●The extracted element 2016

 

 

 展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition]

視覚体験に基づく記憶から固有の像へと発展していく過程の中で、対象となる日常や情報から特定の要素を引き出し、そこにそれぞれの感覚に即した観点を照射することで明確化されようとするイメージに注目し、現実に即した像と引き出された諸要素との結び(契機)を、それぞれの作品が抱える文脈と共に考察します。     

OギャラリーeyesO Gallery co., ltd.

 

佐野綾香 Ayaka Sano

静物

72.7×91.0cm カンヴァスに油彩 2015

タンブラー 2

27.3×22.0cm カンヴァスに油彩 2016

タンブラー

27.3×22.0cm カンヴァスに油彩 2016

Demel

130.3×130.3cm カンヴァスに油彩 2016

無題

41.0×31.8cm カンヴァスに油彩 2016

White Musk

22.0×27.3cm カンヴァスに油彩 2016

White Musk-2

27.3×22.0m カンヴァスに油彩 2016

 

 ■佐野綾香 コメント [Artist Statement]

20151117

私にとって所有とは、自分にとっての役割を与え、自分に属させるということ。だから自分に属させる方法が描く以外にないものを描いている。

 

201655

東京に就職してから、初めての帰省。自分の感覚が家を切り離していることに気付く。

3月からそのまま変わっていない私室も、帰る場所ではなくなっていた。

 

2016919

今、私の欲求は“もの”にはない。

(それでも金属が気になる 水に見える光の屈折が気になる その瞬間だけ、私が見ただけの記録を残したいと思う。)

自然を見に行きたい。目の前にないものがほしい。

 

2016928

帰省の飛行機の中から景色を見下ろしていた。安心できない、どこに留まるか分からない、見覚えのある景色のもとへ行きたい、どの場所も私の一生居られる場所じゃなくなった。

そんな事を思った。

何かを探していて、その何かは、見付けたと思った次にはもやのように手をすり抜けていきます。ずっと追っていないとこちらを向いてくれないようです。

分かっているのは、もし絵を描いていなかったら、自分の正体も分からず、苦しい理由も分からず、私は自分を楽にする方法も見付けられなかっただろうという事です。

 ■略歴  [Artist Biography]

1992年、兵庫県生まれ。2016年、京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業。主なグループ展に、2013年、京都市立芸術大学学外展示企画SQUAT(梅小路公園・京都)。2014年、Linksにラクガキ!(Linksギャラリースペース・大阪)、京都市立芸術大学作品展(京都市美術館・京都)、ゆはん展(ギャラリー空・鍵屋・京都)、トゥールビヨン12Oギャラリーeyes・大阪)。2015年、祝2015展(京都市立芸術大学大ギャラリー・京都)、京都市立芸術大学作品展(京都市美術館・京都)。

 

松山彩実 Ayami Matsuyama

ただひたむきに時には愚かなカノジョT

162.0×130.3cm カンヴァスに油彩 2016

ただひたむきに時には愚かなカノジョU

162.0×130.3cm カンヴァスに油彩 2016

ただひたむきに時には愚かなカノジョV

91.0×116.7cm カンヴァスに油彩 2016

ただひたむきに時には愚かなカノジョW

53.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2016

 

ただひたむきに時には愚かなカノジョX

53.0×45.5cm カンヴァスに油彩 2016

 

■松山彩実 コメント  [Artist Statement]

[ただひたむきに時には愚かなカノジョ]

私の作品は、「女性」をベースとし各作品ごとに様々な視点や要素を取り入れ「現実味をおびたファンタジー」として表現する。

今回の作品は、「本音と建前」に興味を持ち、また「素直さ」に対する疑問である。

 

作品は「動物にまたがる女性の像」である。動物モチーフは『男性』を意味し、その動物(男性)から見て女性の後ろに本音・裏の顔の要素を描き、表は見えている部分(表面)として表現した。 背景部分は複雑なものを採用し、画面の中での男女間の行為が、矛盾している事や時にはそうではない事の心境を描く。このように、視点や要素を取り込む事により 一筋縄にはいかない「何か」が存在し、その多様性をゴレンジャーや魔法少女もので用いられる色ごとにキャラや要素を分けてシリーズとして制作した。

 

[ただひたむきに時には愚かなカノジョ]とつけたのは、画面の中で矛盾している行為や時にはあざといカノジョ(女性)のように、その渦中は「ひたむき」だが客観的に見ると「愚かに」感じる事もありこのタイトルをつけた。

私の作品は、あくまでも主観や身内ネタ要素もあるので、鑑賞者が理解したら酒が不味くなる事もある。時には「絵画では無く文章にしたら」と言われる事もしばしば…だが、表現の多様性としてこのような絵画も必要と考える。20代女子の一般的な感覚で疑問や引っかかりを出来るだけ零す事なく表現していきたい。

 ■略歴  [Artist Biography]

1993年、大阪府生まれ。2016年、京都嵯峨芸術大学造形学科油画分野を卒業。現在、京都嵯峨芸術大学芸術研究科芸術専攻造形絵画に在籍。2015年、京都嵯峨芸術大学アートプレイスU2(京都)にて初個展を開催。主なグループ展に、2013年、毒展(nearly equal galley・大阪)。2014年、era(京都嵯峨芸術大学アートスペース嵯峨・京都)。2015年、神戸ビエンナーレ大学作品展(メリケンパーク内・兵庫)、SAGA DASH2015(Art Space-MEISEI・京都)。2016年、REFLECTION(ちいさいおうちGalley Little House・京都)。

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