●CAUSE ON THE SURFACE �W

■展覧会趣旨［Purpose of Exhibition］　

絵画と呼ばれるメディアの表面には、主題となる対象やイメージといった像と共に、絵具を重ねるという素材を操作する作家の身体性が痕跡となって、その造形性を表します。素材における効果の類は、油彩画における乾性油特有の艶のある表面から、石油化学の発達により製造されてきた合成樹脂塗料による多彩なテクスチャ、また描画材以外にも様々なかたちで現代的な素材が絵画に登場する等、時代と共にその種類も豊富となりました。こうした絵画における物質的な表面の在り方が多様化している現代において、作家はどのような意義を見出しながら、素材を介してイメージを存在させるという行為に到っているのでしょうか。本展はそれぞれの作品に描かれている対象と物質的空間、概念性に伴った非物質性との関与を背景に、その表面から汲み取れる作家の感覚に迫ります。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｏギャラリーｅｙｅｓ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

●大津安以　Ai Ohtsu

名前（安）

45.5×38.0cm　カンヴァスに油彩、油性ペン　2014

3人？（声）

72.2×72.2cm　カンヴァスに油彩、油性ペン、タックス　2014

1人？（重なる）

41.0×31.8cm　カンヴァスに油彩、油性ペン、タックス　2014

3人？（髪型）

80.3×100.0cm　カンヴァスに油彩、油性ペン、タックス　2014

3人？（出会う）

100.0×72.2cm　カンヴァスに油彩、タックス　2014

見つけた

53.0×45.5cm　カンヴァスに油彩、油性ペン　2014

　■大津安以　コメント [Artist Statement]

ふと、『ドッペルゲンガーに3人会うと死ぬ』という迷信が気になった。

迷信だから医学的なことや数学的なことはさておき、なぜ死ぬのか？なぜ3人なのか？とかいろいろ疑問が浮かんだ。

しかし、中でも一番の疑問があった。

『なぜ“自分の分身”だと分かったのか？』

顔だろうか？名前だろうか？声だろうか？仕草だろうか？

そもそも“分身”ならそれは3人と数えられるものなのだろうか？

自分という“１人”の定義ってなんなのだろう。

そんなことを考えながら、

1つの木枠、1枚のキャンバス、絵具1色1色と、向き合った。

1枚の絵は、支持体があって、描かれるイメージがあって、1つの物として存在している。

本当に人によく似ていると思う。

■略歴 [Artist Biography]

1991年、大阪府生まれ。2014年、京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業。2011年、151人展（art gallery そら・大阪）。2012年、FREE&DAMN！（京都市立芸術大学アトリエ棟・京都）、アパート;403（京都市立芸術大学講義棟・京都）、KURUKURU展（阪急百貨店うめだ本店・大阪）。2013年、つながる展（Gallery Ort Project・京都）、ナイマゼ展（京都市立芸術大学アトリエ棟・京都）、トゥールビヨン11（Oギャラリーeyes・大阪）、静寂の鐘（京都市立芸術大学大ギャラリー・京都）。2014年、コロニー7（京都市立芸術大学大ギャラリー・京都）、京都市立芸術大学作品展（京都市美術館・京都）、人間展（金沢21世紀美術館・石川）に出品。

●大田原桜子　Sakurako Ohtawara

slip

91.0×91.0 cm　カンヴァスに油彩　2014

浅い夢

91.0×91.0cm　カンヴァスに油彩　2014

頼ってプリーズ

146.0×134.0cm　カンヴァスに油彩　2014

object 1

30.0×30.0cm　カンヴァスに油彩　2014

object 2

30.0×30.0cm　カンヴァスに油彩　2014

隙のある

51.0×51.0cm　カンヴァスに油彩　2014

越えて

50.0×50.0cm　カンヴァスに油彩　2014

　■大田原桜子　コメント [Artist Statement]

木炭、墨汁、鉛筆などを用いたドローイングによって自身から生まれた形を画面上に移し、絵画空間をつくることをコンセプトに平面作品を制作しています。

絵具の物質感などの表面的な要素に興味を持ち、絵具同士のぶつかりあいによる境界や筆跡、画面上での混色によってどこか奇妙な空間と、その中にある塊のような「もの」との動的な関係性を探ります。また形から具体的なものを連想すること、重力や光を感じることでより簡潔でありながら明快な関係性を持つ画面を目指しています。

　■略歴 [Artist Biography]

1991年、兵庫県生まれ。現在、京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻に在籍。 2013年、京都市立芸術大学作品展 (京都市美術館•京都)、ユガイチ1/4 (京都市立芸術大学•京都)、ユガイチround2 (京都市立芸術大学•京都)、ユガイチround3 (京都市立芸術大学•京都)、油画専攻前期展 (京都市立芸術大学•京都)。2014年、油画専攻有志展 14 (京都市立芸術大学•京都)、京都市立芸術大学作品展 (京都市美術館•京都)、ノックは3回 (京都市立芸術大学•京都)、油画専攻前期展 (京都市立芸術大学•京都)に出品。

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