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東出典子の天真爛漫でいこう!


開かれた空間  1992年8月28日号


 
 牧薫子が客演することになり、森之宮のプラネットステーションに赴いた時の事。
プラネットステーションを横目に少し南に下り喫茶店に入った。
別に特にお茶の美味しいといった喫茶店ではないのだけれど、ガラス越しの景色がやたらナチュラルで、私
は思わずそっち向きの席を選んで座った。
ケーキセットを注文し、電話をかけ、雑誌に目をやりながら昼下がりの陽気にウトウトしていたが、ふと通
り過ぎた心地よい風に誘われて顔を上げた。
目の前にある透明な壁の向こう側には・・・え?違う!ガラスが無い!なぁんだそれでか。と、いうわけで
その一面はガラス貼りではなく、アコーディオンドア(というのかどうか知りませんが)だったのだ。
扉は開かれており、ベランダの向こうが低めの塀、その向こうがお隣りの建物と街路樹といった風景で、ガ
ラスを通していないのだから当然の事ながら鮮明な色彩が目に飛び込んで来る。
「いいなぁいいなぁ」とずっと思っていた。
私は開かれた空間や大きな窓、吹き抜けの家が好きで(だからといって我が家はそうではありませんが)、
そういった空間に出会えると幸せな気分になれる人なのです。
最近(といってももう随分になりますが)お気に入りのレオス・カラックスの映画には、それらが必ず出て
来るようでお気に入りである理由はそのせいかも知れないな・・・。なんて思ったりもします。
昔、誰かに大窓が好きと言ったら、こちらからもよく見えるってことは反対に外からもよく見えるってこと
なんだよ。って言われた。
「なるほど」と納得はしたものの、やっぱり大窓には憧れる気持ちは変わらないな。
だけど最近は大きな窓や庭のある家は減って行き、箱の様な建物ばかり増える。
ベランダがあればまだいい方で、窓の無い部屋に至っては息が詰まんないのかしらと思うよね。
でも、まぁ、住めば都、慣れれば快適になるものなのよ人間って。
窓の大きな部屋ないかなぁ。そーいう所に住みたいなぁ。
そうそう、さっき言ったカラックスの映画に出てくるアパートは一面ガラス貼りの部屋だったり、入口がシ
ョールームの様に全面ガラスの住居だったりするから私の理想とするものなのよね。
因みに『汚れた血』に出てくるガラス貼りの入口には毎夜覗き屋が現れるの。
で、この人は何もしないんだけどやっぱ怖い。
でもね、その内と外とが透明な壁一面で隔てられてるのが素敵なのはお分かりいただけるでしょう?
人間っていつもどこかで解放感を求めているから(その反面で縛られたいという意識も働いているんだけど)
開かれた空間、見通しの良さを好むのかも知れないな。なぁんて、あなたもそう思いません?



現在のコメント

いつだかに発見したコト。
私って、たぶん、閉所恐怖症気味なんだと思う。
東京に引越ししてすぐくらいにシェアしようと思い、人も部屋も探したけどダメだった。
ず太そうで無頓着そうな私はその実、意外と神経質でキレイ好き(妹が聞いたら全面否定するかもね)なの
で、そういう相棒を見つけられなかったのだ・・・。
という程探さずに、持ち前の諦めの良さですぐやめました。
あぁ、でもやっぱ、開け放たれた空間で日々を過ごしたいざんすぅー。


なよのコメント

思いません!絶対思わん!(笑)って私は開所恐怖症やねんな、これが(笑)
狭い場所大好き!広い所怖いっす(笑)秘密基地的な所とか大好きなんよねー。
ガラスの壁なんてアホちゃう!って思う(笑)
一人暮らしが大前提やったらええけど、家族とかおったらそんなんプライバシーもあったもんやないで!
あと、割れた時のこと考えるのは阪神大震災の端くれを体験した者やからかなぁ。
どっちにしても、私にとったら恐ろしいことやわ。
昔、南仏旅行でアルル泊まった時、トリプルの部屋で天井高いし、やたら広くて隣りのベッドが視界に入ら
へんで怖かった!(笑)
あんな部屋住みたない。視界に部屋の端から端が入るところがええわ。掃除も大変そうやしな。。。