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●小川直樹 Naoki Ogawa 「トラベル・シンドローム」 |
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ケンタウルス、露をふらせ 30.2×30.2cm カンヴァスに油彩 2019 |
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ロシュの限界を超えて 35.3×30.3cm カンヴァスに油彩 2019 |
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ロシュの限界を超えてU 30.0×45.0cm カンヴァスに油彩 2019 |
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電気機関車EF52・15形は汽笛を鳴らす夢を見る 162.0×194.0cm カンヴァスに油彩 2019 |
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アクチノライトV 35.5×29.3cm カンヴァスに油彩 2019 |
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木に棲む悪魔の囁き 53.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2019 |
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船上デッキの幽霊たち 162.0×194.0cm カンヴァスに油彩 2019 |
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ロシュの限界を超えてV 45.0×30.0cm カンヴァスに油彩 2019 |
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蒸気機関車C61の瞑想 30.0×22.5cm カンヴァスに油彩 2019 |
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寝台車オロネ24形に立て籠もる星々 51.0×39.5cm カンヴァスに油彩、アクリル絵具 2019 |
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タイムピース・コレクション 38.0×27.0cm プラスチック風防にアクリル絵具・油性ペン、アクリル板 2019 |
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ある夏の光景、大型客船クアンタム・オブ・ザ・シーズ号 73.0×91.0cm カンヴァスに油彩、アクリル絵具 2019 |
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或る記録NO.1 20.0×15.0cm アクリル板にアクリル絵具・油性ペン、木製フレーム 2019 |
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■小川直樹 コメント [Artist Statement] |
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「用事がなければどこへ行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」(内田百閨E『第一阿房列車』より) 旅をすることはある種の儀式に近い性質があるのかもしれません。手順を踏んで進む事によって、ある種の効果を享受する事。 確か中学の時の何かの授業で、先生からパンゲア大陸説の話を聞きました。「元々大陸は一つだったのでないかという仮説です。長い時を経て大陸が分かれ今の地形になり、そしてそこにいた生物も、それぞれの差し迫った、あるいは気ままな選択によって新たな土地に進んで行き、今に到るのかもしれませんね」と。 未開の地へ身一つで進んでいく個体、考えるほどにその生物が見た光景や空気感、その日の天気や高揚感まで想像出来るような気がしたのでした。 私達はクリアーに整頓されていく情報化社会の中にいながら、とてもあやふやな記憶や思考・身体的感覚という目には見えぬそれぞれの世界を持っています。現実の社会とそれを仲介するのは私たちの身体です。そして私たちの身体は、歩いたり乗り物に頼って移動を繰り返します。旅を行う事は魔法にかかる事だと言った人がいるけれど、日常から抜け出る事で認識している世界の輪郭が変わり見え方が切り替わる様な内面の働きは、確かに悠久の時を脈々と紡ぎ移動する事を繰り返した、生命の記憶が成せる業の様にも思われます。 旅という言葉になぜか繋がって、思い出す光景があります。 子供のころ、真っ暗な夜の森に向かって、ふと懐中電灯の光を向けた時に感じたぞっとする感覚。あの恐ろしさは何だったのか。はっきり見える樹々の部分はほんの一部で、却ってそれ以外の暗闇の広がり・深度がぐっと増したように記憶しています。 〈見えるものがはっきりしてくると見えないものの存在も強く感じる様になる〉 人は常に様々な次元での旅を繰り返しているのかもしれません。物理的な旅から精神的な旅、辿りきれない記憶の風景を彷徨い、世界の在り方を見つめ直していく作用。形あるものと無いもの、描かれるものと描かれない事で現れて来るもの。そのせめぎあいの中で出来得る限りの存在の欠片を拾い集めたいのです。 ※引用文献:内田百 著『第一阿房列車』(新潮社) |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1984 島根県生まれ
2007 成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス卒業 2008 成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス研究生修了 2010 第25回ホルベインスカラシップ奨学生 ・個展 2008 Oギャラリーeyes(大阪) 2009 Oギャラリーeyes(大阪) 2010 Oギャラリーeyes(大阪) 2011 Oギャラリーeyes(大阪) 2011 Oギャラリー(東京) 2012 Oギャラリーeyes(大阪) 2012 Oギャラリー(東京) 2013 Oギャラリーeyes(大阪) 2014 Oギャラリーeyes(大阪) 2015 Oギャラリーeyes(大阪) 2015 Oギャラリー(東京) 2016 Oギャラリーeyes(大阪) 2017 Oギャラリーeyes(大阪) 2017 Oギャラリー(東京) 2018 Oギャラリーeyes(大阪) ・グループ展 2005 ART & CRITIC(成安造形大学ギャラリー/アートサイト・滋賀) 2007 PIECES(海岸通りギャラリーCASO・大阪) 2010 シェル美術賞2010(代官山ヒルサイドフォーラム・東京) 2011 THE GALAXY−パラノイア銀河(Oギャラリーeyes・大阪) 2012 The 13th Anniversary Pre Exhibition「KICKS」(Oギャラリーeyes・大阪) 2012 群馬青年ビエンナーレ(群馬県立近代美術館・群馬) 2013 Drawing−Exposed essence 2013「Hydro」(Oギャラリーeyes・大阪) 2015 琳派400年記念・京都新鋭選抜展2015(京都文化博物館・京都) 2015 FACE2015 損保ジャパン日本興亜美術賞展 (損保ジャパン日本興亜美術館・東京) 2015 トゥールビヨン13(Oギャラリーeyes・大阪) 2015 FACE2015 選抜作家小品展(REIJINSYA
GALLERY・東京) 2016 FACE2016 損保ジャパン日本興亜美術賞展 (損保ジャパン日本興亜美術館・東京) 2016 シェル美術賞2016(国立新美術館・東京) 2017 トゥールビヨン0(Oギャラリーeyes・大阪) 2018 輝いて麗しの油絵具(Oギャラリーeyes・大阪) ・受賞 FACE2016 損保ジャパン日本興亜美術賞展(審査員特別賞)(オーディエンス賞) シェル美術賞展2016(グランプリ) ・参考文献 酒井千穂:「art scape」2014年5月15日号(レビュー) 福元崇志:「小川直樹 展」Oギャラリーeyes 2018 個展リーフレット(テキスト) |
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