●Between the scene and the form 2016

 

 

 展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition]

絵画に内包される形式と文脈、表層と構造といった諸要素は、イメージとして生成される場面(記憶や経験を通して想起される像)と、造形的に形成される表面(描画材等の物質における干渉)といった相互作用を経て浮上しますが、それらは如何に絵画制作する者の今日の在り方と結びつき、その繋がりと因果性を伴って画面へと立ち顕れるのでしょうか。絵画の特性と現実として抱えるソーシャルな問題の狭間で、作家がどのような観点と意識を持って対応し、絵画としての空間を獲得して行くのか二人の作品から考察します。

OギャラリーeyesO Gallery co., ltd.

 

田中詩奈 Shiina Tanaka

NO TITLE

41.0×31.8cm カンヴァスンに油彩 2015

引き出し

41.0×41.0cmカンヴァスンに白亜地、油彩 2015

ナイフ

38.0×45.5cm カンヴァスンに白亜地、油彩 2015

replay

162.0×162.0cm カンヴァスにアクリル絵具、油彩 2015

シンデレラと魔法使い

45.5×33.3cm カンヴァスンに白亜地、油彩 2015

鏡と

41.0×41.0cm カンヴァスンに白亜地、油彩、アクリル絵具、鏡 2015

 

 ■田中詩奈 コメント [Artist Statement]

パネルやキャンバスといった支持体は、一枚の平面状の物質でありながら、その表面は水面の様な性質を持ち、ホログラムの様にその先にある世界を私達に見せてくれます。

この事は絵を描く作家の殆どが経験していることだと思います。

近年は、現実味のない空想上のものであったり、やんわりと姿形が曖昧な状態のまま思い浮かぶ事もありますが、ポツン、ポツンとバラバラ且つ浮遊するように浮き出るイメージをキャンバスに投げかけ、その結果、キャンバス上で起きた変化や新たに生まれたイメージを描いています。 

 “どんな感覚も繰り返される事で変容する。”

最近はそんな事ばかり考えており、実験的ではありますが、キャンバスに投げかけたイメージやモチーフを画面上で複数にわたり反復させ空間を構成し、それらが反復する動き(リズム)によって生まれる表情を描いています。

私の中で生まれるイメージも、一見、繰り返しの様にも見受けられる、しかし無常な日常の中で、外部からの影響を受けながら変容していると思います。そんな中、ああでもない、こうでもない、と模索し、苦戦しながら日々、絵とキャッチボールをしています。その過程を少しでも感じて頂けたら幸いです。

 ■略歴  [Artist Biography]

(たなかしいな)1991年、福井県生まれ。2014年、京都嵯峨芸術大学芸術学部造形学科油画分野を卒業。現在、愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画版画領域に在学。主なグループ展に、2012年、第25回美浜美術展(福井県立美術館・福井、大阪府立之子島文化芸術創造センター・大阪)。2012年、SAGA DASH 2012Art Space-MEISEI・京都)。2013年、SAGA DASH 2013Art Space-MEISEI・京都)。2014年、北野アートセンター・ビエンナーレ2014(ギャラリー新・福井)、Semantic Portrait 2 展(Oギャラリーeyes・大阪)。2015年、第26回美浜美術展(福井県立美術館・福井)第60回記念 新世紀展(東京都美術館・東京、他)、ギャラリーへ行こう2015(ギャラリー数寄和・東京/滋賀)、川上真由香・田中詩奈・構亜利沙展(ギャルリーくさ笛・名古屋)等に出品。

 

大津安以 Ai Ohtsu

(上)1人分の頭部-水色

27.3×22.0cm カンヴァスに油彩、木炭、ジェッソ 2016

(下)1人分の胴体-両腕を挙げている

53.0×45.5cm カンヴァスに油彩、木炭、ジェッソ 2015

(上)1人分の頭部-ピンク

24.0×19.0cm カンヴァスに油彩、木炭 2016

(下)1枚の白Tシャツ

72.7×60.6cm カンヴァスに油彩、木炭、ジェッソ 2015

足を伸ばす1

53.0 ×72.7cm カンヴァスに油彩、木炭 2015

1人の背中-肌荒れ

72.7×60.6cm カンヴァスに油彩、木炭、ジェッソ 2015

1人分の頭部-薄緑

27.3×22.0cm カンヴァスに油彩、木炭 2016

ガジュマルの木は私の部屋にいた

45.5×38.0cm カンヴァスに油彩、木炭 2015

トゲ-推定バラ

33.3×33.3cm カンヴァスに油彩、タックス 2015

 

■大津安以 コメント  [Artist Statement]

昔からぼーっとするのが好きだ、おそらく。

つい、そんな時間を過ごしてしまうし、努めて取ることもある。

ぼーっとするとは、特に何をするでもない行動。(静止といった方が正しいか?)

頭の中も妄想するでもなく、思考するでもなく、言葉にならない揺れがあるぐらい。

そんな時、私は1人として、ただただ存在しているだけ。

このなんともいえない静止は、ゆるやかに存在を浮き彫りにする。

この事実を確認したくて、私は絵を描くのだろうし、

無駄な時間だと叱られても、またぼーっとしてしまうのだろうなぁ。

 ■略歴  [Artist Biography]

(おおつあい)1991年、大阪府生まれ。2014年、京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業。2015年、GALLERY SAGE(大阪)にて初個展を開催。主なグループ展に、2011年、151人展(art gallery そら・大阪)。2012年、KURUKURU展(阪急百貨店うめだ本店・大阪)。2013年、つながる展(Gallery Ort Project・京都)、トゥールビヨン11Oギャラリーeyes・大阪)。2014年、人間展(金沢21世紀美術館・石川)、CAUSE ON THE SURFACE 4Oギャラリーeyes・大阪)等に出品。

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