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●The 13th Anniversary Exhibition“+O”「kinema」 |
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■展覧会趣旨 [Purpose of Exhibition] |
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本展はOギャラリーeyes開廊13周年記念展として企画され、美術家と画廊が協力のもと展覧会のプランニングを行ないました。各美術家にはこれまでの表現の質を保ちながら、過去に触れることの無かったテーマの導入や、近年の作品に対する印象とは異なる方向でプランを考えてもらう等、これまでになかったイメージと鮮度の高さを感じさせる展覧会を目指して開催致します。このたびは日下部一司氏と田中朝子氏のふたりに作品制作を依頼し、キネマ(動画)という形式における「時間」の概念や制度を象徴的に扱い、静止画を連続的に投影させることにより生じる特有の映像空間を、プロジェクターを用いて壁に映写します。(Oギャラリーeyes) |
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kinema 49×70×68cm机、小型プロジェクター、DVDプレーヤー等 2012 |
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kinema 映像作品(15分) 2012 |
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非常口 5×15×8cm 木、アクリル樹脂にスクリーンプリント等 2012 |
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■日下部一司+田中朝子コメント【Artist Statement】 |
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「静止画と動画が内包する時間について」 画が動く、と書いて「動画」と読む。 その反対は静止画。 静かに止まる画と書く。 静かに止まる・・・なんと緩やかなイメージだろう。 高速シャッターで動かない被写体を写すのと、低速シャッターで動かない被写体を写すのとではその写真が内包する時間が違う。 1000分の1秒では1000分の1、1秒では1秒の時間の長さが記録されるはずだ。 では、動かない被写体を、三脚に取り付けたビデオカメラで1時間撮影するのと、1000分の1秒だけ撮影する のとでは基本的に何が違うのだろう。 つまりそれは動かない動画なのだが、動かない被写体を1時間見続けることと、1000分の1秒だけ「見続け
る」ことの違いしかないのだろうか。 今回の展覧会では、kinema(※)が持つ「時間」を象徴的にとらえ、音や色彩、匂い、温度、湿度、重力、触覚、記憶等、そういう身辺のさまざまなものを断片的に記録する画像を作ろうとした。 一枚一枚の静止画が無段階にずれていくことで動きが生じるように、断片的な映像が連なり何らかのメッセージを生んでいく・・・というそんなゲームを楽しもうとしただけかもしれないけれど。 ※kinema:kinematographの略。映画。活動写真。シネマ。 |
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■略歴【Artist Biography】 |
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・日下部一司 略歴 1953年、岐阜県生まれ。1976年、大阪芸術大学芸術学部美術学科版画専攻卒業。1975年、ギャラリー射手座(京都)にて個展を開催。以降、信濃橋画廊(大阪)、シティギャラリー(神戸)、ギャラリーココ(京都)、ウエストベスギャラリー・コヅカ(名古屋)、サイギャラリー(大阪)、The Third Gallery Aya(大阪)、Oギャラリーeyes(大阪)、伊丹市立工芸センター(兵庫)、京都造形芸術大学芸術館(京都)、ギャラリーヤマグチクンストバウ(大阪)、kunst-bau Tokyo(東京)等で個展を開催。その他、京都市美術館、東京都美術館、ブラッドフォード美術館、リュブリアナ美術館、岐阜県美術館、ウオーカーヒルアートセンター、姫路市立美術館等、国内外の美術館で開催されたグループ展やアートフェアに多数出品。日下部はこれまで、写真や使用感を感じさせる立体物を用いて、様々な角度から日常を捉え、そこに潜む様相や視覚における制度の問題等から価値を探るといった作品を制作。 ・田中朝子 略歴 1972年、大阪府生まれ。2003年、京都市立芸術大学大学院後期課程修了。2002年、Oギャラリーeyes(大阪)にて初個展を開催。以降、ノマル・プロジェクトスペースキューブ&ロフト(大阪)、BASE GALLERY(東京)、ギャラリーX(東京)、ギャラリーノマル(大阪)にて個展を開催。主なグループ展に、1998年、映像考/…(神戸アートビレッジセンター・神戸)。2005年、Independent-イメージと形式-2005(愛知県美術館ギャラリー・愛知)。2007年、版という距離(京都芸術センター・京都)。2007年、アルピニスト野口健からのメッセージ展—未来の子どもたちのために−(ギャラリーエークワット・東京)。2009 「余韻/響き」Hyun Gallery(ソウル)。2009年、Art Initiative Project Exhibition as
Media「drowning room」神戸アートビレッジセンター・神戸)2010年、plus(ギャラリー恵風・京都)等に出品。日々の生活の中での些細な錯覚(ズレ)を独自の視点から切り取り、写真、版画、立体など多様な媒体を用いて形へと置き換えて行く作品を発表。 |
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