●The garden of the ray 5Illuminated place

 

 

■展覧会趣旨[Purpose of Exhibition

これまで絵画の中で対象とされてきた光は、光学的あるいは事物を透過に認識させる普遍的な存在として描かれてきましたが、現在は高度な情報処理と配信技術により急進的な速度でデジタルな光が浸透し、絵画に留まらず写真や映像におけるイメージや空間の形成にも大きな波及をもたらしました。そのような中、様々なかたちで光が交錯する世界(日常に広がる光景と、多様な媒体を通して情報が拡張する環境)で、如何に外界とつながり、確かとされるものを捉える事ができるのでしょうか。本展は「Illuminated place」と題して、各々の作家により、描かれる対象とその場所から受容される光の様相を捉えます。

OギャラリーeyesO Gallery co.,ltd.

 

古川松平 Shohei Furukawa

visibility no.5

91.0×116.7cm カンヴァスに油彩 2015

visibility no.2

31.8×41.0cm カンヴァスに油彩 2015

visibility no.4

80.3×65.2cm カンヴァスに油彩 2015

visibility no.1

45.5×53.0cm カンヴァスに油彩 2015

visibility no.3

33.3×24.2cm カンヴァスに油彩 2015

visibility no.6

27.3×22.0cm カンヴァスに油彩 2015

 

 ■古川松平 コメント  [Artist Statement]

ネットで調べ物をしていると自分にとって都合のいい答えの方に流れているなと感じることがあります。

妻と同じことを調べていても答えは真っ二つに割れるといった具合で答えは一つではない。

今展覧会の趣旨である光についても同じことが言えるように思います。同じ景色、光がそこに存在していても見たものが感じることは凄く個人的で、見るものの環境、背景が色濃く反映されてしまう、同じ映画を見た人のレビューが正反対のものだったり、同じ人であってもコンディション等あらゆる要素によって感想が変わってしまうのとおなじように。

私にとって絵を描くという行為が大量に流される情報の中で曖昧で不確実な光を追い、連続する取捨選択の様相をそのままに表現できる方法であればと考え、今回は作品タイトルをvisibility (視界、見える範囲)とし制作しました。

■略歴 [Artist Biography]

(ふるかわしょうへい)1980年、佐賀県生まれ。2003年、大阪芸術大学芸術学部美術学科を卒業。2004年、大阪芸術大学芸術学部美術学科研究生課程修了。2004年、module.(大阪)にて、初個展を開催。以降、gallery coco(京都)、Oギャラリーeyes(大阪)※以降、同ギャラリーにて定期的に開催。Oギャラリー(東京)、リトルバード(大阪)にて個展を開催。2003年、ART CAMP in CASO(海岸通ギャラリー CASO・大阪)。2005年、Between the scene and the formOギャラリーeyes・大阪)、View/IntrospectionV―DivertimentoOギャラリーeyes・大阪)。2006年、トゥールビヨン4(Oギャラリーeyes・大阪)。2007年、「美の冒険者たち」なんばパークスアートプログラムVol.4 私のありか(パークスホール・大阪)。2009年、スタンダード ジャパン エディション(Oギャラリーeyes・大阪)。2011年、 大阪芸術大学美術学科作家展(ギャラリーkazahana・京都)。2012年、KICKSOギャラリーeyes・大阪)。2014年、リトルバード美術館(リトルバード・大阪)に出品。

 

福田啓美 Hiromi Fukuda

光の形象2014-01

116.7×80.3cm カンヴァスにアクリル絵具 2014

光の形象2014-05

27.3×22.0cm カンヴァスにアクリル絵具 2014

光の形象2014-04

33.3×24.2cm カンヴァスにアクリル絵具 2014

光の形象2014-03

33.3×24.2cm カンヴァスにアクリル絵具 2014

暈(かさ)

162.0×130.3cm カンヴァスにアクリル絵具 2014

光の形象2014-02

41.0×31.8cm カンヴァスにアクリル絵具 2014

光の形象2014-06

27.3×22.0cm カンヴァスにアクリル絵具 2014

 

 ■福田啓美 コメント  [Artist Statement]

音楽大学卒業後は、音楽に携わった仕事をしてきました。

絵を描き始めたのは40歳半ば、水彩画から始めました。

その後、嵯峨芸術大学社会人特別研修プログラムで2年間学生たちと一緒に洋画を学ぶなか、絵画と音楽には共通点が有ることに気付きました。マーク・ロスコも著書で『音楽は世界共通の言語だ。感情を伝える真の言語。絵画もまた同じように見なすべきだ。』と述べています。つまりは表現方法の違いではないでしょうか。

 

Illuminated place

煌めく日差しの中の山々、緑鮮やかな草木、都会に影を落とすビル、その中を行き交う人々。

光は地球を照らす。“光の中に色がある。光が目の細胞に届いて初めて色が生まれる。”※

ある日、竹藪の間を吹き抜ける風に気付き、見上げると美しく輝く木漏れ日がさしていた。普段は見過ごしてしまう風景である。私はその日からこの自然の移ろいを、天候、時間と季節を通して写真に記録した。

眼で見る風景とレンズを通して見える風景から、空気、風、音をイメージし表現してみた。

 

※引用文献:仲谷洋平・藤本浩一 編著 (1993)「美と造形の心理学」北大路書房。

■略歴 [Artist Biography]

(ふくだひろみ)1953年、大阪府生まれ。1973年、大阪音楽大学短期大学部音楽専攻卒業。2014年、京都嵯峨芸術大学短期大学部社会人特別研修プログラム修了。

 

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