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●Micro fracture 2017 マイクロフラクチャー 2017 |
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■展覧会趣旨[Purpose of Exhibition] |
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自然の情景や現在の様々な媒体を通して眼にする映像等、それらが観る者の感情と結び付き、特定の出来事やシーンに発展すると印象に残りやすいものです。またメディアの発達に伴い情報が身近に溢れ、それに紛れて無自覚のうちに視覚に入る像等も、日常において潜在的な印象となって断片化され、意識の中に留まるというケースもあるでしょう。このように状況に即して記憶の中に残留する印象は、私達の中でどのようなかたちで顕在化しイメージの雛形を形成して行くのでしょうか。マイクロフラクチャー(小さな破砕)と題された本展は、そのような断片化された記憶の隙間に潜む微細な印象を集め、記号的に共有しやすい像のみに留まるのではなく、個人の限られた視点の中で、密度の高い印象の体現を試みている作品に焦点をあて、展覧会を開催致します。
Oギャラリーeyes(O Gallery co.,ltd.) |
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●入谷葉子 Yoko Iritani |
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スキップ 37.5×30.0cm 紙に色鉛筆 2017 |
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お庭 げんかん 40.0×55.0cm 紙に色鉛筆 2017 |
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お庭 とびいし 40.0×55.0cm 紙に色鉛筆 2017 |
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お庭 いし 21.0×16.5cm 紙に色鉛筆 2017 |
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お庭さま 221.0×171.0cm 紙に色鉛筆 2017 |
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お庭 五重の塔 51.0×51.5cm 紙に色鉛筆 2017 |
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■入谷葉子 コメント [Artist Statement] |
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この10年くらい、「もう帰れない場所へのホームシック」をテーマに絵を描いてきました。今はもうない生家や母の実家、先祖の墓など、自分のルーツとなる場所の写真をアルバムの中から選び、コラージュをして、再構築する、そしてそれを色鉛筆で描きなおしていくことで、作品は生まれます。このような制作をはじめたきっかけは、実家の引っ越しです。絶対になくならないと思っていた空間がなくなってしまったことの喪失感、もう帰れないのだという絶望と、帰れないからこその愛着や固執が、そのとき生まれました。このテーマに取り組みはじめた頃は、記憶が鮮明なうちにその場所を再現しようと、まるで「家に帰る」ように、線や色を探していました。 今回の展覧会では、この「今はもうない実家」の「庭」を描きます。生まれ育った家が取り壊されてちょうど15年、絶対に忘れないと思っていた私の記憶も、今やあやふやです。そこで、制作するにあたって二種類の方法を採用してみました。一つ目は、庭の景色を思い出しながら、いくつも断片的なスケッチを描き、それらをコラージュして全景を組み立てる方法。そして二つ目は、これまでと同様、写真をコラージュして庭の景色を再構築する方法です。どちらも同じ庭を描いていますが、記憶と記録、過去のたどり方の違いによって到着する場所は違うのか知りたいのです。 |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1977年、大阪府生まれ。1998年、嵯峨美術短期大学美術学部版画学科を卒業。2000年、大阪芸術大学芸術学部美術学科を卒業。2001年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催(以降、同ギャラリーにて2003年、2004年に開催)。以降、neutron B1 gallery(京都)、neutron kyoto(京都)、neutron tokyo(東京)、LIXILギャラリー2(東京)、ギャラリーサザ(茨城)、space eauuu(神戸)にて個展を開催。主なグループ展に、2000年、日常の開示/感覚の視野(Oギャラリーeyes・大阪)。2002年、PRIMARY STATEMENT 5(Oギャラリーeyes・大阪)。2004年、関西現代版画の開拓者と新世代たち-版画の力(京都文化博物館・京都)。2005年、トゥールビヨン3(Oギャラリーeyes・大阪)。2006年、第4回 風〜明日への軌跡(ギャラリー恵風・京都)。2007年、版という距離(京都芸術センター・京都)。2008年、センチメンタル
ジャーニー(Oギャラリーeyes・大阪)。2010年、Art Court Frontier 2010 #8(アートコートギャラリー・大阪)。2012年、House of DNA(neutron tokyo・東京)。2014年、VOCA展2014(上野の森美術館・東京)等に出品。 |
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●朝日奈保子 Naoko Asahi |
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双子星 116.7×91.0cm カンヴァスに油彩 2017 |
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ふゆ 31.8×41.0cm カンヴァスに油彩 2017 |
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よるのみなも 33.3×24.2cm カンヴァスに油彩 2017 |
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はる 27.5×22.0cm カンヴァスに油彩 2016 |
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やみのなかで 60.6×72.7cm カンヴァスに油彩 2017 |
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花運ぶ舟 24.2×33.3cm カンヴァスに油彩 2016 |
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シクラメンしくしく泣く 91.0×116.7cm カンヴァスに油彩 2017 |
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バニラに偽りはない 33.3×24.2cm カンヴァスに油彩 2017 |
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犬の絵 22.7×15.8cm カンヴァスに油彩 2016 |
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青い植物 18.0×14.0cm カンヴァスに油彩 2016 |
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■朝日奈保子 コメント [Artist Statement] |
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記憶というのは、時間が経つにつれて曖昧になっていく。経験したことなのか、夢で見たことなのか、他人から聞いた話を自分のものと錯覚することもある。 最近になって、以前、日記のように描いていたクロッキー帳を時々眺めていた。なんだか他人のものみたいだ、と思った。 今回の制作の出発点にしてみることにした。 |
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■略歴 [Artist Biography] |
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1987年、京都府生まれ。2011年、京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術表現専攻修士課程を修了。2012年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催。(以降、同ギャラリーにて2013年に開催)。主なグループ展に、2008年、Rainbows2008(海岸通ギャラリーCASO・大阪)。2009年、私達の頭の中color(ギャラリーRaku・京都)、そんざいかん(ARTZONE・京都)、東島毅ゼミ展(ギャラリー16・京都)。2010年、トゥールビヨン8(Oギャラリーeyes・大阪)、東島毅ゼミ展(ギャラリーa・京都)。2011年、京展(京都市美術館・京都)、25人の絵展(ギャラリーヒルゲート・京都)。2012年、ふしぎカラフル連想ゲーム(ARTZONE・京都)、Absolute basis朝日奈保子と岡田美紀の場合(Oギャラリー・東京)、25人の絵展(ギャラリーヒルゲート・京都)。2013年、恋々風景U 陽のあたる場所(Oギャラリーeyes・大阪)。2014年、les
signes V (Oギャラリーeyes・大阪)。2015年 The
extracted element 2015(Oギャラリーeyes・大阪)等に出品。 |
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