日下部一司 Kazushi Kusakabe

 

写真箱

32.0×23.0×26.4cm 和紙にゼラチンシルバープリント、鉄 2016

Circus(展示風景)

和紙にゼラチンシルバープリント、鉄フレーム等

CircusA

35.0×45.0cm 和紙にゼラチンシルバープリント 2016

CircusB

35.0×45.0cm 和紙にゼラチンシルバープリント 2016

輪郭線

28.7×4.0×26.3cm 合成漆、鉄 2016

点(右)

11.0×5.5×11.0cm パネルにカシュー塗料 2016

朝(左)

17.2×12.3cm バライタ紙にゼラチンシルバープリント 2000

猫足

64.5×60.2×23.2cm 足先の欠けた花台(既製品)、石、他 2016

blackboard

45.0×60.0cm 鉄板に黒板塗料 2016

水準器

15.0×30.0×15.0cm×2 木に黒板塗料 2016

平面をあつめる

90.1×60.0×107.0cm 木に石塑粘土、木に黒板塗料 2016

垂直軸a(右) 垂直軸b(左)

50.0×37.0×4.0cm綿布にアクリル絵具2016

Double

21.0×59.0cm×2 紙にオフセット印刷 2016

空間を充たすc

20.0×20.0cm ハーネミューレ紙にガム印画 2015

 

 ■日下部一司 コメント  [Artist Statement]

5年前だったかなと思うことが10年前だったりして勘が狂う。過去が自分を追いかけて、すぐ後ろまでやってきている感じだ。過去が近くなった。もしかしたら、いつか過去に追い越されるのではないだろうかと思ったりもする。それはどういう状態なのかを考えてみると怖くなる。

 

近い距離の過去につきあうことが多くなると姿勢も変わってくる。「いま」はくっきりした境界を持たず、緩やかなグラデーションの中にあるのだと思うようになった。

10年間くらいは「いま」かもしれない。多分そうだと最近思う。

 

先日、ここ15年間くらいの作品を編集して展示する機会を得た。「矩形」というキーワードで作品を選択し組み合わせたのである。意外にも自分が変化していないことに気付き、驚くと同時に安心した。いや安心してはいけない。人は変化しないでいることなんてできないのだから。

ただ、古い作品とその次に古い作品、そしてもっと古い作品を今の自分が並べて展示してみると、過去の作品では現れなかった「いま」が見えるようになる。そのことが発見だった。作品は変化しないが、自分は変化していたということだろう。だから恐らくそのことに安心したのである。

 

作品は役者である。役者がある空間で何かを演じる。そういう風に考えると、なんだかいろんなことができそうに思えて前向きな気持ちになる。とはいえ、役者も歳をとり物理的にも枯れる。それもよしとしよう。枯れた役者と新人が織りなす物語も、あんがい面白いに違いない。そうそう、そんな展覧会をしたいと最近思っている。

 ■略歴  [Artist Biography]

1953年、岐阜県生まれ。1976年、大阪芸術大学芸術学部美術学科版画専攻卒業。1975年、ギャラリー射手座(京都)にて初個展を開催。以降、信濃橋画廊(大阪)、シティギャラリー(神戸)、ギャラリーココ(京都)、ウエストベスギャラリー・コヅカ(名古屋)、サイギャラリー(大阪)、The Third Gallery Aya(大阪)、Oギャラリーeyes(大阪)、伊丹市立工芸センター(兵庫)、京都造形芸術大学芸術館(京都)、ギャラリーヤマグチクンストバウ(大阪)、Marie Gallery(東京)等で個展を開催。その他、京都市美術館、東京都美術館、ブラッドフォード美術館、リュブリアナ美術館、岐阜県美術館、ウオーカーヒルアートセンター、姫路市立美術館、兵庫県立美術館、中之島デザインミュージアム等、国内外の美術館で開催されたグループ展等に多数出品。

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