川口洋子 Yoko Kawaguchi 「しみと点」

 

もきな

66.0×78.5cm 手漉和紙(植物入り)、紙、麻布にアクリル絵具、他 2019

ひをり,となじ,いりみ

10.5インチ (4:3)タブレットPCモニター 、デジタルペインティング 2019

ふれし

54.4×39.5cm 紙にアクリル絵具、墨汁、カラーペン、食品保存剤 2019

ひ(そこにいたのか)

35.0×25.0cm 紙にアクリル絵具、他 2019

めはれま

162.0×130.0cm 絵画作品にアクリル絵具、グァッシュ 2019

すらしな

h6.5×w7.0×d5.5cm ティーパックにアクリル絵具、布用ペン 2019

ふりのす

162.0×130.0cm カンヴァスにアクリル絵具、布用絵具、オイルパステル、他 2019

し(のびやか)

36.5×52.0cm 紙にアクリル絵具 2019

ろぐし

21.0×29.7cm チラシにアクリル絵具、カラーペン、墨汁、ボールペン、他 2019

わたな

6.5×8.7cm 段ボール、透明テープ、アクリル絵具、カラーペン、他 2019

ねくみは

79.7×93.0cm カンヴァスにアクリル絵具、オイルパステル、色鉛筆、他 2019

かすね

26.3×21.0cm 絵画作品にカラーペン、ボールペン、メディウム、他 2019

やまたけ

39.2×54.2cm 紙に墨汁 2019

スワザ

35.0×25.2cm 色画用紙にアクリル絵具、色鉛筆、カラーペン、他 2019

のじほ

h7.0×w7.5×d8.6cm オーナメントにアクリル絵具、他 2019

 

 ■川口洋子 コメント  [Artist Statement]

描いていて感じるのは、目の前の絵を見ているのと同時に自分の心の中も見ている感覚。

見えたものを“しみ”と“点”とに分けてみる事でそれらの合間にあるものも含めて、その一つ一つが今までより鮮明に現れるようになってきた。

 

しみは自分の意図しないもので、いつの間にか紙に染み込んだ油、太陽が沈むと見えなくなる色、木が育っていく事で出来た木目、紙のシワ、他人、自分の年齢や手の大きさなど

 

他にも、例えば醤油がこぼれそうだなと思いながらもそのまま口に運んで付いてしまうしみもあるし、頭の中にある鳥やへびのイメージの形もしみと言えるかもしれない。

昔描いた絵は今の自分にはしみに近いように感じる。

 

点は意図したものと、意図と意図していないの間

絵の全体のバランスをとる為に描いた点

バランスをとらない為に描いた点

絵の一部分の中での関係から取り出した形

自分の中にある何かから出て来た色形

木目をなぞった線

塗りつぶそうと思う

やっぱり塗りつぶしたくないと思う

どちらを受け入れるかその都度変わる

破る

筆を振ってわざと意図しない場所に絵の具を散らす

少し画面が軽くなったな

雨が当たって出来たしみをなぞる

今の空の色きれいだから絵に入れよう

さっき見た道路の「とまれ」を絵の中の形と沿わせて描く

あの人の絵はこんな感覚だったな

この線の書き方良くないかな

そうでもないかな

 

いろんな事が起こり続けていて、それらが1枚の絵になっていく。絵になっていく様子も見つめ続ける。

 

絵の中にある点や線はそれぞれの成り立ちを確かに表しているので、絵全体もその成り立ちによって表れるものが変わるが、変わらないものもある。

 

それぞれの色形をそれぞれのままとして感じながら描けた時、それぞれがそこにいることが許されている様な心地の良い絵が出来たりする。

それぞれの位置を見つけたり見失ったりを繰り返すと思いもしなかった居場所が絵の中に現れた様な、今まで描いたことのない絵が出来たりする。

ただ、私が見て私が描くということは変えることが出来ない。

 

しみと点という基準で捉え直すことで、曖昧な価値観で今まで描いてはいけないとどこかで思っていた文字やへびなどを画面に入れることへの抵抗が減り、描くことが出来た。真っ直ぐ見る為の視点が少しずつ整っていくのを感じている。

 

絵の名前について

ハワイでは雨の降り方や降る場所によって幾つもの名前が付いていると知り、自分の絵にもその絵を表す名前をつけようと思った。この絵は「り」?「ふ」?と一音ずつ確かめながら名前をつけている。

 ■略歴  [Artist Biography]

1990 大阪府生まれ

2010 京都嵯峨芸術大学短期大学部美術学科洋画コース卒業

2012 京都嵯峨芸術大学短期大学部専攻科美術専攻洋画コース卒業

2013 京都嵯峨芸術大学附属芸術文化研究所研究科修了

2013 第28回ホルベインスカラシップ奨学生

 

・個展

2009 京都嵯峨芸術大学アートプレイスU2(京都)

2012 ギャラリー301due(神戸)

2013 Oギャラリーeyes(大阪)

2014 Oギャラリーeyes(大阪)

2015 Oギャラリーeyes(大阪)

2016 Oギャラリー(東京)

2016 Oギャラリーeyes(大阪)

2017 点綴−絵画と日常(Oギャラリーeyes・大阪)

2018 讃む-homuOギャラリーeyes・大阪)

2019 絵のなりかたち(ギャラリーAO・神戸)

 

・グループ展

2010 ただ見てもらいたいんだよね(Art Community Space AKIKAN・京都)

2010 UMINO Yuka×KAWAGUCHI Yoko exhibition

(京都嵯峨芸術大学アートプレイスU2・京都)

2011 Painting point(同時代ギャラリー・京都)

2012 ONE ROOM'12(京都嵯峨芸術大学クラブボックス・京都)

2012 Tourbillon 10Oギャラリーeyes・大阪)

2012 GALLERY 301 GROUP EXHIBITIONGallery301・神戸)

2013 ONE ROOM'13(京都嵯峨芸術大学クラブボックス・京都)

2013 Container Drawing Project

(神戸ビエンナーレ会場 メリケンパーク神戸港エリア・神戸)

2014  流れる風景(2kwギャラリー・大阪)

2014 les signes 3Oギャラリーeyes・大阪)

2015 EXHIBITION by ZERO!(あかね画廊・東京)

2015 With Art EXPO〜うまれてうれしい〜

(住之江公園・大阪、オランダ大使館・東京)

2015 LA VOZ 21st EXHIBITION(京都市美術館 別館・京都)

2016  世界は同時に存在するvol.2(ギャラリー編 かのこ・大阪)

2016 EXHIBITHION by ZERO!(あかね画廊・東京)

2016 LA VOZ 22nd EXHIBITION(京都市美術館・京都)

2017 LA VOZ 23rd EXHIBITION(京都市美術館 別館・京都)

2017  sol nu 一つの黎明 この風の生まれたところ

(嵯峨美術大学付属ギャラリー アートスペース嵯峨・京都)

2018  6花セレクト合同展覧会「夏のあしあと」(6丁目の花野・神戸)

2019 COVER IVCAS・大阪)

2019 ONLY CONNECT OSAKA(クリエイティブセンター大阪・大阪)

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