中岡真珠美「トークンリング」 Masumi Nakaoak

 

passing note -福島県いわき市九之浜町-

36.0×36.0cm×30枚 紙にアクリル絵具、他 2014

passing note -福島県いわき市九之浜町-

(部分)

passing note -福島県いわき市九之浜町-

(部分)

passing note -福島県いわき市九之浜町-

(部分)

passing note -福島県双葉郡楢葉町-

36.0×36.0cm×42枚 紙にアクリル絵具、他 2014

passing note -福島県双葉郡楢葉町-

(部分)

passing note -福島県双葉郡楢葉町-

(部分)

passing note -福島県双葉郡楢葉町-

(部分)

passing note -福島県双葉郡楢葉町-

(部分)

passing note -福島県双葉郡楢葉町-

(部分)

a switchover

95.5×82.0cm カンヴァスにアクリル絵具、油彩、樹脂塗料 2014

a switchover(部分)

 

 ■中岡真珠美 コメント  [Artist Statement]

「トークンリング」

LANの接続方法で、コンピューターを環状に接続してトークンと呼ばれる特殊な信号の中継をきっかけに情報の受け渡しを行う。※松村明 編『大辞林』,三省堂より)

36cm四方の紙を繋ぎ合わせて風景を描く。部分で全体を構成する方法を3年前から始めた。壁にかかっている絵、絵に描かれてあるモチーフ、分割された1枚ごとの描画表現、それぞれの視座への移行が滑らかになりすぎない未成立な状態こそが、私が表現したい「風景画」だ。

今回のモチーフは、福島県いわき市から国道6号線を楢葉町と富岡町の境付近まで北上した道中で撮影した場所にある。テレビで見る“被災地”とは趣を異にするが、3.11から3年経った福島の風景である。

福島県双葉郡楢葉町山田岡の汚染土仮置き場/木戸駅周辺で、車一台がやっと通る小さな路地にネコ達が日向ぼっこをしていた。民家がひっそりとひしめき合う集落をぬけたすぐ先に、仮置き場が現れた。黒い袋が何段も積まれてその広がる端は見えない。

福島県いわき市久之浜町田之網浜川にある蔵/陸前浜街道を走っていると右手に海が見える。とても近い。平らな道が続く途中、夕日というには少し早い斜めの光がぼろぼろになったその蔵を照らしていた。むき出しの土壁がより鮮明に映った。

 ■略歴  [Artist Biography]

(なかおかますみ)1978年、京都府生まれ。2004年、京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。2004年、Oギャラリーeyes(大阪)※以降、毎年同ギャラリーで個展を開催。2005年、project N(東京オペラシティアートギャラリー・東京)2008年、INAXギャラリー2(東京)、第一生命南ギャラリー(東京)。2009年、view point(アートフロントグラフィックス・東京)※以降、毎年同ギャラリーで個展を開催。主なグループ展として、2004年、神戸アートアニュアル2004-トナリノマド(神戸アートビレッジセンター・神戸)。2005年、第一回倉敷現代美術アート・ビエンナーレ(倉敷市立美術館・岡山)では“準グランプリ”を受賞。2007年、VOCA2007-新しい平面の作家たち(上野の森美術館・東京)では“佳作賞”を受賞。2012年、新鋭各賞受賞作家展「New Contemporaries」(京都市立芸術大学ギャラリーアクア・京都)等に出品。パブリックコレクションとして,京都大学(京都)、京都市立芸術大学(京都)に作品収蔵。

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