5章 先進事例から学ぶ経験と教訓

5-1.野宿生活者の就労・自立支援の先進的取組みにおける経験と教訓 

(1)野宿生活者の就農・帰農への取り組み

 すでに民間諸団体の取組において紹介したように、野宿生活者2名の就農が実現し、現在兵庫県内での農作業に従事している。

 自立支援センター大淀で就農の希望が8名あったともいわれ(平成12年12月)、本調査における聞き取り調査(第2章参照)では「農山村への移住を希望する」と回答した人が約半数あった。

 こうした野宿生活者の就農・帰農の実現と可能性について、民間諸団体の取組を踏まえて整理する。

@「お米の勉強会」が発端

 すでに紹介しているように兵庫県下での就農の実現は、その発端は「お米の勉強会」にあった。会では、お米のことから勉強会が始まり、徐々に食糧問題や環境問題へと勉強会のテーマが広がり、人的ネットワークも拡大していった。そうした中から食べることに困っている野宿生活者に「食」を提供する活動がはじまり、人間的なつながりが広がる中で野宿生活者の「就労」が問題となり、「職」の斡旋につながっていったという。

 しかし、農村の皆が見知った中で、野宿生活者を受け入れることは受け入れ農家の篤志があってのことと、関係者の尽力の結果といえよう。

A農村は人手不足、都市と農村が手を結ぶ

 野宿生活者の就農が実現した直接の要因は篤農家や関係者の尽力の結果であるが、その背景には我が国の農村が置かれた矛盾が存在する。今日、我が国の農業は、その耕作面積を減少させ休耕田、荒廃した耕地が中山間地を中心に広がりつつある。これは農業の後継者がいなくなり、耕作者自身が高齢化している。そうした状況の中で、かつて村落内で行われていた作業の共同化等が困難になり、農作業に人手が必要となっている。

 新しい農業基本法の制定とともに、農業生産法人等の新たな農業経営体も生まれているいるが、前述したような深刻な矛盾を抱えているのが今日の我が国の農村であり、それは農村に留まらず、山村、漁村でも同様の問題を抱えている。

 こうした状況にたいして、「お米の勉強会」の代表は、「都市には職がなくて失業者があふれており、都市と農村が手を結ぶことで日本の農業を再生できないだろうか」と話している。


(2)野宿生活者の就農・帰農とリンケージする「職」開拓の可能性

 民間諸団体の中では現在食品の生ゴミリサイクルの取り組みも試行されている。平成13年4月から食品リサイクル法が施行される予定であり、一定規模の事業所は生ゴミのリサイクルが義務づけられることになり、各所でさまざまな取組が行われている。

 しかし、生ゴミリサイクルの場合、生成した生ゴミの利用先の確保が必要であり、生ゴミリサイクルでできた肥料を使ってくれる農家が必要になる。

 生ゴミリサイクル事業そのものではプラント生産のため発生する雇用量は少ないが、肥料の利用先で野宿生活者が農作業に従事するとか、生産した野菜や果実、花卉等を直接販売する方法を採用すると、そこにまた新たな雇用が生まれる。

 あるいは、生産したモノを利用した食堂や飯店を開設すると、そこにも新たな雇用を生み出すことが可能となる。こうした農業を核とした就労のリンケージを創造できる可能性がある。

5-1.農業を核とした就労リンケージのイメージ


5-2諸外国における先進的制度および経験と教訓

(1)諸外国における就労・自立支援に関わる取組の概観

 第1章において諸外国におけるホームレス問題への対応状況を俯瞰したが、本節では諸外国における就労・自立支援の取組に焦点を当て、その特徴や、今後、野宿生活者の就労・自立支援を行っていく上で教訓となるべき制度や経験についてふれる。

 まず、韓国は2000年1月に「国民基礎生活保障法」を施行し、従来の生活保護法だけでは対応できなかった階層も視野に入れ、最低生活保障の給付に留まらず自活の支援と予防措置的対応を図ることを明確にした点で画期的といえる。後段では韓国の自活支援事業について詳しく紹介する。

 同様の観点でいえば、イギリスのブレア政権が打ち出した「Social Exclusion Unit」やフランスの「社会的排除に抗する法」もホームレスだけでなく社会全体の貧困層への対応と貧困層をつくらない予防措置までを視野に置いたところに先駆性があるといえる。

 しかし、韓国や欧州諸国、アメリカにおけるホームレス問題への対応では、それぞれに若干の違いが見られる。韓国では「国民基礎生活保障法」に基づき政府・公共体主導の取組といった面が見受けられる。一方、欧州やアメリカでは非営利団体や企業体のホームレス支援活動を政府や公共体がバックアップするといった形態になっているように見受けられる。

 フランスとアメリカについては、非営利団体等のホームレスの就労・自立支援の取組を中心に紹介する。 


(2)韓国

  1)自活事業の必要性と性格

  (勤労能力を持つ生計保護対象者の自活意欲の増進)

 国民基礎生活保障法では勤労能力を持っていても所得と財産が基準以下であり、扶養義務者も経済的な能力を持っていない場合生計費を支援する。しかし、勤労能力者に生計費を支援する場合、福祉依存心理が生じ、自活意志が弱化されるという問題点が発生する可能性がある。

 従って生計保護対象者の中で勤労能力があり、世帯の条件上勤労が可能な者には条件付受給者として指定し、就業を促進したりボランティア等を通じて社会的に寄与できるように支援する必要がある。また、その過程でなるべく早期に生計保護より脱皮できるよう支援する。

(予備軍層に対する体系的な自活支援)

 最低生計費以下の貧困層ではないが、職場や所得機会が不安定な次上位階層(受給者のすぐ上の階層)は政府の体系的な自活支援を必要とする。とりわけIMF救済金融を受けた経済危機事態以降(以下「IMF事態」という。)、臨時・日雇い労働者が増えることによって生計の不安定な階層が拡大しており、それを放置する場合将来的に生計保護対象者が増える恐れがある。

 したがって次上位階層の中でも自活共同体に参加する場合、自活給与の対象者として選定し体系的に支援する。

  (二重の性格を持つ自活支援事業)

 自活支援事業は、勤労有能力者が生計給与に安住しないように条件を賦課し、求職活動、職業訓練等の就業努力と共にボランティア等の公益的な活動に従事するよう「強制」する側面と(自活支援の消極的側面)、それより大事な側面として受給者の自活意志と欲求を尊重し、積極的・体系的な自活プログラムを通じ「支援」することに重点を置く(自活支援の積極的側面)性格を持つものである。

 とりわけ、単純な勤労機会の提供ではなく、受給者世帯の生涯に渡る長期的な展望下における世帯別の自活支援計画を打ち立て、それに準ずる自活給与を提供するために努力すべきである。

  (自活支援事業は多様な地域社会資源の参加が必要)

 自活支援事業は、究極的に受給者世帯が自立できるように支援することに目的があるので、生計保護以外にも勤労が可能な条件を助成する為の社会福祉サービス、就業関連サービス、創業支援等が同時に必要である。例えば、自活事業に参加するため保育・看病のサービス等が必要な世帯については社会福祉サービスを提供することを通して勤労できる条件を助成することが必要となる。

 したがって市郡区が雇用安定センター、自活後見機関、社会福祉館、市民団体等自活事業に参加できる機関・団体と協議体を構成し、共同で地域社会の不安定層に対する自活を支援するべきである。


  2)自活事業の枠組み

  @自活支援事業の手順

 全体受給者の中で勤労能力、世帯の条件、環境の変化等を顧慮し、勤労参加が可能な者の中で、現在本格的な勤労に従事していない者を条件付受給者(自活給与対象者)として選定する。

〇第1段階:勤労能力判定の後、勤労が困難な受給者は条件付を免除

〇第2段階:世帯内で就業困難な事情がある者、現在勤労または事業に従事し所得を得てい

      る者、環境の変化による適応過程にある者の場合条件付受給者から除外

〇第3段階:地域の状況が不安定であり、世帯内での事情により勤労活動に専念しにくい受

      給者、5―6級障害者は条件付を猶予

〇第4段階:世帯別自活支援計画の打ち立て

〇第5段階:自活事業参加及び条件遂行有無の確認

※市郡区が条件付受給者を選定し、世帯別自活支援計画を打ち立てた後、就業対象者は職業安定機関へ一括依頼し、非就業対象者は市郡区次元で自活支援を実施

 A自活支援方法

○条件付受給者の特性にふさわしい仕事の創出及び提供

〇就業斡旋・創業支援等を通じた再就業の促進

〇労働市場へ吸収されにくい階層の為に共同体型の創業活性化支援及び公益分野の自活公共勤労事業を施行

※共同で仕事をし、協同組合型で仕事をする形態、それによって仕事だけではなく一緒に仕事をする人の間でお互いに支えあえるような環境を作るのが基本的な概念である。

B不安定階層の自活能力及び自活意志の育成と促進

〇再教育及び職業訓練の強化

〇再活プログラム

〇保育・看病サービス等社会的サービスを拡大させ勤労に参加しやすいよう誘導

 C自活プログラムの種類

区   分

事業概要

就業斡旋

求職活動

・より深い相談を通じ、適する仕事の斡旋等を支援

インターン社員

・就業対象者に現場研修の機会を提供し、就業能力を強化すると共に速やかな再就業を支援

職業訓練

・就業可能性と職務遂行能力を高められるような体系的な職業訓練の実施

創業支援

自営業創業

・就業訓練及び資金支援を通じて自活能力を高める

共同体型創業支援等

・個人創業が困難な者に後見機関を通じて共同体型創業等を支援

自活公共勤労

・公益的な分野で就業機会を提供し、自活能力を高める

ボランティア

・社会奉仕・公益活動等の参加機会を与え、勤労意欲を維持させる

教育・相談(自活プログラム)

・勤労意欲を高めるための教育及び相談/心理相談及び治療


3)地域特性を踏まえた自活事業のあり方

 @大都市地域

(自活事業の需要及び施行の地域的条件)

〇自活事業に対する需要が高く、雇用・福祉・自活後見サービス等自活事業の施行に関連した公共・民間資源の分布が多様で、サービスの水準も高い。

〇日雇い労働者の就業機会が高く、積極的な雇用サービス提供の条件が整えられている。

〇保育及び在宅福祉サービス等、福祉サービスへのアクセスが簡単である。

〇民間委託公共勤労事業の遂行経験を持つ機関が多数存在し、地域内団体との協議・連携もある程度成り立っている。

〇しかし自活事業に対する需要は高くても、十分な自活サービス及び福祉サービス提供という面で限界がある。

(自活事業細部施行方案)

□基本方向

〇多様で豊富な地域福祉及び民間資源の参加を誘導

〇不足している自活事業の供給能力を考え、条件付受給者の世帯内地位を考慮して、自活支援事業の提供が優先される者を決定

※受給者が扶養家族のある家長(また、当該世帯唯一の勤労能力者)の場合、優先的に自活共同体、自活公共勤労事業等の職業能力向上及び所得支援に関連した自活事業への参加を提供

細部施行方案

類  型

細部分類

世帯内地位

自活事業施行方案

就業対象者

@健康な青年層

〇扶養家族がいる青年世帯主または世帯唯一の勤労能力者

就業斡旋、職業訓練

インターン就業プログラムを優先的に提供

〇その他世帯員として世帯の主な所得源でない者

就業斡旋、職業訓練

A就業及び創業欲求を持っている壮年層

〇扶養家族がいる壮年世帯主または世帯唯一の勤労能力者

就業斡旋、職業訓練、創業支援、失職者再就業プログラム、就業適応のための教育プログラム、就業待機中の公共勤労への参加機会、創業資金貸与等の優先的提供

〇その他世帯員として世帯の主な所得源でない者

就業斡旋、職業訓練、創業支援

非就業対象者

単純自活能力者

B自活共同体への参加機会の提供が必要な青年・壮年層

〇扶養家族がいる世帯主または世帯唯一の勤労能力者

後見機関等事業への参加

(供給不足時)(自活)公共勤労事業への優先的な参加

〇その他世帯員として世帯の主な所得源でない者

後見機関等事業への参加

(供給不足時)(自活)公共勤労事業、ボランティア

C労働市場への進出や創業が困難で、公共就業機会の提供が優先的に必要な壮年層

〇扶養家族がいる世帯主または世帯唯一の勤労能力者

(自活)公共勤労事業への優先的参加

(供給不足時) ボランティア

〇その他世帯員として世帯の主な所得源でない者

(自活)公共勤労事業への優先的参加

(供給不足時) ボランティア

自活能力が不足な者

D年齢・体力・機能上重労働の遂行が困難な者

〇扶養家族がいる世帯主または世帯唯一の勤労能力者

ボランティア

軽い労働中心の(自活)公共勤労事業

〇その他世帯員として世帯の主な所得源でない者

ボランティア

自活意欲が不足な者

E勤労能力はあるが心理・精神的に不安定な者

〇重症

再活プログラム、ボランティア

〇軽症

ボランティア

□就業対象者に対する支援

〇管轄下の雇用安定センターに依頼

−就業対象者を依頼された雇用安定センターでは条件付受給者個人に対する就業支援計画を打ち立てて支援する。

−保障機関は雇用安定センターの長より就業支援計画と条件提示の内容を受け、世帯別自活支援計画に反映・管理する。

非就業対象者に対する支援プログラム

区 分

自活共同体事業

自活公共勤労事業

ボランティア

B類型

−リサイクル用品収集及び販売共同体(リサイクルショップ)、廃棄パソコンリサイクル事業団

−家屋修理事業団、塗装事業団、建物清掃請負共同体

−看病共同体、家政婦共同体、洗濯共同体、料理配達共同体

−縫製共同体

−自活共同体(事業内容左に同じ)基盤助成のための事業

−飲食ゴミリサイクル事業

−零細企業支援事業

−森林の手入れ及び副産物を活用した公園助成等

−老人・児童・障害者福祉サービスの提供、福祉施設の手伝い

−電気製品修理活動

−青少年有害地域先導

−地域防犯ボランティア

−水害復旧・防疫

−災害現場支援活動等

C類型

 

 

 

−看病事業、保育サービス支援事業、老人無料給食支援、家事手伝い〔家政婦〕

−学校施設整備事業

−飲食ゴミリサイクル事業

−近隣公園助成、登山道整備事業

−公共施設整備

−学校給食補助

−開発制限区域の管理

−子供の遊び場の安全等管理

−青少年有害地域先導

−地域防犯ボランティア

D類型

 

 

−児童の放課後指導

−街路環境整備事業等

−児童の登下校保護

−環境浄化活動

−地域環境監視団、ゴミ分別収集監視団

−公共施設利用案内等

E類型

 

 

 

 

−児童の登下校保護

−環境浄化活動

−地域環境監視団、ゴミ分別収集監視団

−公共施設利用案内等

A中小都市地域

 (自活事業に対する需要及び施行の地域的条件)

〇就業対象者割合が比較的低く単純自活能力者に当たる受給者が多い。

〇公共・民間資源の分布が多様ではあるが、地域の経済状況が不安定で就業機会・職種等が限定的である。

〇賃貸住宅等を中心に社会福祉館が分布しているが、地域内福祉サービス需要に比べ非常に足りないのが実情である。

〇地域によって市民団体活動が活発に行われているが、福祉または自活事業に対する認識及び事業経験は少ない。

 (自活事業細部施行方案)

□基本方向

〇個人別就業支援計画による職業能力向上支援と共に地域内及び近隣地域の求人確保等労働市場の発掘が必要である。

〇地域社会内で影響力を持っている宗教団体・市民社会団体等を地域自活機関協議体へ参加させるようにし、自活事業に対する地域社会各分野の直接的・間接的支援を誘導する。

 □細部施行方案

〇受給者の類型別自活事業施行方案及び支援プログラムは大都市の場合に準ずるが、地域福祉サービス提供の条件が比較的劣悪なことを考慮し、保育・放課後指導・看病等福祉サービスに関連した事業を中心的に推進する。

〇入所施設が設置されている地域では福祉施設の環境整備等のボランティアを実施


 4)自活プログラム…自活公共勤労事業

 @自活公共勤労事業の趣旨と性格

〇労働市場において安定的に就業しにくい長期失職者、女性家長等に教育・環境・社会福祉等公益的分野の仕事(自活公共勤労)を創り、勤労機会を提供する。

−無料看病人、森林の手入れ、低所得層への家屋修理等、失業対策公共勤労事業のなかで自活促進事例を中心に公益的な仕事を開発し発展させる。

〇条件付受給者が自活公共勤労に参加することによって勤労への参加機会を得、その過程で機能の習得が出来るようにする。

−自活意思がある条件付受給者の最も大きい欲求は就業機会を得ることだが、現実的に安定的な就業及び創業機会は得にくい。

−従って自活公共勤労は労働市場再進出の前に職業能力を開発・維持出来るよう、公共の資源で仕事を創ることが重要である。

 〇自活公共勤労は、条件付受給者の自活支援計画を基に施行されるという点で、これまでの公共勤労事業とは区別される。

区   分

公共勤労

自活公共勤労

政策対象

・貧困線以上の低所得(長期)失職者

・貧困線以下の生計保護対象者の中で勤労有能力者

主な政策目標

・失職者所得の提供及び勤労機会の提供

・自活促進のための勤労意欲を高める効果

政策の持続性

・臨時及び一時的

・自活事業の一部として継続的に実施

管理方式

・個人別管理(ただ、世帯当たり2人以上は不可)

・世帯単位管理・相談並行

伝達体系

・国家・自治体が施行主体

・部分的に民間委託

・民間委託を拡大

・第3セクター方式で運営

  A自活公共勤労事業の施行方案

(公益分野の選定)

−形式的な選定というよりは地域社会の必要に準じ、実際に役立つ分野を発掘する。

−低所得階層の福祉を高められるような分野を中心に実施することによって、参加者自らがやりがいを持つことができるように考慮する。

−これまでの公共勤労事業及び自活共同体の経験を通じ、適当な事業を開発できるように自治体レベルでも努力する。

〇参加者の職業能力を維持・開発することに中心を置く。

−自活公共勤労が一時的な仕事の提供に止まらず、参加者の欲求と職業経歴を考慮し長期的な自活目標に結びつけられるようにする。

−従って自活公共勤労事業参加過程で、職業訓練及び創業準備効果を得られるようにプログラムを運営する必要がある。

 〇自活共同体と連携し、自立基盤を助成出来る事業を進める。

−自活後見機関が施行する自活共同体事業に参加するための前段階として自活公共事業を活用することも望ましい。

※例:看病人共同体等に参加する前段階として貧困家庭に無料で看病人を支援する自活公共勤労に一定期間参加することも可能である。

〇地域資源との連携に重点を置く。

−自活公共勤労は必ずしも政府の予算範囲内でのみ施行されるのではない。

−自治体が予算事業として施工する歩道ブロックの張替えや障害者施設の改修等の小規模事業に条件付受給者を参加させる事により、職業能力開発を促進することが出来る。

−また予算とは別の自活公共勤労予算で施行される場合にも一般予算事業と連携することによって事業の効率性を極大化できる。

※例:街の路上舗装事業等の場合資材費は一般予算で支払い、自活公共を活用し人件費を節約できる。

−事業発掘過程で民間部門の意見を積極的に反映し、地域社会で必要とされる事業になるよう注意する。

−なお民間の後援や支援を誘導し地域資源が全般的に活用されるように推進する。

※例:自活公共勤労事業を通じ地域内の社会福祉施設改善作業を実施する場合、政府の予算外に民間の寄付金や後援金等も活用可能である。

〇民間団体(自活後見機関も含む)への委託を原則として施行する。

−自活公共勤労は従前の公共勤労で提起された形式的な運営や時間つぶし式参加を防ぎ、各個人の自活を促進できる方向で運営されるべきである。

−ただ地域的条件上自活後見機関がなく、あるとしても事業能力が乏しい場合、社会福祉館、失業克服団体等の民間団体に委託運営することが出来る。

−その場合参加団体の責任性や能力等を地域自活機関協議体で点検し、定期的なモニタリングを通じ事業目的どおり運営されているか把握する必要がある。

     2001年中に自活後見機関を130個追加設置する予定なので民間団体の活動参加実績は後見機関選定において重要な考慮事項になる。

  B自活公共勤労の類型別施行方案

(環境分野での手伝い)

森林手入れ及び副産物加工(推薦事業)

〇事業内容

−山火事防止及び火災時の進入に役に立つような林道設置事業の実施

−天然林及び人工林の保育

−経済林中心の樹種改良

−森林手入れによる副産物の加工及び販売

−住民の山林利用施設の整備(登山道の階段や補助ロープの設置、薬水汲み場の整備、簡易運動施設設置)

−山火災防止活動

※事業過程で野生動物不法捕獲装置を発見した際に除去及び収去

〇類似事業の経験及び評価

−森林手入れ事業は公共勤労事業の一環として全国的に実施され、雇用創出及び山林整備において非常に効果的だったという評価を得ている。

※森林手入れ公共勤労事業実績:1998(548億ウォン、4万ha)1999(1766億ウォン、12ha)2000(計画、1590億ウォン、10.7ha)

−管理人の力不足及び非計画的な山林整備が問題点として指摘される。

−民間団体を中心として自活営林共同体の議論が活性化されることによって民間部門の支持と参加を期待することが出来る。

 〇主対象

−間伐及び枝切り:3040代男性

−副産物加工:50代男性、女性

※森林手入れ過程を通じ林業技術を身につけて自立しようとする者を優先的に採用する。

 〇各主体別役割

−市郡区:森林手入れ事業を直接施行し、自活後見機関(或いは自活営林共同体)へ事業を委託する。

   ・山林庁に事業参加対象者を推薦する。

・自治体レベルの「森林手入れ基本計画」を打ち立てて地域内山林手入れ事業を計画的に施行する。

−山林庁:森林手入れ事業を直接施行し、自活営林共同体(或いは自活後見機関)へ事業を委託する。

−民間団体:森林手入れ事業の必要性と意義を宣伝(例:生命の森国民運動)

   ・森林手入れ事業を自活事業活性化の次元で推進(自活営林共同体協議会設立)

 〇地域別実施方法

−大都市:近隣公園の便宜施設設置(登山道及び散歩路の整備、ベンチ、体育施設の整備等)

   ・開発制限区域内の緑地保存事業

・対象者数に比べ作業可能な山林が不足する場合は隣の自治体と協力して事業を推進する。

     首都圏都市の場合は隣の自治体と協力して開発制限区域内の緑地整備事業行うことが可能である。

−中小都市及び農山村:地域内山林を直接管理し、山林庁と協議して国有林整備事業を実施

・木材破砕機を利用してノコクズを生産し、畜産農家の放牧場に敷くなどして使用する。また、畜産廃水汚染の防止及び一般農家の作物栽培用の堆肥として無料で供給することにより付加価値を極大化できる。

 〇留意事項

−単純な勤労機会の提供という観点よりは営林技術者の養成側面に留意する。

−自活営林共同体への委託事業を年次的に拡大し、公共勤労期間が終わった後は自活ができるよう支援する。

飲食ゴミ再活用事業

〇事業内容

−飲食ゴミを分別収集して飼料化ないし堆肥化する。

     事業過程で飲食ゴミ再活用事業団を設立し、定着できるよう誘導する。

〇類似事業経験及び評価

−ソウル北部失業者事業団等では公共勤労事業の一環として政府によってゴミの減量化が義務づけられている事業場以外の小規模食堂で飲食ゴミを収集、分類し農家に飼料として供給している。

−ノウォン区の場合民間協議体を構成して飲食ゴミ再活用事業に関わる地域的な共同取り組みを行っている。民間協議体には環境関連社会団体、住民代表組織、失業者組織等が参加している。

−仁川(インチョン)失業克服運動、全州(ジョンジュ)自活支援センター等でも公共勤労事業民間委託として飲食ゴミを収集し鴨を飼育している。(直接飼料化方法)

−飲食ゴミ飼料化方案は@直接飼料として再使用、A堆肥化、B熟成後飼料化等があるが、それぞれ長・短所があるので自治体の条件によって適切な方法を選択すべきである。従ってあらゆる自治体で飲食ごみ収集と直接飼料化方法を採択することは難しい。

〇主な対象

−40代男女

     特別な機能を持っていなくても事業参加が可能であるが、自活共同体の「再活用事業団」等に参加し自立を図っている者

 〇各主体別役割

−市郡区:自活後見機関に人件費を含み事業を委託し、家庭や飲食店から収集料を徴収して

 それに充当させる。ただ、徴収した費用が必要費用に足りない場合、自活給与予算で補填

 する。

−自活後見機関(自活共同体):市郡区の委託を受け自活支援対象者を雇って飲食ごみを収集する。また、収集されたゴミを飼料として販売し、鴨の飼育等に活用することで別途収入を確保する。

〇地域別実施方法

−大都市:マンション等が密集していて飲食ゴミの収集がしやすいため管理所・婦女会等と

 協議しながら事業を推進

     義務減量化対象事業場以外の小型食堂等も集中収集の対象

     ただ、大都市は農家が遠いため需要先の確保に留意

−中小都市:マンション団地等で制限的に収集し、隣の農家と連携して実施する。

 〇留意事項

−飲食ゴミ再活用のために収集体系を整備すべきである。

−再活用技術に課題があり(塩分濃度の低減方案等)、直接家畜飼料として活用する場合家畜が死ぬ恐れがある。従って地域実情に合うような慎重な飲食ゴミの再活用方案が打ち立てられなくてはならない。

−再活用した飼料や堆肥を使用する農家との連携体系を確立することが必要。

 (家事手伝い)

低所得家庭への看病支援(推薦事業)

〇事業内容

−低所得重症患者(痴呆、中風、重症障害者等)の家庭や病院へ訪問し看病する。

−寝たきり独居老人に対する看病及び日常生活の支援。

     低所得家庭看病支援を社会福祉サービスの一部として体系化する。

 〇類似事業経験及び評価

−ソウル・ノウォン自活支援センターでは特別就労事業を活用し、ノウォン区近辺の貧困家庭に看病人を派遣して良い評価を得ている。

 〇主対象

−3040代の健康な女性

〇各主体別役割

−市郡区:看病支援対象者の選定及び自活後見機関への依頼。

−自活後見機関:必要な場合は看病人事業団を構成/看病の教育/看病サービスの派遣及び管理

〇地域別実施方法

−大都市:貧困層密集地域(永久賃貸住宅等)を中心に配置/入院患者に対するサービス支援

−中小都市等:巡回サービスの提供

 〇留意事項

−地域内無料看病の需要に能動的に取り組めるよう、対象者及び支援者を把握

−看病は専門性が求められるので事前に十分な教育を実施することが必要

不安定な家庭への支援(推薦事業)

〇事業内容

−独居老人や少年少女家長、障害者等が自立的に生活できるよう掃除、洗濯等を支援する。

−不安定な家庭の未成年子女の放課後生活指導

−欠食児童や老人への食事提供

 〇類似事業経験及び評価

−フード・バンク事業が給食に関しては全国的なネットワークを構築して展開しているが、それに不安定な家庭の日常生活への支援が伴えば効果をより極大化できる。

 〇主対象

3040代女性

 〇各主体別役割

−市郡区:家事手伝い支援対象者の選定及び自活後見機関や地域社会団体へのサービス依頼

−自活後見機関:手伝いサービスの支援及び管理

(宗教機関、福祉館等)地域社会団体:人手が必要な家庭を見つけ、自活事業参加者の力を借りて総合的な家庭支援を行う/必要に応じた手伝いサービスの支援及び管理

 〇留意事項

−不安定な家庭に対するサービス支援が、多様な福祉資源を総合的に連携させる過程として位置付けられるようにすべきである。

−地域社会団体等に依頼する場合人材の管理に留意

−一般ボランティアとの関係を定立

(地域での手伝い)

不安定階層の家屋修理及び地域環境総合サービス(推薦事業)

〇事業内容

−低所得層に対する家屋修理及び点検

     家屋修理(出入口、ドア、床、窓等)

     練炭によるガス漏れ検査

     塗装及び床の張り替え

     電気施設補修(漏電検査、ヒューズ等交替)

     ボイラー修理

     生計保護対象者の内、持ち家の人に対しては住居給与(家屋修理費用支給)の代わりに修理サービスを提供

−社会福祉施設等に対する修理支援

−地域内障害者の通行路及び利便施設(トイレ等)の設置

−空いた土地を利用したポケットパーク助成及び樹木植栽

 〇類似事業経験及び評価

−多くの自治体で公共勤労事業の一環として家屋修理事業を施行した結果良い反応を得た。

−職業訓練次元で塗装等に対する機能を教育した後、家屋修理作業に投入することで機能を向上させることが出来た。

−特に基礎生活保障法上の住居給与に代わって家屋修理サービスが提供されることにより、給与制度の充実化が可能になった。

−公共勤労事業の一環として多くの自治体で障害者利便施設の設置及び小公園(ポケットパーク)助成事業が実施された。

〇主対象

−建築及び土木事業参加経験を持っている30代以上の男性

−塗装等の技術を持っている女性(或いは塗装技術を学びたい女性)

 〇各主体別役割

−市郡区:自活参加者を自活後見機関に依頼/家屋修理対象者及び施設を推薦または依頼(住居給与の対象)/家屋修理に必要な資材等の確保

     住居給与の一環として支給する場合必要な費用等は別枠で確保

−自活後見機関:家屋修理事業団を運営し、市郡区が推薦或いは依頼した対象者及び施設に

 対して修理サービスを提供する/後見人を連携し、一般低所得家庭の家屋修理に必要な資材

 費等を調達/家屋修理事業団の活動過程で共同体方式の小規模建設業体の設立を支援

 〇留意事項

−作業に効率性を高めるために専門技術を持っている者23人が作業団に含まれるようにすべきである。

−作業に必要な資材費等の予算確保


 5)自活プログラム…自活共同体事業

 @自活共同体の趣旨と性格

〇自活共同体は独自的に創業する能力を持っていない不安定階層者が共同に創業及び自活出来るように「自活後見機関」等を通し支援する事業である。

     自活後見機関がない場合は、社会福祉館、民間失業対策組織、その他宗教・社会団体等が自活公共勤労の民間委託を活用し、自活共同体として発展させることが可能である。その場合自活後見機関の追加指定の際優先的に反映される。

〇自活共同体は業種選定から技術、経営指導まで体系的に一貫性を持って推進されるべきであり、特に設立および運営の過程において公共部門の支援が必要である。

〇自活共同体に対する支援方法は次の通りである。

−自活公共勤労及び公共勤労を活用した人件費の支援

     自活公共勤労の推薦事業と自活共同体事業が重なっている場合が多い。それは自活公共勤労が長期的に一般市場で独立可能な分野を中心に選定するからである。

−自活後見機関は自活のための情報提供・相談・教育及び技術・経営指導を担当

−保障機関は事業資金の融資(生業資金融資を活用)と共に、事業基盤の準備及び活性化のために次の支援が可能

     国公有地の優先賃貸

     国家または地方自治体が実施する事業の優先委託

     国家または地方自治体が調達、購買する際、共同体の生産品を優先的に購買

〇自活共同体は基本的に自活後見機関が担当し支援はするが、それはあくまでも技術及び経営管理であり、より実質的な支援は地方自治体を通じた優先委託、優先購買等実際に経営の活性化を促進できる分野において実施されるべきである。

〇なお、地域社会の条件に適合する方法の支援策を講じ、不安定階層が集団的に自活していくようなきっかけを作るために努力する必要がある。

A自活共同体事業の施行方案

〇条件付受給者の内、本人の要求および客観的な状況を考慮し自活共同体への参加が適当だと判断される場合自活後見機関に依頼する。

〇後見機関は依頼を受けてすぐ自活共同体へ参加させるのではなく、類似する分野の自活公共勤労事業に参加させることによって適応可能の有無を判断してから必要な機能訓練を実施するのが望ましい。

〇一定期間の自活公共勤労事業参加を通じて創業のための準備が整えられたと判断されたら2人以上のグループを構成し創業を推進

     自活共同体の設立及び支援要件

〇組合または付加価値税法上の2人以上の事業者として設立

〇保障機関または自活後見機関より支援を受けられるような自活共同体としての要件

−構成員の内、受給者が1/3以上の自活共同体

−構成員の内、受給者または受給者のすぐ上に当たる階層が2/3以上の自活共同体

〇例外的な支援事由

−保障機関または自活後見期間の支援を受けていた自活共同体が構成員の変動のため支援が打ち切られ共同体の存立が厳しくなった場合、次の条件に該当する共同体については3年の範囲内で継続支援が可能である。

     構成員の中、受給者が1/5以上の自活共同体

     構成員の中、受給者又は受給者のすぐ上に当たる階層が1/2以上の自活共同体

〇自活後見機関は共同体創業の後、持続的な情報の提供、資金支援の斡旋、経営及び技術指導等を通じ構成員が早期に自活出来るように支援する。

B自活共同体の事例

〇これまで韓国では「生産者協同組合」の性格を持つ自活共同体が多角的に模索されてきた。

〇それらの大部分は貧困層密集地域で低い技術、少ない資本で創業できる分野を選定し「協同組合方式」の共同体を形成してきた。

     例:〔編訳者注〕

−縫製工場:ナヌム〔分かち合い〕物産、オッヌリ共同体等

−家屋修理建設屋:マポ建設、クリム・カットゥン・ジプ〔絵のような家〕

−弁当配達業:ハンソッパ〔共同運命体〕

−洗濯業:アルンダウン・セタク・ナラ〔美しい洗濯の世〕

−清掃請負業:ヌルプルン・サラムドゥル〔いつもきれいな人達〕、プルン・ハンギョン・コリア〔きれいな環境の韓国〕等

IMF管理体制以降、公共勤労事業が実施されることにより、創業型自活共同体以外にも公共勤労を活用した共同体創業が活発に推進されるようになった。

     例:

−無料看病人派遣事業を通じた看病人共同体の推進:北部失業者事業団、チャムサラン〔真の愛〕看病人会

−森林手入れの公共勤労を通じた営林共同体の推進: 太白 ( テベク ) 自活支援センター

−家屋修理事業を通じた建設共同体の推進: 冠岳区 ( カンアク ) イルト〔仕事場〕ナヌム〔分かち合い〕運動本部、 城北 ( ソンブク ) 自活支援センター等

〇自活共同体は積極的な自活支援のためには大変重要な分野ではあるが、まだ成功モデルとして定着された状態ではない。

〇それは多様な支援策が講じられていないことが原因である。

 〇一番重要な支援策は競争力が脆弱な自活後見機関に対する積極的な資金支援と「社会的な仕事の創出」のための配慮である。

<参考−ソウル市・冠岳(カンアク)自活支援センターの活動>  

 冠岳自活支援センターは1996年6月に設立された代表的な自活支援センターで、既に10年余り前からボンチョン洞のサンドンネ〔丘に不良住宅が密集している地帯を指す。写真はカンアク区のあるサンドンネである。編訳者注。写真撮影:編訳者〕で活動していた聖公会所属の「ナヌムの家」が中心になって設立された。

 センターには5名の常勤者が勤めているが、地域の日雇労働者、女性家長、障害者等に自活支援サービスを提供する活動をしている。

 主な事業は、@求職相談及び就業斡旋、A共同作業場及び障害を抱えている労働者のための共同作業場運営、B縫製協同組合「ナヌム物産」運営、C建設日雇い協同組合「ビジョン」運営、D衛生管理及び生活環境改善請負事業体「プルン〔青い=綺麗な、編訳者注〕・環境」運営、E地域内の創業希望者の創業支援等がある。各事業別に少なくとも5‐6個から多くは数十個の仕事を創り地域の貧困世帯の自活に役に立っている。しかし事業の運営・管理のための空間不足、事業費不足のため事業拡張には限界があり、販路開拓に困難な状況である。

 〇自活促進のためには臨時的な仕事ではなく長期的な仕事が必要である。

 〇一般労働市場で即に仕事を手に入れるのは事実上不可能なので公共部門での就業機会の拡充が必要である。

 〇「社会的な仕事」は無料看病人のように、これまで必要だったが供給されなかった分野を中心に創られるべきである。

 〇政府だけではなく市民社会の全体が「社会的な仕事」のための予算、人材、インフラの構築のために努力すべきである。


6)自活プログラム…個人創業の支援

 @個人創業支援の趣旨と性格

〇低所得層に創業のために必要な資金融資および技術・経営指導を提供することによって自活・自立の基盤を準備できるよう支援する。

〇個人創業は共同体レベルではなくても個人が十分に創業を持続できるような条件が整った時実施される。

〇資金融資は基本的に「零細民生業資金融資」を活用し、技術及び経営指導は自活後見機関や「小商工者支援センター」等で実施する。

〇ただし個人創業は自活プログラムとして扱うよりは、自活共同体及び自活公共勤労と多角的に連携し運営されるプログラムの一部として扱われるべきである。

−後見機関の判断によって自活共同体に参加している受給者に個人創業を推薦することができ、既に個人創業の条件が与えられた者の場合でも必要に応じて後見機関等が支援を行われるようにする。

     ただ、就業対象者に対する創業支援は基本的に職業安定機関によって管理される。従ってここで扱う個人創業は多少能力が落ちる非就業対象者達が利用可能な資源を活用して創業することを意味する。

A個人創業支援の方法

〇個人創業対象者の選定は担当公務員が受給者の欲求、意志、能力等を考慮して判断するが、本人の意志や計画だけで判断するのではなく、自活後見機関や小商工者支援センター等に相談し、慎重に判断することが重要である。

〇市郡区は創業のための技術・経営指導が必要な個人創業者に直接(創業支援センター等がある場合)に、または自活後見機関及び小商工人支援センター(中小企業庁)等を通じて支援することが出来る。

     小商工者支援センターでは本センターを通じて事業に成功した経験者達がボランティア(1600)として活動しており、創業及び経営相談、業種・業態別創業マニュアル開発の普及等について無料で支援している。

〇そして資金支援を斡旋し事業性格、規模等によって申請額を助言する。生業資金の融資を受けられる場合は次の通りである。

−受給者が創業する場合

−受給者及び受給者のすぐ上の階層と共同で創業する場合

−受給者が構成員として参加した法律第18条の自活共同体が創業する場合

B個人創業の支援事例

〇条件付受給者が個人的に創業することは簡単ではない。資金・情報・技術・経験等が不足しそれに関連する支持網も脆弱である。

〇既存の創業情報や案内書は大部分の場合が一定水準以上の資金と技術を求めているので、生計保護対象者が活用するには難しいところがある。

〇部分的に老人創業情報等においては役に立つが、まだ個人創業に間する支援事例が十分ではないことは明らかである。

     参考:老人創業推薦業種(韓国保健社会研究院)

−パソコンで作る即席印鑑ショップ

−鍵屋、靴修繕屋

−即席カマボコ屋(路店〔屋台〕)

−即席餅・カルビ専門屋(路店〔屋台〕)

−駄菓子販売店

−移動式飲み物屋(ジュース・バー) (路店〔屋台〕)

 

〇路店〔屋台〕、小規模店舗、縫製請負のためには機械の購入等の支援が可能だが、非就業対象者が自分で生業資金の融資を受け創業をする場合は慎重に判断して施行すべきである。

<付表>

1.大都市地域と中小都市地域の民間委託公共勤労事業の遂行機関と事業の内容

付表−1大都市地域(例:ソウル市ノウォン区)

サービス形態

機関区分

機関名

供給可能な事業

供給規模()現行 /

今後の目標

備考

公共勤労事業

公共

ノウォン区役所

一般公共勤労事業

162事業 / 1854

20002段階

ドボン雇用安定センター

労働部就業対象者公共勤労事業

 

今後計画

民間

北部失業者事業団

飲食物再活用収去業体

現在参加人員20

公共勤労民間委託

森林手入れ事業

現在参加人員55

山林庁委託事業

廃パソコンリサイクル事業

現在参加人員6

「失業克服国民運動」支援事業

ノウォン自活支援センター

無料看病人派遣事業

現在参加人員25

公共勤労民間委託/特別就労事業

生計保護者及び障害者家庭への無料塗装業者の派遣

現在参加人員5

特別就労事業

生計保護者家庭及び施設の無料洗濯支援

現在参加人員8

特別就労事業

青年失業者の職業訓練公共勤労

参加人員17

ソウル市民間委託

付表−2中小都市地域(例:全羅北道・全州市)

機関名

事業名

参加期間

参加人員

大韓聖公会・ジャグン・サランウイ・ジプ〔小さな愛の家〕

飲食物再活用事業

99.7-99.12

19

放課後活動指導

00.1-00.9

全州勤労者宣教相談所

郵便・ポスター貼り

00.1-00.3

25

体育公園

00.1-00.6

環境事業所

00.1-00.6

公園助成

00.1-00.6

林協の森林手入れ

00.3-00.6

リサイクル・分離収集

00.1-00.6

川辺整備

00.1-00.6

全北地域建設労働者無料就業斡旋センター

民有林の手入れ

00.1-00.6

62

建設現場監視

99.10-99.12

勤労福祉公団

雇用保険業務補助

00.1-00.8

15

失業者総合支援全北センター

飲食物飼料化事業

99.7-00.7

16

全州東部雇用安定センター

求職セールス公共勤労事業

99.11-00.6

44

全州西部雇用安定センター

求職セールス公共勤労事業

99.10-00.8

21

ウソク大学社会教育院

文化遺産の映像デジタル化

99.8-00.3

10

ソンエ在家老人福祉会

社会福祉支援

老人家庭訪問事業

00.1-00.6

1

全州在家老人福祉センター

老人訪問サービス

00.4-00.6

1

インボ老人総合福祉館

 

 

2

エンマオ・サラン病院・在宅老人福祉センター

老人家庭訪問サービス

00.1-00.6

1

ヨミョン在宅老人福祉センター

家庭奉仕員派遣事業

 

1

ドンアン総合社会福祉館

女性社会福祉支援

99.9-00.6

60

全州市公共勤労

99.9-00.6

全州YMCA

漫画店モニタリング

99.9-99.12

15

PC店モニタリング

00.1-00.3

PC店、青少年がよく寄る店

00.7-00.9

TVモニタリング

00.4-00.6

全州平和社会福祉館

敬老食堂

00.1-現在

11

全北総合社会福祉館

老人家庭訪問サービス

老人おかずサービス

 

6

全州総合社会福祉館

家事補助員

00.5(2週間)

60

99.4(1ヶ月)

全州市精神保健センター

全州市民精神保健質問調査

00.4-00.6

25

週間再活プログラム

00.7-00.9

エンマオ・サラン病院

 

 

1

全北障害者総合福祉館

炊事補助・清掃

00.4-00.9

2

全州市保健所

公共勤労訪問看病事業

00.1-00.12

20

2.共同体創業支援事業の遂行機関と事業の内容−大都市のみ−

 中小都市地域の場合、自活後見機関を中心に自活共同体事業が運営されているが、地域内の市場が狭く、共同体の生産物(サービス)の販路開拓に苦労している状態である。従って大部分の自活共同体事業は民間委託の公共勤労事業の形態で行われるしかないと思われる。そのことについてこの中では大都市の事例のみを紹介することにし、その他の民間委託の公共勤労事業については付表−2を参考にしてもらいたい。

付表−3.共同体創業支援事業の遂行機関と事業の内容

サービス形態

機関区分

機関名

供給可能な事業の内容

供給規模()

現行/今後の目標

備考

共同体創業支援

公共

北部勤労福祉公団

長期失業者、失職女性家長

長期失業者1件

/失職女性20

20002月から

1999年から現在

ノウォン区役所・社会福祉課

生業資金融資

44,100万ウォン

200013

民間

ノウォン自活支援センター

シルガ・バヌル〔糸と針〕、ウリ・プンセ、ヌル・プルン・サランドゥル、ナヌム建設日雇労働者共同体、洗濯業共同体の自活共同体

5ヶ所・現在参加人員85

/今後の計画人員130

自活共同体支援

北部失業者事業団

飲食物再活用収去業、森林手入れ営林共同体、廃パソコンリサイクル事業

3ヶ所・参加人員50

/今後の計画人員80

自活共同体運営・支援

ハゲ社会福祉館(希望の家)

ボイラーの施工・手入れ

5

 

3.全国自活支援センター現況と主な活動

自活支援センター名

活動内容:名称(業種・雇用現況())

ソウル市・冠岳区

ナヌム物産(〔分かち合い〕、縫製/16)、ビジョン(建設日雇い/3)

プルン・環境・コリア(〔青い環境韓国〕、清掃請負/15)

ソウル市・ノウォン区

シルガバヌル(〔糸と針〕、縫製/15)、ウリプンセ(縫製/8)

ノウォン・ヌル・プルン・サランドゥル(〔常に綺麗な人々〕、清掃請負/10)

ナヌム建設(〔分かち合い〕、建設日雇い/4)、ナヌム看病人(看病人)

ソウル市・マポ区

アルンダウン洗濯ナラ(〔美しい洗濯の世〕、洗濯/8)、ヤッソン・オンマ・フェ(〔薬手の母の会〕、看病人/25)、マスル・マンドゥヌン・サランドゥル(〔味を作る人々〕、出前配達/15)、マポ・プルン・環境(清掃請負/3)、グリム・カットゥン・ジプ(〔絵のような家〕、建設日雇い/2)、タサラミ(縫製/7)

ソウル市・城北区

ドゥルムセ(縫製/8)、城北ヌル・プルン・環境(清掃請負/4)

ドゥレ建築(建設日雇い/5)

釜山市・ササン

ダソル・ヨンヨク(清掃/12)、チャンゾ・ハヌン・サランドゥル(〔創造する人々〕、建設/15)、看病人(看病/6)

釜山市・東区

MCオペロル(縫製/15)

デグ市・北区

緑色マウル(〔緑色のまち〕、建設/3)、プルビ(塗装屋/9)、ソマン事業団(〔願いの事業団〕、看病/10)、ムルレ(服の修繕/3)

デグ市・南区

ヘッサル(〔日差し〕、看病/16)、イルグ建築(建設/4)

仁川市・東区

ダサン建設(建設/6)、ハンマウム・ドウミ(〔心を合わせた手伝い〕、看病及び派出婦/10)、キョンソ(縫製/4)

光州市・南区

ウリドゥリ(建設/60)、リサイクルセンター(リサイクル/7)

大田市・東区

ソンシ共同体(15)、サンボ食品流通(15)、看病人

ウルサン市・南区

クルボル事業団(〔ミツバチ事業団〕、清掃及び産婦手伝い)

ウルサン市・北区

ウルサン・ヌル・プルン・サランドゥル(清掃請負/4)、ヨンポ商事(リサイクル/2)、古着リサイクル及び修繕業(2)

全羅北道・全州市

ドェサルリン事業団

忠清南道・天安市

ヌル・プルン・食品(〔常に青い食品〕、大豆もやし工場/7)、ソンノ建築(建設/8)

京畿道・カンミョン市

看病(15)、ベイビー・シート(5)、塗装業(2)

全羅南道・ヘナン市

プルチル(塗装業/5)、フンネウム共同体(〔土のにおい共同体〕、農家への人材派遣/5)

注:全国20個のセンターの内1999年に新設された3ヶ所の資料は除外する。参考として、保健福祉部は2002年まで自活支援センター(自活後見機関)270個に増やし、全国の主な市郡区に1ヶ所ずつ設置する計画である。

出処:韓国自活支援センター協会資料、大統領秘書室クォリティ・オブ・ライフ向上企画団(200.1)より再引用

 (註)参考文献

 1.「地域特性別自活支援事業事例集」(保健福祉部・ソウル市政開発研究院、2000.9

 2.「共同体と共に行う自活支援」(大統領秘書室クォリティ・オブ・ライフ向上企画団、200.1

 3.「自活生産共同体運動のキルザビ〔手引き〕」(韓国都市研究所、2000.3