●Tourbillon XIV(トゥールビヨン14Part2

 

 

 展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition]

トゥールビヨン(tourbillon:フランス語で“うずまく”)と題されたこの展覧会は、各作家が自らの方向性や在り方、また現在の様々な動向に視野を向けながら、絵画という媒体を通じて継続的に模索することで、イメージと表面の現れ方に求心的な力を感じさせる作家へ出品を依頼し、展覧会を構成します。

【トゥールビヨンは、時計の仕組みでテンプや脱進機を丸ごと回転させて、重力による負担を低減させるシステムの名称です。普段、重力の束縛から逃れることが出来ない日常から、わずかでも解放されるような感覚を喚起出来ればという願いからこのタイトルが付けられました】

OギャラリーeyesO Gallery co., ltd.

 

石川愛子 Aiko Ishikawa

ホネ

130.0×97.0cm 綿布にアクリル絵具、クレパス 2016

ゆり園

65.0×91.0cm カンヴァスに油彩、クレパス 2016

地中の形態

54.0×38.0cm紙にクレパス、水彩2016

ラベンダー公園にて

97.0×130.0cm カンヴァスに油彩 2016

マーメイドの遊泳

28.0×39.0cm カンヴァスに油彩、クレパス 2016

チューリップのゆらぎ

91.0×61.0cm カンヴァスに油彩、クレパス 2016

こちらを見つめる犬

14.0×18.0cm カンヴァスにアクリル絵具 2016

 

 ■石川愛子 コメント [Artist Statement]

私は日常の中でひょんな切っ掛けから眼に映った対象のもつ新しいかたちについて、絵画制作という行為によって実践的に考察し、そこに潜む様々な視点を獲得しようとしている。

それらは繰り返し、気になった対象を読み解こうとすることで見えてくる気がする。これはと思ったものは、ある時は雨の日の水たまりの中にあったり、ある時は筍のように、地下で繋がっていて、いたるところに同様に群生しているものの一つだったりする。私はそうして発見するものごとを、「始まり」と呼び、絵画の上で想像を繰り広げるための素材としている。

現在はそのような過程を経て、あらゆるものにつながる「始まり」はどこに秘められているのか、それらが明るみになった時、またさらに違った世界への糸口となるのではないかという可能性を感じ、興味を抱いている。

 ■略歴  [Artist Biography]

1993年、大阪府生まれ。2016年、京都市立芸術大学美術科油画専攻を卒業。現在、京都市立芸術大学大学院絵画専攻油画領域在学。主なグループ展に、2013年、京都市立芸術大学2012年度作品展(京都市美術館・京都)。2014年、京都市立芸術大学2013年度作品展(京都市美術館・京都)、2014油画前期展(京都市立芸術大学油画アトリエ棟・京都)。2015年、祝2015展(京都市立芸術大学大ギャラリー・京都)、「端」にふれる展(京都市立芸術大学構内・京都)、京都市立芸術大学2014年度作品展(京都市美術館・京都)、2015油画2前期教室展(京都市立芸術大学油画アトリエ棟・京都)。2016年、京都市立芸術大学2015年度作品展(京都市立芸術大学油画アトリエ棟・京都)に出品。2015年に第36期「国際瀧冨士美術賞」にて優秀賞を受賞。

 

大八木夏生 Natsuki Oyagi

It was a stroke of luck. #39

84.1×59.4cm カンヴァスにシルクスクリーン、アクリル絵具、他 2016

It was a stroke of luck. #37

42.0×59.4cm カンヴァスにシルクスクリーン、アクリル絵具、他 2016

It was a stroke of luck. #36

59.4×42.0cm カンヴァスにシルクスクリーン、アクリル絵具、他 2016

It was a stroke of luck. #35

110.0×80.0cm カンヴァスにシルクスクリーン、アクリル絵具、他 2016

It was a stroke of luck. #38

42.0×59.4cm カンヴァスにシルクスクリーン、アクリル絵具、他 2016

 

■大八木夏生 コメント  [Artist Statement]

路上にはたくさんの「工夫」が転がっている。それらは路上に転がる一見ゴミのような物体やオブジェのような「何だこれ」である。私はそれらを絵(平面)にすることで「何だこれ」の観察を試みている。

三次元で存在する物体をあえて二次元に変換して描くことで、一歩引いた目線でそれらを捉えることができる。すると、それらは切る、貼る、置く、組み合わせる、寄せ集めるなど、誰かの何らかの行為「工夫」が行われた、ただの既製品であることがわかる。

事物(既製品)には世界や人とやり取りするための機能が予め組み込まれており、我々はそれらに込められたメッセージを適切に処理することで事物(既製品)を道具として正しく使用し、認知している。しかし、誰かの単純な「工夫」により、我々はそれらのメッセージを誤読してしまうことがある。メッセージの誤読こそが「何だこれ」の正体である。

このような「何だこれ」を用いて自身の客体として存在する事物を改めて捉え直すことにより、普段我々が無意識に行っている、「みる」ことについて再考している。

 ■略歴  [Artist Biography]

1991年、兵庫県生まれ。2014年、京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コースを卒業。2016年、京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程芸術専攻版画領域を修了。主なグループ展に、2014年、展覧会プログラム“架設 2014”第三期『絵画を往復する』(京都精華大学T-101・京都)。2015年、展覧会プログラム“架設 2015”第一期『軽妙な解答』(京都精華大学T-101・京都)、はてなのちゃわん(kara-S・京都)、反響定位-Work in progress 2015-(出水団地第三棟・京都)。

2016年、Reproduction(成安造形大学【キャンパスが美術館】ギャラリーアートサイト・滋賀)、連鎖とまたたき(京都精華大学ギャラリーフロール・京都)に出品。

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