日下部一司「型」 Kazushi Kusakbe

 

 

重力風景・3
60.0
×60.0×2.0cm 和紙にインクジェット印刷、他 2013

ガラスの空間

43.0×28.0×21.0cm ガラス、木、鉄、他 2013

(右)色面を包む四角形

41.3×31.0×2.5cm 鏡にウレタン塗料、鉄 2013

(左)四角形を作り上げている線分

92.0×75.0×4.0cm 木製パネルに塗料 2013

横縞の五角形

35.0×37.0×7.0cm 綿布にウレタン塗料 2013

(上)相似形静物・A

42.0×35.0×2.3cm ガム印画 2013

(下)相似形静物・B

53.0×53.0×27.0cm 木・瓢箪 2013

林檎・B

60.0×60.0cm ガム印画 2013

(左)重力風景・A

85.0×60.0×2.0cm 紙にオフセット印刷、アクリル額 2013

(右)重力風景・B

85.0×60.0×2.0cm 紙にオフセット印刷、アクリル額 2013

つじつまを合わせる

5.0×32.0×12.0cm 陶、鉄箸 2013

重力を見つめる

33.0×33.0×15.0cm ブリキのコップ・銅・鉄 2013

重力風景・1

60.0×60.0×2.0cm 和紙にインクジェット印刷、他 2013

重力風景・2

60.0×60.0×2.0cm 和紙にインクジェット印刷、他 2013

直角をなぞる

76.0×80.0×15.0cm 鉄 2013

 

 ■日下部一司 コメント  [Artist Statement]

古い作品に手を加え、いま新たな視線で眺めてみたいとかねてより思ってきた。ところが、思っただけで実際はきちんとやっていない。変化の可能性を感じるものが無いこともあるけれど、手を加えようにもシステムとして閉じてしまった作品も多いからだ。たとえば版画作品などは刷り終えた段階でもう手がつけられない。写真作品もそうだ。出発の地点でもう今の自分の居場所と違うものもある。それでもあきらめられずに、新作を作るときにはいつも「古い作品に手を加える」ことを考えてしまう。

欠けた茶碗を継ぐと、もとの茶碗とは違った美しさを感じさせるものに変化する。実用品の持つ特異な性質だと思う。工芸品の強さはたぶんこのように変化しながら新たな価値観を生み出す点だと思う。面白いと思う。道具としての機能は損なわないが、その存在感がまったく別のものになってしまうことが面白いのである。

自分の持っているくせのようなものだと思う。ある基本の型を意識し、それを少しいじるのである。「型」とは、ものの形であり、重さと触覚であり、考え方であり、所作であり、時間経過の様子だと思っている。そのことに改めて注目しいくつかの作品を用意してみた。

 ■略歴  [Artist Biography]

1953年、岐阜県生まれ。1976年、大阪芸術大学芸術学部美術学科版画専攻卒業。1975年、ギャラリー射手座(京都)にて個展を開催。以降、信濃橋画廊(大阪)、シティギャラリー(神戸)、ギャラリーココ(京都)、ウエストベスギャラリー・コヅカ(名古屋)、サイギャラリー(大阪)、The Third Gallery Aya(大阪)、Oギャラリーeyes(大阪)、伊丹市立工芸センター(兵庫)、京都造形芸術大学芸術館(京都)、ギャラリーヤマグチクンストバウ(大阪)等で個展を開催。その他、京都市美術館、東京都美術館、ブラッドフォード美術館、リュブリアナ美術館、岐阜県美術館、ウオーカーヒルアートセンター、姫路市立美術館、兵庫県立美術館等、国内外の美術館で開催されたグループ展やアートフェアに多数出品。

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