●outside and the inside W 

 

 

■展覧会趣旨[Purpose of Exhibition

自宅を出てふと見上げた空の広がりや、街並みの狭間から見える眺め等、ある瞬間我々の感覚を刺激し、その情景や空間に魅了されることがあります。また何気なく手にふれたものの触感から、思いもよらない発想や衝動に駆られる事もあるでしょう。そうした日常的事象からの影響や欲求を作家はどのように受け止め、外在する世界と自らの内面との関係を有用なものにしているのでしょうか。本展では、対象における内/外の認識と、日常空間からの抑制と開放といった相関の狭間で交差する心的状況が、作品にどのように反映されイメージとなる像が浮上してくるのか、ふたりの作品から読み取ります。

OギャラリーeyesO Gallery co.,ltd.

 

寺脇さやか Sayaka Terawaki

不在の庭

145.0×145.0cm カンヴァスに油彩 2015

標本U

30.0×31.5cm カンヴァスに油彩 2015

標本T

22.0×27.3cm カンヴァスに油彩 2015

標本V

14.0×18.0cm カンヴァスに油彩 2015

花の園

145.5×112.0cm カンヴァスに油彩 2015

untitled

22.0×27.0cm カンヴァスに油彩 2015

untitled

19.0×24.0cm カンヴァスに油彩 2015

 

 ■寺脇さやか コメント  [Artist Statement]

人から放置されたままの山に乱立する木に、本体の木が隠れるほど草や花が絡みつき、我が我がと重なり合い、膨らみまた新たな塊となる。

永遠に変化し続ける、その静かに生き続ける様に圧倒され、魅せられる。

私はそれらを想像の庭の中に創りだす。

【庭園】とは計画的に樹々、泉水、築山などを庭に配することをいう。

私の為の庭は、枝や根が無秩序に伸び、草も木も混じり合い、いずれも強壮で尊大な花々が咲き乱れる。

それは計画的に“自由”であり、それらを独占して植樹し、愛でるのである。

人間の在り方もその様に似ているかもしれない。人も同じようにただ大きな存在から見られているのかもしれないと想像しながら庭園を作り続ける。

■略歴 [Artist Biography]

(てらわきさやか)1984年、大阪府生まれ。2007年、成安造形大学造形美術科日本画クラスを卒業。2009年、京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程日本画専攻修了。2010年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催。※以降、同ギャラリーにて毎年個展を開催。主なグループ展に、2006年、 第32回京都春季創画展(京都市美術館・京都)、第33回創画展(東京都美術館・東京、京都市美術館・京都)。2007年、第34回創画展(東京都美術館・東京、京都市美術館・京都)。2011年、les signesOギャラリーeyes・大阪)。2012年、第4回京都日本画新展(美術館「えき」KYOTO・京都)、祇園祭によせて〜扇子祭(Art Space-MEISEI・京都)、京都芸大日本画の現在(Art Space-MEISEI・京都)。2013年、Semantic portraitOギャラリーeyes・大阪)2014年、第1回続日本画新展(美術館「えき」KYOTO・京都)、WONDER SEEDS 2014(トーキョーワンダーサイト渋谷・東京)、成安日本画卒業生展(成安造形大学内ギャラリー・滋賀)、The 9th 100 Artists ExhibitionOuchi Gallery・ニューヨーク)。2015年、第2回続日本画新展(美術館「えき」KYOTO 京都)、華やぎ展(SYRTEMA GALALLERY 大阪)。

 

松本良太 Ryota Matsumoto

ちょっとやさしい、トゥインクルスター☆

W12.1×D2.2×H10.9cm 陶 2015

はばたいて、ストーン

W11.7×D6.4×H9.6cm 陶 2014

とてもじゃないけど、ストーン

W8.4×D2.2×H8.4cm 陶 2014

すっくとたった、ストーン

W9.0×D4.2×H8.2cm 陶 2015

きんちょうした、ストーン

W4.2×D3.5×H7.3cm 陶 2015

きょうかんする、トゥインクルスター☆

W30.0×D32.0×H2.7cm 陶 2015

 

 ■松本良太 コメント  [Artist Statement]

例えば、倒れた自転車を目の前に、宇宙のはなしをしていたとしよう。

とてもとてもおおきなはなしだ、宇宙の真理に届く哲学のはなしだ。

僕は彼の高揚感を邪魔したくないから、隣でとびきりの笑顔を作り、何度もうなずく。

彼は、今から行動を起こさなくてはいけない人で、僕はそれを何としてでも成功させてほしかったからだ。

彼は若く、希望にあふれた目をしていたが、少し気になったのが、しきりに左腕をさすり、両膝を小刻みにふるわせていたところだ。

もし彼が、良心の呵責に耐えきれなくなって、向上心が瓦解してしまったら。

あの時、話を遮ってでも膝に手を添えるべきだったのか?一息つくように促すべきだったのか?

しかし、どちらも、僕の杞憂であった。彼はひとしきり、宇宙の話をした後に部屋を出て、外の自転車を立てた。

まるで嘘のように。

■略歴 [Artist Biography]

(まつもとりょうた)1986年、奈良県生まれ。2007年、大阪芸術大学付属美術専門学校美術工芸学科プリントメイキング専攻を卒業。2009年、京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画専攻卒業。2015年、多治見市陶磁器意匠研究所 デザインコース 修了。2010年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催。※以降、同ギャラリーにて2011年、2012年、2014年に個展を開催。2013年、直島郵便局(香川)にて個展を開催。主なグループ展に、2005年、企画イベントφ-phi(カフェバーオドリコ・大阪)。2006年、グループ展 HYBRID(ギャラリー光陽堂・大阪)。2009年、The extracted element 2Oギャラリーeyes・大阪)。2010年、Kind of the ironyOギャラリーeyes・大阪)、2012年、The 13th Anniversary Pre ExhibitionKICKS」(Oギャラリーeyes・大阪)。2012年、万国モナリザ大博覧会(鞆の津ミュージアム・広島)。2013年、Semantic portraitOギャラリーeyes・大阪)。2014年、Value added−フロクノミリョク(Oギャラリーeyes・大阪)、だいどころ(設置型ギャラリー・香川)、10cm un limited(岐阜県陶磁器美術館・岐阜)に出品。

 

Oギャラリーeyes HOME