10.10.10-log
今日09.12.24 ヤフーニュースに直接政治の記事が出ています
ヤフー ニュース より
評論家の東浩紀氏が「ネットがあれば政治家は要らない」とし
てウェブ上のサービスを利用した直接選挙制の概念にまで言及
、波紋を広げた。ネット選挙について考察している人なら誰も
が薄々感じていることを、ついに堂々という奴が登場した、と
いう印象である。
もともとの政党政治や代議制とは、すべての人々の意思や意
向を忖度し政治に反映することは困難であるから、これを代弁
する選良を国会へ送り出し、国民の代表として政策を立案、吟
味して国家を運営していこうという発想である。
ところが概念
的にはネットが普及し尽くした場合、「直接選挙が物理的に困
難であるがゆえの間接民主制」はその拠って立つべき本来の根
拠を失う。国家が取り組むべき政策課題の国民への周知や、そ
れに対する国民一人ひとりの意向を確認する手段は、ごく近い
将来、本当に用意されてしまうだろう。
◇民意を確実に反映できる政治へ◇
東氏のいう「どの規模だったら直接民主制が可能かというの
は、各時代のコミュニケーションの技術が決める」という議論
は、従来からのドブ板選挙を一掃しないまでも、日々の政治の
なかで民意を汲み上げるための補強手段としては十分、有用な
ものだろう。
政党政治のメカニズムや、国民の意見を集約するシステムと
しての二大政党制の是非については、吉田徹氏の『二大政党制
批判論』に詳しい。現在国家が取り組むべき課題は複合的であ
り、これへの対処を画一的な党派性によって統制された2つの
組織ですべて解決できるとは到底考えられない。
売り口上は「
得票率47.4%で議席の74%を獲得するシステム」への批判であ
る。ただ、それだけではない。小政党など第三極に異様に不利
な小選挙区制の定着によって、細やかな民意の吸い上げができ
ずにマニフェストのようなパッケージ政治の限界が、政治制度
全体への国民の不信感、無力感を喚起しているのではないかと
いう問題意識もある。
何より地滑り的勝利が起きるたび、新鮮ではあるけど能力の
保証はまるでない新参の政治家が戦勝した与党で量産され、次
回選挙で負けると綺麗さっぱりいなくなるという“潮干狩り”
のような政治的光景は、はたして日本の民主主義において望ま
しいことなのだろうか。
ネットが政治に大きな影響力を与えられるだけの技術的な可
能性を用意したということは、すなわち私たち国民が政治をど
う変えていくかという創造的なアイデアを実現できる素地を与
えたということだ。東氏が語った直接民主制がいますぐ実現す
るとは考えづらいし、吉田氏が問題を提起したポスト二大政党
制と小選挙区制定着の流れが変わるとも思わない。
しかし、四
半世紀ほどの期間を経て着実な議論を国民のあいだで積み重ね
ていくならば、じつは本気で民意を確実に反映させられる政治
というものがネットによって実現できるのではないか、という
見果てぬ夢も幻想に終わらないかもしれない。
参政員制度は上の全面的直接政治ではなく、50%条項により最低でも議員 の意思が議決の半分を占めるという安全弁を持っています