象、呼称等)を使用して制作する事を条件に制作を依頼し展覧会を開催致します。「O」という字形は、オーヴァル(楕円または角丸長方形)やアラビア数字のゼロとの類似、環(自然界や宇宙に見られる円環)、ウロボロス(永劫回帰)を象徴する等、様々な領域や構造、思想の中に潜んでいます。また、本展の発信元であり開催場所が「Oギャラリーeyes」であることや、コロナ渦で分断された社会情勢の中、アートの現場にコミットしながら世界と個人を繋ぐ「円環」として、閉塞的で不透明な状況に没入しないための開かれた場をイメージしたかたち「O」をアイコンとして採用しています。制約の条件を各作家はどのように受け止め制作に携わるのか、普段の制作と制約の中での表現の有様を相対化させながら、作品に繋ぎとめられているもの、あるいは削ぎ落とされ顕在化されるものの様相を捉えます。

OギャラリーeyesO Gallery co.,ltd.

 

 ■大崎信之 Nobuyuki Ohsaki

Fanfare of Great Reconstruction paper sculpture with 3holes− h34.0×w17.0×d24.0cm 和紙に金箔、ステンレス 2020

 ■大崎信之 コメント  [Artist Statement]

 

ファンファーレと熱狂 赤い太陽 5時のサイレン 6時の一番星

                                                     

          ※andymori19842009年(作詞・作曲:小山田壮平)より引用

 

祭りの後の〜 っと言うように、熱狂を伴った集団行動は終われば寂しいものです。

中国の指導者が唱える「中華民族の偉大なる復興」は私には祭りの始まるファンファーレに聞こえてしょうがありません。

三つの穴が一つの空洞でつながった張子の人物像です。トランペットはツタンカーメンの副葬品をモデルにしました。

 ■略歴  [Artist Biography]

1955年、京都府生まれ。1983年、京都市立芸術大学大学院彫刻科修了。1982年、ギャラリー白(大阪)にて初個展を開催。以降、ギャラリーすずき(京都)、ギャラリーRU(京都)、オン・ギャラリー(大阪)、ギャラリー16(京都)、Oギャラリーeyes(大阪)にて個展を開催。主なグループ展に、1984年、今村源、大崎信之、奥田輝芳による3人展(ギャラリー白・大阪)を開催。同年、第4回現代美術今立紙展(福井県今立町)に出品。1985年、第10回京都美術展(京都府立文化芸術会館・京都)、第10 Good Art展(京都市美術館・京都)。1986年、ライト・オン‘86(オン・ギャラリー・大阪)。1987年、LANDSCAPE/大崎信之、奥田輝芳(ギャラリー白・大阪)、1989年、YES ART 8(ギャラリー白・大阪)。1995年、小品展−彫刻−青木野枝、伊藤誠、大崎信之、祐成政徳(ギャラリー白・大阪)。2004年、Figure−大崎信之、永井英男、日野田崇(ギャラリー白・大阪)。2010年、Kind of the ironyOギャラリーeyes・大阪)。2012年、KICKSOギャラリーeyes・大阪)。2014年、Value added−フロクノミリョク(Oギャラリーeyes・大阪)等に出品。

 ■大田原桜子 Sakurako Ohtawara

h60.0×w85.0×d7.0cm ダンボールに布、合成皮革、ビニールテープ 2020

 ■大田原桜子 コメント  [Artist Statement]

この展示について最初にお話を頂いたのは、文字ではなく会話の中でした。それもあってテーマの「オー」の音からすぐに「凹」が浮かび、「このテーマなら絵画ではなく作品に直接触りながら制作したい」と考えました。ドローイングから形を作っては組み合わせ、時には部分ごと削ぎ落として変化していく過程は絵画と同じで、特に抵抗はありませんでした。ただ、「触る」という行為によりこれまでよりも作品との距離が近付いたように感じています。

■略歴  [Artist Biography]

1991年、兵庫県生まれ。2017年、京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画を修了。2016年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催(以降、同ギャラリーにて毎年個展を開催)。同年、京都市立芸術大学小ギャラリー(京都)にて個展を開催。主なグループ展に、2014年、CAUSE ON THE SURFACE 4Oギャラリーeyes・大阪)。2017年、Drawing-Exposed essence 2017「ガ○ダム」を描く(Oギャラリーeyes・大阪)。2019年、新・輝いて麗しの油絵具(Oギャラリーeyes・大阪)等に出品。

 ■大津安以 Ai Ohtsu

そばぼうろ(空白から光は降り注ぎ、花が咲く)

91.0×91.0cm カンヴァスに油彩、オイルパステル 2020

 ■大津安以 コメント  [Artist Statement]

Oには“空白”が不可欠だ。Oという文字の真ん中を塗りつぶすと、それはただの円になってしまう。

つまりOは輪であり、中央の空白がOOたらしめている。そして今、“空白”といえば思い当たることがある。それはコロナ禍によってぽっかりあいてしまった空白の期間…

その“穴”の向こうには光があり、そこから光は降り注ぐと信じたい。そしてきっと、その光が“花”を咲かすのだと…そんな思いを込めて描きました。

■略歴  [Artist Biography]

1991年、大阪府生まれ。2014年、京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業。2015年、GALLERY SAGE(大阪)にて初個展を開催。以降、Oギャラリーeyes(大阪)にて個展を開催。主なグループ展に、2012年、KURUKURU展(阪急百貨店うめだ本店・大阪)。2013年、つながる展(Gallery Ort Project・京都)、トゥールビヨン11Oギャラリーeyes・大阪)。2014年、コロニー7(京都市立芸術大学小ギャラリー・京都)、人間展(金沢21世紀美術館・石川)、CAUSE ON THE SURFACE 4Oギャラリーeyes・大阪)。2016年、Between the scene and the form 2016Oギャラリーeyes・大阪)、Enigmatic behaviorOギャラリーeyes・大阪)、セマンティックポートレイト4Oギャラリーeyes・大阪)。2017年、うるわしのヒロイン(GALLERY SAGE・大阪)、奈良・町家の芸術祭 はならぁと2017(曽爾村・奈良)。2019年、hito×hito展(メゾン・ド・イリゼ・大阪)等に出品。

 ■大野浩志 Hiroshi Ohno

在り方・現れ方 FORCE

h15.0×w15.0×d2.0cm 木に油彩、バーナーで燃焼 2020

円環 2020-A

12.7×12.7cm コート紙に昇華型熱転写式プリント 2020

円環 2020-B

12.7×12.7cm コート紙に昇華型熱転写式プリント 2020

円環 2020-C

12.7×12.7cm コート紙に昇華型熱転写式プリント 2020

 ■大野浩志 コメント  [Artist Statement]

O「オー」という文字から何を連想し何を表現するのか? 私は形状に注目した。「円環」は神秘的で魅力的だ。大宇宙のフォースを感じる。

今回の作品の手法もいつもと同じプルシャンブルーを塗り重ねたもので円環の中央の穴から放射状に塗っている。塗りの方向とは無関係に現れる渦に注目していただきたい。

■略歴  [Artist Biography]

1961年大阪府生まれ。1984年、大阪芸術大学芸術学部工芸学科を卒業。1985年、不二画廊(大阪)にて初個展を開催。以降、大阪府立現代美術センター(大阪)、信濃橋画廊(大阪)、MAT(名古屋)、NCAF'93(名古屋市民ギャラリー・名古屋)、CUBIC GALLERY(大阪)、ソフトマシーン美術館(香川)、CAS(大阪)、Oギャラリーeyes(大阪)Ami-Kanoko(大阪)等で個展を開催。主なグループ展に、1987年、第4 回釜山ビエンナーレ(釜山/韓国)。1990年、いま絵画は OSAKA'90(大阪府立現代美術センター・大阪)。1992 年、アート・ナウ'92(兵庫県立近代美術館・神戸)。1993年、大野浩志・丸山直文 2 人展(MAT・名古屋)。1994年、時間・美術(滋賀県立近代美術館・滋賀)。1996年、NCAF '96(名古屋市民ギャラリー・名古屋)。2012年、コレクション Vol.1(ソフトマシーン美術館・香川)。2015年、コレクション Vol.2(ソフトマシーン美術館・香川)2017年、日韓交流展「モノと精神」(海岸通ギャラリー・CASO・大阪)2018年、日韓交流展「個体―液体の臨界点はまだ発見されていない」(SpaceWilling N Dealing・ソウル)等、多数出品。

 ■岡本里栄 Rie Okamoto

これをたべて、お茶にしよう(饅頭)

37.0×49.4cm ユポ紙に水性アルキド樹脂絵具 2020

これをたべて、お茶にしよう(豆餅)

37.0×49.4cm ユポ紙に水性アルキド樹脂絵具 2020

 ■岡本里栄 コメント  [Artist Statement]

Oについてあれこれ調べている時にふと目に留まったのが円相図でした。円相図は禅宗において完全なる悟りや真理を一筆描きの円を用いて象徴的に表した書画のことを言います。その中でも仙豪`梵の円相図はなんとも軽やかでゆるさがあり、Oについて調べ疲れた私の心を軽くしました。下がふくらんだ饅頭か餅のような円相の横には「これくふて御茶まいれ」と画讃が書かれ、悟りの象徴を食べてしまおうと言うのです。私は迷いなく一筆で円相を表すような悟りの境地には無縁ですが、こんな私とお茶をしませんか。

■略歴  [Artist Biography]

1988年、滋賀県生まれ。2014年、京都精華大学芸術研究科博士前期課程洋画領域修了。2012年、Gallery PARC(京都)にて初個展を開催。以降、Oギャラリーeyes(大阪)、Oギャラリー(東京)にて個展を開催。主なグループ展に、2009年、シェル美術賞展2009(代官山ヒルサイドフォーラム・東京)、第63回滋賀県美術展覧会(滋賀県立近代美術館・滋賀)。2010年、2010京展(京都市美術館・京都)、トーキョーワンダーウォール2010公募(東京都現代美術館・東京)、第23回 美浜美術賞展(福井市立美術館・福井、他)。2011年、2011京展(京都市美術館・京都)。2013年、京都府美術工芸新鋭展 2013京都美術ビエンナーレ(京都府京都文化博物館・京都)、2013京展(京都市美術館・京都)、科学のあとに詩をかくこと(galerie16、京都精華大学・京都)。2014年、私達の呼吸は浅い−Never forget our breath−(galerie16・京都)、Semantic portrait 2Oギャラリーeyes・大阪)2015年、Sign of HappinessAntenna Media・京都)。2016年、みんなみにいく み・な・み・く エキシビション(ヒスロム作業場[仮称・東九条長屋]・京都)、びわ湖☆アートフェスティバル次世代文化賞受賞者展(滋賀県立近代美術館ギャラリー・滋賀)。2017年、icon いま人を描く。岡本里栄・四間丁愛(成安造形大学【キャンパスが美術館】ギャラリーアートサイト・滋賀)。2018年、ART FESTIVAL BORDER!(みやこめっせ・京都)。2019年、FACE2019 損保ジャパン日本興亜美術賞(損保ジャパン日本興亜美術館・東京)、第25回 新進芸術家美術展(草津市立草津クレアホール・展示ホール・滋賀、他)等、多数出品。

 ■小川直樹 Naoki Ogawa

Oの螺旋T

72.7×72.7cm カンヴァスに油彩 2020

Oの螺旋U

27.3×27.3cm カンヴァスに油彩 2020

Untitled

36.0×26.0cm アンティークレイドペーパーにアクリル・色鉛筆・透明水彩 2020

 ■小川直樹 コメント  [Artist Statement]

鉛筆で何度もOを描いてみました。ぐるぐると重ねていくうちにそれは平面としての意味を失いどこまでも深く(またどこまでも高く)続く螺旋状の階段に変貌しました。さらに意識の中では時計の回転が浮かび上がり、螺旋に時の厚みが加わる事で、Oの文字の始点と終点が同じ次元で重なる事はもう二度とありませんでした。

Oの暗示に倣い、自分の制作の始点である初期のドローイング、そして現在の自分が最後に描いた作品のイメージを繰り返し描く事で円環に潜む奥行きの存在を探ってみたいと思います。

■略歴  [Artist Biography]

1984年、島根県生まれ。2008年、成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス研究生を修了。2008年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催(以降、同ギャラリーにて毎年個展を開催)。2012年、Oギャラリー(東京)にて個展を開催(以降、同ギャラリーにて2015年、2017年に開催)。主なグループ展に、2005年、ART & CRITIC(成安造形大学ギャラリー/アートサイト・滋賀)。2007年、PIECES(海岸通りギャラリーCASO・大阪)。2010年、シェル美術賞2010(代官山ヒルサイドフォーラム・東京)。2011年、THE GALAXY−パラノイア銀河(Oギャラリーeyes・大阪)。2012年、KICKSOギャラリーeyes・大阪)、群馬青年ビエンナーレ(群馬県立近代美術館・群馬)。2013年、DrawingExposed essence 2013Hydro」(Oギャラリー eyes・大阪)。2015年、琳派400年記念・京都新鋭選抜展2015(京都文化博物館・京都)、FACE2015 損保ジャパン日本興亜美術賞展(損保ジャパン日本興亜美術館・東京)、トゥールビヨン13(Оギャラリーeyes・大阪)。2016年、FACE2016 損保ジャパン日本興亜美術賞展(損保ジャパン日本興亜美術館・東京)にて“審査員特別賞”と“オーディエンス賞”を受賞。同年、シェル美術賞展2016(新国立美術館・東京)にて“グランプリ”を受賞。2018年、輝いて麗しの油絵具(Oギャラリーeyes・大阪)。2019年、開廊20周年記念展「続・絵画劇場」(Oギャラリーeyes・大阪) 。2020年 The extracted element 2020Oギャラリー・東京)等に出品。

 ■小川万莉子 Mariko Ogawa

aspect/O

91.0×72.7cm パネルにアクリル絵具、水彩絵具 2020

 ■小川万莉子 コメント  [Artist Statement]

eau(オー):水

水は、地球上の生命体にとって不可欠なものであることは言うまでもありませんが、今回は絵画制作における、水と、描く側(人)の交わる領域に留意し、一枚の絵を完成させました。本作品では、画材にアクリル絵具と水彩絵具を使用しています。

水で溶いて使用する絵具の、偶発的に(自然に)できる滲みや流れによるイメージと、描く側の作為(人為)が交わる領域の中を、漂うような気持ちで鑑賞していただければと思います。

■略歴  [Artist Biography]

1987年、熊本県生まれ。2014年、京都造形芸術大学大学院ペインティング領域修了。2014年、銀座スルガ台画廊(東京)にて初個展を開催。以降、art gallery closet(東京)、Oギャラリーeyes(大阪)、ギャラリーKINGYO(東京)、GALLERY麟(東京)等にて個展を開催。主なグループ展に、2014年、Between the scene and the form 2014Oギャラリーeyes・大阪)。2015年、ジ・アートフェア+プリュス−ウルトラ2015(スパイラルガーデン・東京)、The extracted element 2015Oギャラリーeyes・大阪)。2016年、トゥールビヨン14Oギャラリーeyes・大阪)、2016 Derby展(Gallery KINGYO・東京)。2017年、萌の会(銀座スルガ台画廊・東京)、18人の表現者たち展(K'sギャラリー・東京)、トゥールビヨン0Oギャラリーeyes・大阪)。2018年、19人の表現者たち展(K'sギャラリー・東京)、夏のシンフォニー 2018(中和ギャラリー・東京)、姫爛漫展(ギャラリー KINGYO・東京)、Micro fracture 2018Oギャラリー・東京)。2019年、L'espoir decade 2008-2018(銀座スルガ台画廊・東京)、outside and the inside 6−眺めの深度(Oギャラリーeyes・大阪)、「心象 2019」現代美術作家選抜展(GALLERY ART POINT・東京)。2020年、artTNZ produced by AFT with APCATERRADA ART CONPLEXU・東京)、ART OSAKA WALL by APCA(山川ビル・大阪)等に出品。

 

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