Tourbillon XV(トゥールビヨン13part2

 

 

 展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition]

トゥールビヨン(tourbillon:フランス語で“うずまく”)と題されたこの展覧会は、各作家が自らの方向性や在り方、また現在の様々な動向に視野を向けながら、絵画という媒体を通じて継続的に模索することで、イメージと表面の現れ方に求心的な力を感じさせる作家へ出品を依頼し、展覧会を構成します。

【トゥールビヨンは、時計の仕組みでテンプや脱進機を丸ごと回転させて、重力による負担を低減させるシステムの名称です。普段、重力の束縛から逃れることが出来ない日常から、わずかでも解放されるような感覚を喚起出来ればという願いからこのタイトルが付けられました】

(Oギャラリーeyes)

 

小川直樹 Naoki Ogawa

それぞれの夜V

194.0×162.0cm カンヴァスに油彩 2015

魔法使いW

194.0×162.0cm カンヴァスに油彩 2015

紅い宝石

53.0×53.0cm カンヴァスに油彩 2015

マリーンの女

27.5×22.0cm カンヴァスに油彩 2015

 

 ■小川直樹 コメント [Artist Statement]

地図も定かでない時代の人々が、空を見て感じたものはおそらく今の私達とは大きく異なる事だったのだろうなと思います。現在は、空は飛行機で飛べるもので、その先には宇宙があり月があり星々があるという確認された情報があります。探査機の発達により星の表面の鮮明な映像等も見る事ができます。

昔はどうだったのでしょう、おそらく空はそのままの目前にある空間であり謎である事が個人の想像性を大きく展開させる働きを担っていたのでしょう。

知ろうとする心から人は空に浮かび、飛び、重力を振り切り、空を超えて、その先の空間にまで進みました、本当に凄い力だと思います。

だけれど、事実が確認されるほどに個人が途方もない想像の世界を創りだす要素は薄れ、世界は確定されつつあります。それでも、その削り落とされていく部分に私は価値を感じます。

身体で感じ想像して、記憶を手繰り夢を見て、多様なバランスで成り立つ不確定な世界を探って行きたいと思います。

 ■略歴  [Artist Biography]

(おがわなおき)1984年、島根県生まれ。2007年、成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラスを卒業。2008年、成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス研究生を修了。2010年、第25回ホルベインスカラシップ奨学生。2008年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催。※以降、同ギャラリーにて毎年個展を開催。2011年、Oギャラリー(東京)※以降、同ギャラリーにて2012年、2015年に個展を開催。主なグループ展として、2005年、ART & CRITIC(成安造形大学ギャラリー/アートサイト・滋賀)。2007年、PIECES(海岸通りギャラリーCASO・大阪)。2010年、シェル美術賞2010(代官山ヒルサイドフォーラム・東京)。2011年、THE GALAXY−パラノイア銀河(Oギャラリーeyes・大阪)。2012年、The 13th Anniversary Pre ExhibitionKICKS (Oギャラリーeyes・大阪)、群馬青年ビエンナーレ(群馬県立近代美術館・群馬)。2013年、DrawingExposed essence 2013Hydro」(Oギャラリー eyes・大阪)。2015年、琳派400年記念・京都新鋭選抜展2015(京都文化博物館・京都)。2015年、FACE2015 損保ジャパン日本興亜美術賞展(損保ジャパン日本興亜美術館・東京)等に出品。

 

松村咲希 Saki Matsumura

髪を結った女

36.0×28.0cm 2点組) カンヴァスに油彩 2015

赤いベッド

45.5×38.0cm カンヴァスに油彩 2015

森の入り口

24.2×33.3cm カンヴァスに油彩 2015

回遊癖

22.7×15.8cm カンヴァスに油彩 2015

動物園

24.2×33.3cm カンヴァスに油彩 2015

森の入り口V

15.8×22.7cm カンヴァスに油彩 2015

部屋の中のオオカミ少女

162.0×130.3cm カンヴァスに油彩 2015

 

■松村咲希 コメント  [Artist Statement]

子供の頃、動物園でシロクマが暑そうに肩を落として同じところをぐるぐる回っているのを見たことがある。

檻が狭く歩けるところが少なくてかわいそうだなと思ったのだった。

他にもガラスの前で行ったり来たりするアライグマ、首を振り続けるゾウを見た。

後に知ったがこれは常同行動と呼ばれる欲求の転化行動なのだそうだ。

食事、遊び、運動、他の動物との触れ合いなどの動物が自然に生きる上での欲求が満たされないことによって起こるため、飼育されている動物によく見られる。

彼らは欲求が満たされるまで終わらない円を回り続けるのだ・・・

ふと、私が絵を描いていることや日々の生活に似ているかもしれないと思う。痛々しく滑稽な反復行動こそ、欲求に繋がっているのだ。

そして届かない欲求こそ、私を生きさせるのかもしれない。

 ■略歴  [Artist Biography]

(まつむらさき)1993年、長野県生まれ。2015年、京都造形芸術大学美術工芸学科油画コースを卒業。現在、京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術専攻修士課程ペインティング領域に在籍。主なグループ展として、2010年、シャッターアート(長野市南石堂町商店街・長野)、MISTMIST・長野)。2011年、ArtistAction For Japan(ギャラリーenart・京都)、京都造形ねぶた(上賀茂神社・京都)。2013年、清水理義×松村咲希壁画制作(京都造形芸術大学・京都)、油祭-油画三回生展-(京都造形芸術大学・京都)、The zoo(東北芸術大学・山形)。2015年、京都造形芸術大学卒業・修了制作展(京都造形芸術大学・京都)、 混沌から躍り出る星たち(スパイラルガーデン・東京)に出品。

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