●Tourbillon 16(トゥールビヨン16 Part 2

 

※各作品写真は、近日アップする予定です。

 

 ■展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition]

トゥールビヨン(tourbillon:フランス語で“うずまく”)と題されたこの展覧会は、現在の様々な動向に視野を向けながら、社会の中での関係性や可能性を探り、絵画という媒体の中で求心的に模索することで、自らの方向性や在り方を力強く示そうとする若手作家に注目し展覧会を構成します。

【トゥールビヨンは、時計の仕組みでテンプや脱進機を丸ごと回転させて、重力による負担を低減させるシステムの名称です。普段、重力の束縛から逃れることが出来ない日常から、わずかでも解放されるような感覚を喚起出来ればという願いからこのタイトルが付けられました】

OギャラリーeyesO Gallery co., ltd.

 

 加納明香 Haruka Kano

風景(I.M.T-2

53.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2018

風景(I.P.G-2

116.7×91.0cm カンヴァスに油彩 2018

風景(I.P.G-3

53.0×65.2cm カンヴァスに油彩 2018

風景(S.M.tB-1

130.3×97.0cm カンヴァスに油彩 2018

風景(I.M.T-1

53.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2018

 

 ■加納明香 コメント  [Artist Statement]

私は『風景』を描いている。線を繋げていくことで『風景』ができていく。離れていたり、途切れていたりする線などの要素同士が、それぞれに補完しあって繋がり、形や空間ができる。そして、様々なものが集まりできているひとつの風景のように、絵画空間が『風景』として立ち現れる。

そして「サラウンド感」、その風景の中に入って、見えるところ、見えない視界の外や死角など、また音や空気の重みまでも含め全身で全方向から感じるような感覚、を持った『風景』を絵画空間の中で実現すべく制作している。

現在は特に、その実現にはある具体性を持った奥行きが重要なのではないかと考えている。昨年末制作したある絵について、まるで鑑賞者や作者の意図とは別に場に働きかける大きな力があり、それによって前後感や奥行きが移り変わっていくような印象を受け、私はそれを’潮が引いていくような空間’、という言い方で捉えることにした。それには、どこか「サラウンド感」につながる予感がある。

それは画面の中のある抜け感と圧迫感からできる。線や色斑の往来、応酬の中で確かめながら、空間の見え方を探る。そして見る人が絵の前に立つその瞬間に、『風景』の具体的な空間が立ち現れることを目指している。

 ■略歴  [Artist Biography]

1994 滋賀県生まれ

2017 京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業

現在、京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画在籍

 

・グループ展

2018 outside and the inside 5−眺めのコンフィギュレーション

Oギャラリーeyes・大阪)

2017 第62回近江八幡市美術展覧会(近江八幡市文化会館・滋賀)

 

・受賞

62回近江八幡市美術展覧会(特選・市展賞)

 野村真弘 Masahiro Nomura

ぼくらの毛のもの (致命傷)

152.0×146.0cm フェイクファー、アクリル絵具、他 2018

獣たちの抽象

29.0×27.0cm フェイクファー、アクリル絵具、他 2018

獣たちの抽象 (禿げたノーブルたち)

32.0×25.5cm フェイクファー、アクリル絵具、他 2018

獣たちの抽象 (スカート)

27.0×33.5cm フェイクファー、アクリル絵具、他 2018

ぼくらの毛のもの

160.0×160.0cm フェイクファー、アクリル絵具、他 2018

幼さの剥製 (ヤギ)

15.0×18.0cm ぬいぐるみ、アクリル絵具、糸、他 2018

幼さの剥製 (ライオン)

21.5×19.0cm ぬいぐるみ、アクリル絵具、糸、他 2018

 

 ■野村真弘 コメント  [Artist Statement]

−皮膚の絵−

空想の質感と現実のそれとは思っている以上に違う。私たちは見たいことを願うような光景とは対比的に、本来見たくないものと同時に向き合っている。例えば、自然の情景や現象、野山の生き物や虫達と対面したとき、私たちは何を思い浮かべるのだろう。自然への理想化された空想を抱き、それらに対しての現実から目を背け続けていられるのが、今の私たちではないか。いつだって、空に浮かぶ星を眺めることはできるが、今更星空から何かを想像することは殆どない。いつだって、どこにだって行くこともできるが、目的もないままに何処かへ行くことも殆どない。何にだって関心を向けることができるはずなのに、特別な関心をひくものなど殆どない。どれだけ私たちは人工を通して自然を実感しているのだろうか。それ自体は私たちにとってはとても自然なことであり、幸福であるようにも感じる。実際の現実はその殆どが自らとは無関係に存在するものであり、一方で、そのようなありあまる無関係さに対して、自らをどれだけ接続していられるのだろうか。

 ■略歴  [Artist Biography]

1987 鳥取県生まれ

2010 和歌山大学教育学部学校教育教員養成課程教科教育コース美術専攻卒業

2012 和歌山大学大学院教育学研究科教科教育専攻美術教育専修修了

 

・個展

2012 msギャラリー十二番丁(和歌山)

2015 無人島(珈琲もくれん・和歌山)

2016 発言(almoギャラリー・和歌山)

2017 不連続光線(珈琲もくれん・和歌山)

 

・グループ展

2016 貝塚まちなかアートミュージアム(大阪)

2017 ファインアート・ユニバーシアードU-35(茨城)

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