●DrawingExposed essence 2017 「ガダムを描く」

 

 

■展覧会趣旨[Purpose of Exhibition

絵画の骨格または素描として営まれてきたドローイングは、すでに絵画から自立した表現形式として自明のものとされていますが、我々が在る“世界”を模索するように手探りによって描かれるドローイングは、不完全とも思える像を呈しながらも、不完全であるがゆえに描く側と観る側の両者を魅了してきました。それは、絵画という肉体から削ぎ落とされ露呈された本質ともいえる起源への過程として、魅惑的なものを感じているからでしょう。対象における視点と描くという行為、身体の営為から成される像認識の交換作用が、この“世界”を探る手掛かりとして、現在においてもドローイングという形式を有用なものとしています。このたびは東邦フランチェスカの企画により「ガ○ダムを描く」というテーマを設けて各作家に出品を依頼し、ドローイングの在り方とテーマへの認識について考察します。

OギャラリーeyesO Gallery co.,ltd.

■企画者コメント[Planner's Statement

なぜ展覧会のタイトルが「ガ○ダムを描く」なのか?

まず「ガ○ダム」の「○」の中には「ン」を想像する人が多いのではないだろうか。実のところ私もそのひとりだ。

「ン」という音を○(まる)で表記したのは、そこに私自身が注目したという目印のようなもの。「ン」という音はとてもセクシーに聞こえるし、通常使用される日本語の中に「ン」より始まる単語は存在せず、 語中または語尾で1音節をなす音とされている点において、他の音節とはあきらかに違う特性をもっているから。つまり官能的で異質な存在、音として捉えがたいという点も加わり、私にとって敬愛、羨望の対象なのだ。音に魅かれると言えば、あの物語の中に登場する「ジャブロー」「ルナツー」「コンスコン」「シャリア・ブル」「ア・バオア・クー」といった人名・地名とされる音の響きがファンタスティックで心地よい。他、「○」の中には「ン」ではなく「ー」を想像する人もいるだろう。(精神科医の「アーサー・ガーダム」等)

「○」の中は安易に想像しやすく、容易に形容出来ない存在。感覚的にくすぐられる音のように魅惑的な響きを感じさせてくれる、そんなドローイングを求めての展覧会。「見せて貰おうか。君のドローイングの性能とやらを!」

 

E.E.Jenny(東邦フランチェスカ)

 

平田剛志 Takeshi Hirata

Drawing 19920829

40.0×55.0cm キャンバス紙に水彩 2016

 

■略歴 [Artist Biography]

1979年、東京都生まれ。 2004年、多摩美術大学美術学部芸術学科を卒業。2014年、立命館大学大学院先端総合学術研究科修了。2008年より2011年までアートウェブマガジン「カロンズネット」にライター・編集者として参加(2010年より編集長)。2010年、活動拠点を東京から京都に移し、美術批評・研究、キュレーション等、幅広く活動。現在、京都国立近代美術館研究補佐員。

 

松本良太 Ryota Matsumoto

ガンダ○

84.0×108.6cm ケント紙に色鉛筆 2017

 

■略歴 [Artist Biography]

1986年、奈良県生まれ。2007年、大阪芸術大学付属美術専門学校美術工芸学科プリントメイキング専攻を卒業。2009年、京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画専攻卒業。2015年、多治見市陶磁器意匠研究所 デザインコース 修了。2010年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催。※以降、同ギャラリーにて2011年、2012年、2014年に個展を開催。主なグループ展に、2005年、企画イベントφ-phi(カフェバーオドリコ・大阪)。2006年、グループ展 HYBRID(ギャラリー光陽堂・大阪)。2009年、The extracted element 2Oギャラリーeyes・大阪)。2010年、Kind of the ironyOギャラリーeyes・大阪)、2012年、KICKSOギャラリーeyes・大阪)。2012年、万国モナリザ大博覧会(鞆の津ミュージアム・広島)。2013年、Semantic portraitOギャラリーeyes・大阪)。2014年、Value added−フロクノミリョク(Oギャラリーeyes・大阪)、だいどころ(設置型ギャラリー・香川)、10cm un limited(岐阜県陶磁器美術館・岐阜)。2015年、版画のニュースタンダード(京都精華大学・京都)、outside and the inside 4Oギャラリーeyes・大阪)、架設2015 第一期『軽妙な解答』(京都精華大学・京都)。2016年、一年後展(陶林春窯・岐阜)、百花繚乱手技の祭典in湯浅(湯浅地区・和歌山)、21世紀の茶会(金沢中日文化センタースタジオ・石川)、大阪美術専門学校 創立35周年記念展(大阪美術専門学校・大阪)等に出品。

 

岡田美紀 Miki Okada

若さゆえの過ちというもの

56.0×76.0cm 紙に透明水彩、アクリル絵具、色鉛筆等 2016

 

■略歴 [Artist Biography]

1986年、京都府生まれ。2010年、京都市立芸術大学美術学部美術科を卒業。2012年、京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。2007年、Story Gardengallery Wallow Kaba・京都)にて初個展を開催。以降、2011年よりOギャラリーeyes(大阪)にて毎年個展を開催。主なグループ展に、2010年、トゥールビヨン8Oギャラリーeyes・大阪)。2012年、Absolute basis−朝日奈保子と岡田美紀の場合(Oギャラリー・東京)。2012年、スクエア ザ・セレクタブル6(フリュウギャラリー・東京)。2012年、既視感の行方 2(フリュウギャラリー・東京)。2013年、京展(京都市立美術館・京都)、空想美術大賞展(伊藤忠青山アートスクエア・東京、蔵丘洞画廊・京都)。2014年、京展(京都市立美術館・京都)。2016年、第11回熊谷守一大賞展(アートピア付知交芸プラザ・岐阜)等に出品。

 

冨倉崇嗣 Takashi Tomikura

岩の絵

60.0×90.0cm 木に電気ペンで燃焼 2016

 

■略歴 [Artist Biography]

1979年、三重県生まれ。2002年、成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラスを卒業。2003年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催(以降、同ギャラリーにて毎年個展を開催)。2003年、OギャラリーUPS(東京)、2007年、project N(東京オペラシティアートギャラリー・東京)。主なグループ展に、2001年、絵画の流れ展(三重県立美術館・三重)。2002年、神戸アートアニュアル2002(神戸アートビレッジセンター・兵庫)。2003年、ARTISTS BY ARTISTS(六本木ヒルズ 森タワー・東京)。2005年、群馬青年ビエンナーレ(群馬県立近代美術館・群馬)。2007年、Absolute basis 冨倉崇嗣とフジイ フランソワの場合(Oギャラリ−eyes・大阪)。2007年、HORS LIGNEGallery SATORU・東京)。2009年、drowning room(神戸アートビレッジセンター・兵庫)。2010年、Defending ZoneOギャラリーeyes・大阪)。2010年、SEIAN FRONTIER(成安造形大学 ギャラリーアートサイト・滋賀)2013年、VOL.1 U35 CREATORS JAPAN EXHIBITION(みなとみらいギャラリー・横浜)、空想美術大賞展(伊藤忠青山アートスクエアー・東京、蔵丘洞画廊・京都)。2014年、Value added フロクノミリョク(Oギャラリーeyes・大阪)。2015年、 琳派400年記念・京都新鋭選抜展2015(京都文化博物館・京都)、The extracted element 2015Oギャラリーeyes・大阪)等に出品。

 

大田原桜子 Sakurako Ohtawara

メモリ 4

45.5×38.0cm 画用紙にパステル 2016

 

■略歴 [Artist Biography]

1991年、兵庫県生まれ。2015年、京都市立芸術大学美術学部美術科を卒業。2016年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催。主なグループ展に、2014年、CAUSE ON THE SURFACE 4Oギャラリーeyes・大阪)。2015年、京都市立芸術大学作品展(京都市美術館・京都)、i Lander展(京都市立芸術大学大ギャラリー・京都)、LOCA 2015(京都市立芸術大学アトリエ棟・京都)。2016年、2015年度京都市立芸術大学作品展(京都市美術館・京都)に出品。

 

田岡和也 Kazuya TaoKa

MSファクトリー 新入エンジニアノート

h26.5×w21.5×d3.0cm 紙にインク、他 2017

 

■略歴 [Artist Biography]

1983年、香川県生まれ。2005年、大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業。2004年にGUILDGALLERY(大阪)で初個展を開催。以降、Oギャラリー(東京)、STANDARD BOOKSTORE(大阪)、CAP STUDIO Y3(兵庫)、KOBE STUDIO Y3(兵庫)等で個展を開催。主なグループ展に、2005年、トゥールビヨン3Oギャラリーeyes・大阪)。2006年、ViewIntrospection 4Oギャラリーeyes・大阪)。2007年、The extracted elementOギャラリーeyes・大阪)。2008年、センチメンタルジャーニー(Oギャラリーeyes・大阪)。2010年、未来は僕らの手の中(Oギャラリーeyes・大阪)。2013年、マイホーム ユアホーム(芦屋市立美術博物館・兵庫)。2015年、des Spektrumplan.d.・デュッセルドルフ)。2016年、田岡和也・田岡亜依子展(神戸市営地下鉄和田岬駅・兵庫)。他、2015年にアートフェア会場の外でアートを持って立つゲリラ活動「ART持つOSAKA」(JR大阪駅コンコース・大阪)、同年に神戸・和田岬に鎮座する和田神社の拝殿天井画(計80枚)を妻の田岡亜依子と共同で制作。

 

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