中岡真珠美 Masumi Nakaoka 「Nameless March

 

On 6 to 11 March

42.0×70.0cm×17枚 写真コラージュ 2019

On 6 to 11 March (部分)

On 6 to 11 March (部分):

On 6 to 11 March (部分):

On 6 to 11 March (部分):

9:08, 3/06/2019

52.0×103.0cm 写真コラージュ 2019

Nameless March

175.0×340.0cm カンヴァスにアクリル絵具、オイルパステル、色鉛筆 2019

17:27, 3/11/2019

52.0×103.0cm 写真コラージュ 2019

 

 ■中岡真珠美 コメント  [Artist Statement]

ある3月の名も無い解体

アトリエの窓から見える隣の文化住宅は古いながらも空室は無いようで、いつも人々の生活が感じられた。ところが去年の6月の地震で階段が壊れ瓦も落ち建物も少し傾いたという。7月の豪雨で傷んだ屋根から雨漏りがあったのであろう、全面にブルーシートがかけられた。

8月の台風で屋根にかけていたシートはパラシュートのように風を受けて恐ろしい音を立てながら空を舞い、台風が去った後にはボロ雑巾のようなものが屋根から垂れ下がっていた。

随分の時間が経ち、今年3月に解体が始まり今はもう新しいアパートが建っている。

注目されることなく起こって終わった出来事を描いてみようと思った。

 

解体と再生について

何かしらの対象を描くこと自体が解体と再生にあたると抽象的にとらえてきた。

物理的に解体されているものをモチーフとして扱うようになっても、その捉え方は変わらなかった。

しかし今回の再生はそれに比べると異なる質のものとなったかもしれない。消失したものを描くということと解体された場所の真横で描くことが原因なのか、絵の中に建物のイメージを再構築しているという具体的な捉え方が生まれたからだ。

それが私を困らせた。私は物語性を排除した形態で成り立つ絵画を目指している。

主題ではない忘却への郷愁や被災の痕への思いを包括し、今回の制作を観察記録のための絵画と位置づけることにした。

 ■略歴  [Artist Biography]

1978 京都府生まれ

2002 京都市立芸術大学美術科卒業

2004  京都市立芸術大学大学院美術研究科修了

2004 第19回ホルベイン・スカラシップ奨学生

20152016 チェンマイ大学(タイ)特別講師着任

 

・個展

2004 Oギャラリーeyes(大阪)

2005 project N(東京オペラシティアートギャラリー・東京)

2005 Oギャラリーeyes(大阪)

2006 Oギャラリーeyes(大阪)

2007 Oギャラリーeyes(大阪)

2008 INAXギャラリー2(東京)

2008  第一生命南ギャラリー(東京)

2008  Oギャラリーeyes(大阪)

2009 view point(アートフロントギャラリー・東京)

2009  Oギャラリーeyes(大阪)

2010 Oギャラリーeyes(大阪)

2010 Margin of Landscape(アートフロントギャラリー・東京)

2011 Oギャラリーeyes(大阪)

2011 柔らかな楕円形を求めて(アートフロントギャラリー・東京)

2012 Oギャラリーeyes(大阪)

2012 錯誤:Parapraxis(アートフロントギャラリー・東京)

2013 Oギャラリーeyes(大阪)

2013 -緩衝- バッファ(アートフロントギャラリー・東京、他)

2014 トークンリング(Oギャラリーeyes・大阪)

2015 雑音と手掛り(アートフロントギャラリー・東京)

2015 絵になるはじめ(Oギャラリーeyes・大阪)

2016 Invisible Distancegallery seescape・タイ)

2016 WORKS in CHIANG MAIOギャラリーeyes・大阪)

2017 Building Blocks(アートフロントギャラリー・東京)

2017 note:再訪、サカイメ(Oギャラリーeyes・大阪)

2018 STUDIOSCAPESOギャラリーeyes・大阪)

 

・グループ展

2003 ART CAMP in CASO(海岸通ギャラリーCASO・大阪)

2003 トゥールビヨン(Oギャラリーeyes・大阪)

2003 ART UNIV.2003(大学コンソーシアム京都・京都)

2004  神戸アートアニュアル2004「トナリノマド」

(神戸アートビレッジセンター・神戸)

2004 UI Wang 国際プランカードアート2004(イワン市Pegun湖岸・韓国)

2004 アンナチュラル2Oギャラリーeyes・大阪、Oギャラリー・東京)

2005 第1回倉敷現代アートビエンナーレ・西日本(倉敷市立美術館・倉敷)

2005 TAMA VIVANT2005 美術・そのひろがる輪郭

(多摩美術大学・東京、みなとみらい駅コンコース・神奈川)

2006 DrawingExposed essenceOギャラリーeyes・大阪)

2007  VOCA2007 現代美術の展望-新しい平面の作家たち

(上野の森美術館・東京)

2007 International Exchange ProjectJapanese Young Artists TRIAL in

Painting”(Modern Culture Center・韓国)

2007 The garden of the ray 3Oギャラリーeyes・大阪)

2009 スタンダード ジャパン エディション(Oギャラリーeyes・大阪)

2009 ヨッチャンの部屋vol.4 アトリエの音楽展(OZCギャラリー・大阪)

2010 FLATLAND(京都市立芸術大学ギャラリーアクア・京都)

2011 新緑とともに<絵画散歩>(アートフロントギャラリー・東京)

2011 Shoes Box−ヨッちゃんビエンナーレ2011

(中之島デザインミュージアム de sign de >・大阪)

2012 新鋭各賞受賞作家展「New Contemporaries

(京都市立芸術大学ギャラリーアクア・京都)

2014 DepthOギャラリーeyes・大阪)

2014 震災から20年震災 記憶 美術(BBプラザ美術館・神戸)

2016 Ngon Lam(フエ大学・ベトナム)

2016 Semi(チェンマイ大学ギャラリー・タイ)

2016 ヨッちゃんビエンナーレ2016〜コラージュ・キュビズム

KOBE STUDIO Y3・神戸)

2017 Art Stage Singapore 2017Marina Bay Sands・シンガポール)

2017 Expozite Internationala de Arta Contemporana

(サトゥマーレ美術館・ルーマニア)

2017 トゥールビヨン ゼロ(Oギャラリーeyes・大阪)

 

・受賞

1回倉敷現代アートビエンナーレ(準グランプリ)

VOCA2007現代美術の展望-新しい平面の作家たち(佳作賞)

35回京都府文化賞(奨励賞)

 

・パブリックコレクション

京都大学

京都市立芸術大学

 

・参考文献 

岡部あおみ、加藤義夫、中井康之:「第1回倉敷現代アートビエンナーレ・西日本」カタログ(審査員概評)

飯田志保子:「中岡真珠美」東京オペラシティアートギャラリー2005 個展リーフレット(テキスト)

茂木健一郎:「クオリア入門」(装画)

飯田志保子:月刊「美術手帖」20067月号(特集「ZERO ZERO GENERATION NIPPONU」アーティスト・ファイル)

石井芳征:月刊「美術手帖」20071月号(アクリリックスワールド)

千葉淳一:「日本経済新聞」200731日夕刊(アート欄)

植松由佳:「VOCA2007」カタログ(テキスト)

宝玉正彦:「日本経済新聞」2008123日(文化欄)

渋沢和彦:「産経新聞」2009520日(文化欄)

高樹のぶ子:川端康成文学賞受賞作「トモスイ」(装画)

植松由佳:「中岡真珠美」アートフロントギャラリー 2011 個展リーフレット(テキスト)

中井康之:「artscape20130915日号(学芸員レポート)

高階秀爾:「ニッポン・アートの躍動」(作品紹介)

Fon:雑誌「Dichan Magazine No.9352016September号(展覧会紹介)

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