林 真衣 Mai Hayashi

 

かぜをたべるいきもの05

112.0×162.0cm カンヴァスに油彩 2016

よるにさく

15.8×22.7cm カンヴァスに油彩 2016

かぜをたべるいきもの06

194.0×162.0cm カンヴァスに油彩 2016

かぜをたべるいきもの07

162.0×194.0cm カンヴァスに油彩 2016

おむかえのじかん

162.0×130.0cm カンヴァスに油彩 2016

つきのかおり02

22.7×15.8cm カンヴァスに油彩 2016 

つきのかおり01

65.2×50.0cm カンヴァスに油彩 2016

かぜのあしおと

14.0×18.0cm カンヴァスに油彩 2016

よるにさくはな

27.3×22.0cm カンヴァスに油彩 2016

 

 ■林 真衣 コメント  [Artist Statement]

春に親戚と友人に会いに熊本に行きました。何かに突き動かされるように、急きょ私が提案した家族旅行でした。桜が満開の時期で、ライトアップされた熊本城はとても美しく貫禄があり、今でも目に焼き付いています。旅行から帰った数日後、熊本に大地震が起きました。テレビから流れてくる信じがたい映像を見ていると、別れ際の親戚と友人の笑顔が脳裏に浮かびました。のちに無事であったことが分かりましたが、熊本では多くの尊い命が犠牲になりました。震災は不条理にも何気ない日常を一瞬にして奪っていきます。私たちが「大切にすべきものは何なのか」を問われているかのようです。

 

本展の作品は、太陽が沈んでいく時間から、登ってくる時間にかけての光景をモチーフにしています。絵の具を幾重にも重ねたり、時には筆や布でぬぐったりしながら、存在を確かめるように描いています。表面の質感に、気泡を入れはじめて三年になりました。泡立てた絵の具を画面に流すことに慣れてきたからといって、泡をもう少しコントロールしようと欲張ると、自分が狙っていたイメージを超えてしまいます。それは自然と人間との距離感と少し似ているようなき

がします。人間は自然を含めた色々なものを自分の所有物のようにコントロールしてきました。しかし、踏み込み過ぎてはいけない境界、一線があるように思います。そもそも、人間も自然の一部であり「自然」と「人間」を分ける時点で人間中心主義なのかもしれません。早朝、ほんの少しの間、自然光と人工光が共存する静かな時間があります。それらが交わりながら、揺れる光景は、私たちに一つの在り方を教えてくれているように感じました。

 

震災で亡くなられた方々のご冥福と、一日も早い復興を心よりお祈りします。

 ■略歴  [Artist Biography]

1984 大阪府生まれ

2007 成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス卒業 

2008 成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス研究生修了

2015 第30回ホルベインスカラシップ奨学生

 

・個展 

2008 AD&Aギャラリー(大阪)

2013 Oギャラリーeyes(大阪)

2014 Oギャラリーeyes(大阪)

2015 Oギャラリーeyes(大阪)

 

・グループ展

2006 湖族の里アートプロジェクト(大津市堅田・滋賀)

2006 Oil Painting 4人展(ナジックスクエア・京都)

2006 ART AND CRITIQUE 2006(ギャラリーアートサイト・滋賀)

2007 2007京展(京都市美術館・京都)

2007 5回武井武雄記念日本童画大賞展

(イルフ童画館イルフプラザ・長野)

2008 2008京展(京都市美術館・京都)

2008 View/Introspection 5 アンダーイルミネーション

Oギャラリーeyes・大阪)

2009 日本童画大賞十年の足跡展(イルフ童画館・長野)

2010 木津川アート 2010(木津川市・京都)

2011 木津川アート 2011(木津川市・京都)

2012 2012京展(京都市美術館・京都)

 

・受賞 

2007 第5回武井武雄記念日本童画大賞展(審査員特別賞)

2012 2012京展(須田賞)

 

・パブリックコレクション

岡谷市イルフ童画館

 

・参考文献

京谷裕彰:「京雜物的野乘」2014922日(レビュー)

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