中岡真珠美 Masumi Nakaoka

 

passing note -原爆ドーム甲-

36.0×36.0cm×25枚 紙にアクリル絵具、他 2013

passing note -原爆ドーム乙-

36.0×36.0cm×25枚 紙にアクリル絵具、他 2013

passing note -原爆ドーム2-

36.0×36.0cm×28枚 紙にアクリル絵具、他 2013

passing note -原爆ドーム2- (部分)

snap -原爆ドーム1-

36.0×36.0cm 紙にアクリル絵具、他 2013

snap -原爆ドーム2-

36.0×36.0cm 紙にアクリル絵具、他 2013

snap -原爆ドーム3-

36.0×36.0cm 紙にアクリル絵具、他 2013

snap -原爆ドーム4-

36.0×36.0cm 紙にアクリル絵具、他 2013

 

 ■中岡真珠美 コメント [Artist Statement]

Are you free?

 昨年に引き続き、原爆ドームを描く為に広島へ行った。日本の風景のひとつとして原爆ドームを描きたい、その思いからだ。

バスを降りると早々にドームが見えた。カメラを構えながら私が考えていたことはだいたい次のようなことだ。

・象徴としての原爆ドーム、あるいは記号性はどのような文脈においても意味ががらっと変わるということはないよなぁ。

・でも、日本にある風景で、日本人が共通知識をもっている場所で、絵画的に興味深い構造のモチーフを描くことを避けるということは、結果、問題の生じるところに触れずに済む選択をするようになってしまう。

・その歪みは鈍化を増長する。それはだめだよねぇ。

そんなことを考えながら撮影を続けていると、唐突に、「アー ユー フリー?

」。子供の声だった。振り返ると、社会見学だろうか黄帽を被った小学生5、6人が観光客らしき中年の外国人を取り囲んでいた。「アー ユー フリー?」再び男子小学生の問い。その西洋人男性は戸惑いながら「I'm a tourist.」とゆっくり聞き取りやすく返答していた。小学生たちは相手に敵意がなく、コミュニケーションの意志があることを察知するやいなや、班の全員が口々に同じ言葉を口にした。「アー ユー フリー?」男性の観念したかのような「Yes.」の後、新たな質問攻めが始まった。

ふと気付くと、同じ帽子を被った小学生のグループが同じように外国人を囲んでいる島があちこちに見えた。どうやら小学校の社会見学の課題で、外国人観光客に質問することというのがあり、必ず最初に「Are you free?」と聞き、相手から承諾を得て質問をすること、という決まりらしい。

初夏を思わせる晴れた日に、原爆ドーム公園には「Are you free?」がこだましていた。

 Are you free?」唐突に、印象に残る問いかけだ。

 ■略歴 [Artist Biography]

1978 京都府生まれ
2002
 京都市立芸術大学美術科卒業
2004 
京都市立芸術大学大学院美術研究科修了
    第19回ホルベイン・スカラシップ奨学生
 
・個展
2004
 Oギャラリーeyes(大阪)
2005
 project N(東京オペラシティアートギャラリー・東京)
     Oギャラリーeyes(大阪)
2006 
Oギャラリーeyes(大阪)
2007
 Oギャラリーeyes(大阪)
2008
 INAXギャラリー2(東京)
     第一生命南ギャラリー(東京)
     Oギャラリーeyes(大阪)
2009
 view point(アートフロントグラフィックス・東京)

Oギャラリーeyes(大阪)

2010 Oギャラリーeyes(大阪)

     Margin of Landscape(アートフロントギャラリー・東京)

2011 Oギャラリーeyes(大阪)

     柔らかな楕円形を求めて

(アートフロントギャラリー・東京)

2012 Oギャラリーeyes(大阪) 

     錯誤:Parapraxis(アートフロントギャラリー・東京)

 

・グループ展
2003
 ART CAMP in CASO(海岸通ギャラリーCASO・大阪)
       トゥールビヨン(Oギャラリーeyes・大阪)
        ART UNIV.2003(大学コンソーシアム京都・京都)
2004 
神戸アートアニュアル2004「トナリノマド」

(神戸アートビレッジセンター・神戸)
     UI Wang 国際プランカードアート2004(イワン市Pegun湖岸・韓国)      
     Unnatural 2(Oギャラリーeyes・大阪、Oギャラリー・東京)
2005
 第1回倉敷現代アートビエンナーレ・西日本

倉敷市立美術館・倉敷)
     TAMA VIVANT2005 美術・そのひろがる輪郭

(多摩美術大学・東京、みなとみらい駅コンコース・神奈川)
2006
 DrawingExposed essence(Oギャラリーeyes・大阪)
2007  VOCA
2007 現代美術の展望-新しい平面の作家たち

(上野の森美術館・東京)
2007
 International Exchange ProjectJapanese Young Artists TRIAL in  

Painting”(Modern Culture Center・韓国)
       The garden of the ray 3(Oギャラリーeyes・大阪)
2009 
スタンダード ジャパン エディション(Oギャラリーeyes・大阪)
          
ヨッチャンの部屋vol.4 アトリエの音楽展(OZCギャラリー・大阪)

2010 FLATLAND京都市立芸術大学ギャラリーアクア・京都)

2011 新緑とともに<絵画散歩>(アートフロントギャラリー・東京)

     Shoes Box−ヨッちゃんビエンナーレ2011

(中之島デザインミュージアム de sign de >・大阪)

2012 新鋭各賞受賞作家展「New Contemporaries

(京都市立芸術大学ギャラリーアクア・京都)

 
・受賞
1回倉敷現代アートビエンナーレ(準グランプリ)
VOCA
2007現代美術の展望-新しい平面の作家たち(佳作賞)
 
・パブリックコレクション
京都大学
京都市立芸術大学
 
・参考文献
岡部あおみ、加藤義夫、中井康之:「第1回倉敷現代アートビエンナーレ・西日本」カタログ(審査員概評)
飯田志保子:「中岡真珠美」東京オペラシティアートギャラリー2005  個展リーフレット(テキスト)
茂木健一郎:「クオリア入門」(装画)
飯田志保子:月刊「美術手帖」20067月号(特集「ZERO ZERO     GENERATION NIPPONU」アーティスト・ファイル)
石井芳征:月刊「美術手帖」20071月号(アクリリックスワールド)
千葉淳一:「日本経済新聞」200731日夕刊(アート欄)
植松由佳:「VOCA2007」カタログ(テキスト)
宝玉正彦:「日本経済新聞」2008123日(文化欄)
渋沢和彦:「産経新聞」2009520日(文化欄)

  高樹のぶ子:「トモスイ」(装画)

  植松由佳:「中岡真珠美」アートフロントギャラリー 2011 個展リーフレット

(テキスト)

Oギャラリーeyes HOME