長谷川直美 Naomi Hasegawa

 

平和の礎

112.0×194.0cm カンヴァスに油彩 2015

Call for rain

24.2×33.3cm カンヴァスに油彩 2015

Smile!

130.3×194.0cm カンヴァスに油彩 2015

in the garden

53.0×53.0cm カンヴァスに油彩 2015

a girl

33.3×24.2cm カンヴァスに油彩 2015

under the tree

45.5×33.3cm カンヴァスに油彩 2015

摩文仁tree

33.3×45.5cm カンヴァスに油彩 2015

a kindergarten

33.3×45.5cm カンヴァスに油彩 2015

砦・辺野古

130.3×162.0cm カンヴァスに油彩 2015

on the bicycle

33.3×45.5cm カンヴァスに油彩 2014

御嶽

130.3×162.0cm カンヴァスに油彩 2015

 

 ■長谷川直美 コメント  [Artist Statement]

13年前、アメリカでたまたま出合ったピースウォークに、生まれて初めて参加しました。経験したことのない長距離を毎日歩き、痛みのために歩き方がわからなくなった時、「ヒーラー」が私の腰に手を置きました。暫くすると痛みは霧散し、重かった体が開放感で溢れました。「痛みを『感じる』ことで、そこに滞ったエネルギーが解放される」とヒーラーは言いました。それまで平和について考えたこともなかった私ですが、帰国して後、広島、沖縄、アウシュビッツ、長崎、鹿児島、と戦跡を訪ねました。沖縄では、自分が立つ地に刻印された「死」のエネルギーを強く感じました。誰かが死を迎える瞬間、この場所で、命の限り恐怖と痛みに叫んだ力がそっくりそのまま地面に刻みつけられているような。「生」の痕跡がそのエネルギーを保ったまま「死」のエネルギーに変換されているかのような。沖縄の、激しい戦闘と人々の悲惨な慟哭を想い、それは私の意識にも刻み込まれました。

沖縄には毎年、500万人以上もの人々が訪れるのだそうです。そして激戦から70年もの年月が経ちました。だのに、未だ「死」のエネルギーから解放されず、米軍基地が住民の生活を圧し続けています。この美しい地に刻まれた戦争の傷痕を癒すためには、どれだけの「痛みを感じる手」が必要なのでしょう。沖縄でおよそ20万人の、日本全体で310万人もの方々の命と引き換えに与えられた不戦の知恵を、有効に使いあぐねている私たちを、先人たちはどう見るでしょうか。死者の影を畏れもしない、愚かな人間の様とはかけ離れて、変わらずに美しい世界が地上には広がっています。

目の前に広がるこの世界で、創造主は愛と厳しさをもって、この世の私たちに今もなお、愛とは何かを問いかけている気がします。「平和」を人間の土地に根付かせることの、なんと困難なことなのでしょうか。

神の創られた世界の美しさを讃えつつ「涙と共に種を蒔く※」働きができれば、と思います。いつか未来の世代が喜びと共に刈り入れることを願いながら。

※引用文献:聖書[新共同訳] 詩編(1987)日本聖書協会。

 ■略歴  [Artist Biography]

1970 名古屋生まれ

1994 名古屋芸術大学美術学部絵画科洋画専攻版画コース卒業

1995 名古屋芸術大学美術学部絵画科版画コース研究生修了

 

・個展

1996 Gallery San Gimignano(大阪)

織部亭(愛知)※以降1998年に開催

1997 ガレリア・フィナルテ(名古屋)※以降2002年に開催

1999 ギャラリーAPA F2(名古屋)※以降20092011年に開催

1999 ギャラリーこうの(三重)

2003 ギャラリーA.C.S.(名古屋)※以降2006年に開催

2007 Oギャラリー(東京)

2008 ギャラリーすずき(京都)

2010 Oギャラリーeyes(大阪)※以降2012年に開催

2013 OギャラリーUPS(東京)

 

・グループ展

2000 鼎(Gallery HIRAWATA・藤沢)

版表現・拡がる表象2000(愛知県美術館ギャラリー・名古屋)

       00-01展(Gallery HIRAWATA・藤沢)

2001  いのちときぼうのアート展part1(文化会館「葵丘」・愛知)

版画作家たちのドローイング展(ギャラリーA.C.S.・名古屋)

2003 International Workshop for Visual Artists in REMISEN BRANDEREMISEN・デンマーク)

2004  After Remisen 5ArtDesign Center・愛知)

2007 版の方法論〜京都と名古屋から〜(CASO・大阪)

トゥールビヨン5Oギャラリーeyes・大阪)

    黒板家族とクリスマス展(ギャラリー安里・名古屋)

2008 いのちときぼうのアート展part2,part3(文化会館「葵丘」・愛知)

peace nine 2008

(ArtDesign Center・名古屋)※以降2015年まで出品

      芽楽ミニアチュール展

(ギャラリー芽楽・名古屋)※以降2014年まで毎年出品

      ディセンバ展Vol.2

(ギャラリーAPA・名古屋)※以降2011年まで毎年出品

     現代美術小品展(ギャラリーすずき・京都)※以降2009年出品

2009  the 6th International Workshop DRAWING in HannoverArs terraStephansstift・ドイツ)

2010 愛知アートの森・堀川プロジェクト(東陽倉庫テナントビル・名古屋)

2013  No Reason;Have Result(Subhashok The Arts centre・タイ)

2014  International Art Workshop2014Gludsted・デンマーク)

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